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灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水
3章 闇と炎は何を紡ぐ

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68/105

68.魔法決闘

 午後の授業では「魔法決闘」というものをやった。

これはそのままズバリの内容だが、もちろんそれなりのルールがある。


まず、舞台となるステージは必ず平坦な五メートル四方の正方形とし、障害物を置いてはならない。

次に、決闘者はあくまで魔法のみを使って戦い、他の武器や観客その他からの支援を受けてはならない。


 試合は、決闘者の両方がそれぞれの位置にスタンバイして礼をし、それから五秒後にスタートする。

時間制限はないが、場外に出る、魔力が切れる、気絶するのいずれかに該当したら負けとなる。


使用魔法の制限は基本的にないが、相手を気絶させる魔法や辱める魔法は使用禁止となっている。

決闘とはあくまである種のスポーツであり、殺し合いではない……と、担当の先生が述べていた。


「かつて、決闘は本物の殺し合いだった。でも今は、そうではない……一般的にはね」


 そう語るのは、マークス・ジュベル先生。

緑の髪と瞳を持つ男の先生で、見た目からするとかなり若い……二十代後半くらいだろうか。


ちなみに、緑の髪と瞳は風の天賦を持つことを意味している。

実際に、この先生は風の魔法使いだそうだ。


「昔の決闘は、二人が参加しても生きて帰ってくるのは一人だけだった。今では、いわばある種の裁判……いや、実力行使のようなものとしての側面が強い」


 決闘において、昔と今とで変わった一番大きなものは「賭けるもの」だという。

昔はそのまま、お互いの「命」を賭けていた。だが今は、「要求」を賭けている。


つまるところ試合に勝った者が要求を通すことができ、負けた者はそれを受け入れる。

そういうシステムだと聞かされると、確かにある種の裁判のようにも思えてくる。


 で、まあ流れ的に当然……というべきか、私たちが実際にやってみることになった。

といっても安全面には配慮され、また時間の都合上一部の選ばれた生徒だけがステージ上に立ったが。


ただ、その「選ばれた生徒」の中にばっちり私も入っていた。

まあ、今までにもこういう場面では大抵お呼びがかかっていたので、慣れっこではある。


 私の相手をしたのはというと、ウィロー・タングルという生徒。

先生と同じように風魔法の天賦を持つ男子生徒だが、座学・実習の両方で優秀な優等生だ。


先生の指示に従い、規定の位置につき、周囲の生徒が見守る中、試合が始まった。

向こうが先手を取り、小さな竜巻を飛ばす「アルストパール」を使ってきたが、私はこれを「シール・メイル」、つまりシールドを張って防いだ。


何気に、シールドの魔法を迷わず使う癖がついていることを感じた。

いや、魔法使いとしては自然なことなのだが、私は長らくこれができずにいたので地味ながら感動する。



 その後私は攻撃魔法として「ハードブレス」を放った。

相手の足元から炎の柱を噴き上げる魔法で、見た目の割に威力が特別高いわけではない。

しかし、実際はその予想を裏切ってきた。


炎の柱は思ったより火力が強く、ウィローの体を天井近くまで吹き飛ばした。

そのまま彼は落下し、その場所が場外だったことで私の勝利となった……のだが、そんなことより彼の身が心配だ。


 先生共々慌てて彼に駆け寄ったのだが、幸い怪我はしていないようだ。

私は正直怒られるかと思ったのだが、むしろ「気にしなくていい」と言われた。


私が元から普通の魔法使いより高い魔力を持ち、未だにちょくちょく魔法を暴走させているので、そのことがこの先生の耳にも届いていたのだろうか。


悪い気はしない……と言いたいところだが、完全にはそう思いきれない、複雑な気持ちになった。


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