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灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水
3章 闇と炎は何を紡ぐ

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66.朝の騒動

 転機が訪れたのは、六月の中旬。

そろそろみんな新クラスでの生活に慣れてきて、本性を現す頃だな……とは思っていたのだが、それを裏付けるような出来事があった。


ある朝、私が教室に来て席に着いていると、突然バタバタという音が聞こえた。

その方を見ると、二人の男子……ルーク・ホワードとジェイル・ネリーが何やら喧嘩していた。


 ルークは光、ジェイルは水の天賦を持つ魔法使いで、どちらもそこまで目立ちはしないものの、普段から教室で話している姿を見かける生徒だ。


で、二人は最初椅子を取って殴り合っていたのだが、そのうち魔法を使い始めた。

ルークは光、ジェイルは水の弾を飛ばして相手を攻撃する。

誰かが止めに入ろうとしたが、流れ弾が命中して足をやられ倒れた。


「ヤバい……!」


 おそらく先生を呼びに行ったのだろう、ノエルが廊下に飛び出していった。

その間にも二人の応酬はエスカレートし、とうとうルークがジェイルに派手な魔法を使った。


「リブト・ブライン!」


それは「変身の魔法」──相手を詠唱者が望む動物の姿に変えてしまう魔法。

たちまちジェイルは白いネズミの姿になり、周囲の女子たちが悲鳴を上げた。


 ルークはそれで勝った気になったのかもしれないが、ジェイルはすぐに反撃に出た。

彼の足に噛みつき、引っ掻き、すぐに逃げ出して、教室の中を走り回って彼を錯乱した。


そんなこんなで教室は大騒ぎになったわけだが、そのうち誰かが二人の前に障壁を作り出した。

そこで私は、ジェイルに魔法をかけた。


「ゼルト・バレリア!」


 こちらは、対象にかかっている魔法を解除する魔法。

あまり強力な魔法は解除できないが、それでも普通の生徒の魔法くらいなら十分解除できる。


これによってジェイルは人の姿に戻り、ルークは驚きつつも私の方を見てきた。

だが、彼が私に手を出す前にまた障壁が現れた。


さらにその障壁は、そのままルークの周囲四面に現れて彼を囲い込んだ。

そこで先生がやってきて、「何をやっている!」と怒った。


 先生はまずジェイルを見、「これはお前がやったのか?」と確認した。

彼が違うと言うと、代わりに自ら名乗り出た生徒がいた。


それは、ニールだった。

彼は二人の喧嘩を止めるために障壁を作ったが、ジェイルの魔法を解いた私をルークが狙ってきそうだったので、やむなく障壁を作り出して彼を抑え込んだというのだ。


「それは本当か?アリア」


「はい……さっき、ジェイルが変身の魔法を受けてネズミにされたので、戻したんです」


「そうか……まあ、詳しい事情はゆっくり聞くとしよう」



 先生はニールの張った障壁を壊し、中にいたルークを魔法で捕まえた。

彼はいきなり逆さ吊りにされて驚いたようだったが、先生の姿を見て硬直、沈黙した。


「朝から元気だな、ルーク。だが……その元気さは、今回ばかりは仇になるな」


ジェイルはしてやったりという顔をしたが、先生は彼の方も見た。


「お前もだからな、ジェイル。二人とも、今日の一時間目は公欠にしてやる。そのかわり、じっくり話を聞かせてもらう」


 ふと、ノエルと目が合った。

先生を呼んできたらしい彼女は、私を見て「ナイスだよ」と仕草で伝えてきた。

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