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灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水
3章 闇と炎は何を紡ぐ

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60.三年生の始まり

 それからは季節は逆戻りしたりはせず、順調に進んでいった。

道を覆う雪は日を追うごとに解けていき、春の訪れを知らせる「雪割草」があちこちから顔を出すようになった。


この草は山菜でもあるのだが、正直私はあまり好きではない。

食感は悪くないが弱い苦味があり、これが嫌いなのだ。

とはいえ母も別に好きではないようなので、あまり食べる機会はない。


一方で、リーネとユエはむしろ好きらしい。

揚げ物にするとおいしいらしく、私も食べてみたが……やはり微妙だ。

まあ、食べられないわけではないが。




 そうしてあっという間に修了式を迎え、春休みがやってきた。

この休みが終われば新年度が始まり、私たちは三年生となる。


それに先立ち、三月三十一日に私は十二歳の誕生日を迎えた。

それで毎年のことながら、母から新たな魔法を教わった。


 今回教わったのは「シディクリア」。勇気の魔法とも呼ばれる魔法。

ただ、厳密には勇気が出る魔法ではない。


では何なのかというと、「心の底にある感情を解き放ち、たがを外す」という魔法だ。

それだけ聞くとわかりづらいが、要するに「やりたいと思っているが、実際にやる勇気を持てずにいる」という状況にいる時、最後の一押しとなる魔法である。


 この魔法があれば、実践したいがそれができない、という時に思い切ることができる。

それはある意味で勇気を出すとも言えるため、勇気の魔法と呼ばれているらしい。


「したいことがあるけど、勇気が出なくて実践できない……ということはあるでしょう。そんな時に、この魔法を自分に使うといいわ。ただし、悪用はくれぐれもしないこと」


「もちろん。悪用なんてしないよ」


 ちなみにこの魔法は自分以外にも使えるが、早い話が一時的に理性を失わせる魔法であり、使い方を一歩間違えると危険なため、推奨はされないという。


まあ、正直この魔法は他人に使う場面はあまりないと思う。

むしろどちらかというと、自分自身に使うことの方が多いだろう。


何なら、復讐の時にも使えそうな魔法ではある。もっとも、そんな相手がもう現れないことを願いたいが。




 そうして迎えた始業式。

今回もまたクラス替えがあり、私はノエルとライドと一緒になった。

ユエたちとはクラスが変わったが、それでも休日などにはちょくちょく遊ぼうと約束した。


また、今年から担当の先生が変わった。

紫の長髪と目をした女の先生で、名前はメジェラ・ロイゼンという。

その見た目から察せられる通り闇の天賦を持つ先生で、授業も闇魔法の授業を受け持つらしい。


 さっそくだが、男子からはその見た目がグラマラスだということで人気が出ていた。

しかし、いざ話してみると前の先生に負けないくらい厳しい感じの先生で、そんな浮ついたことを言う生徒はすぐにいなくなった。


「今年一年、君たちのクラスは私が受け持つことになった。私は元々闇魔法の専門だったからな、それ以外の天賦を持つ者の相手には慣れていない」


別におかしいことは言っていないし、声も落ち着いてはいるのだが、何というか……怒らせたりしてはいけないような雰囲気を醸し出している。


 それに私は、この先生から何かただならぬものを感じる。

元より厳しい視線の先生ではあるが、私にだけさらに鋭い視線を向けてきているような……そんな気がした。



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