表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/17

5.違う未来を信じて

 校舎への入場が始まると同時に、私たち新入生はぞろぞろと校舎の中へと入っていく。

学院の建物は外から見ても大きかったが、中に入るとさらにその広さを実感した。


磨き上げられた石造りの床。高い天井。壁に掛けられた見たこともない絵画や紋章……いかにも魔法使いの学校らしい雰囲気だ。


「すごい……」


 思わず声が漏れる。

前世の学校といえば、コンクリートの校舎に蛍光灯、机と椅子が並ぶだけの場所だった。

だがここは違う。まるでお城だ。

本当に、こんな場所で勉強するのだろうか……期待と緊張で胸が高鳴る。



 そうして案内された先は、大きな講堂だった。

数百人は入りそうな広さで、奥には壇上が設けられている。

新入生たちは決められた席へと座り、保護者たちは後方へ移動していく。


「それじゃあね。終わったら迎えに来るから」


「うん」


母に手を振り、私は指定された席へ向かった。すると――


「ねえ」


 不意に、隣から声を掛けられた。

見ると、私と同じ赤髪赤眼で、髪だけが肩ほどの長さに切り揃えられている少女がそこに立っていた。


「あなたも炎の天賦があるの?」


「……え?」


唐突に話しかけられ、一瞬固まる。

だが少女は気にした様子もなく続けた。


「だって髪、赤いし」


「ああ……うん。そうだよ」


「やっぱり」


 少女は嬉しそうに笑った。


「私、シルフィン・アークレイド。よろしくね」


「シルフィン、ね?私はアリア・ベルナード」


「へえ、ベルナード。……あれ?それって……」


そこで、シルフィンの目が少し見開かれた。


「もしかして、『灼炎の女皇』……セリエナ様の?」


「そう、それ」


 やっぱり有名なんだ。私からすれば、普通の母親なのだが。


「すごい!私、1回だけセリエナ様を見たことあるよ!街の祭典で!」


シルフィンは目を輝かせる。


「そうなんだ」


「うん……めちゃくちゃかっこよかった!」


 そう言えば、母は年に一度の町の祭典では毎年炎魔法を使ったパフォーマンスをしたり、若い魔法使いたちの実力テストをしたりしていた。


シルフィンは、「セリエナ様の子供に、それも同級生として会えるなんて……!」と感激していた。本当に尊敬しているのだろう。

自分のことではないにせよ、母のことを褒められると、なんだか嬉しい。


「セリエナ様の子供ってことは、あなたもすごい魔法使いなんでしょ?」


「いや、そんなこと全然ないよ」


「またまたー」


 そんなやり取りをしているうちに、緊張が少しだけ和らいでいた。


前世では、転校初日にこんなふうに話しかけられることなどなかった。むしろ、みんな私を避けていた。

だからこそ、こうして普通に会話しているだけで妙に安心する。


もしかすると、本当に今世は違うのかもしれない──そんなことを思った、その時だった。



 講堂の扉が閉まり、壇上へ一人の老人が歩み出る。

長い白髪に白い髭。深い青色のローブを纏った老魔法使い。

会場が静まり返った。


「新入生諸君。ゼスメリア魔法学院へようこそ」


老人の声は決して大きくはない。だが、不思議と講堂の隅々まで響いた。


「私は学院長、オルフェウス・レインハート」


 学院長、つまり校長先生か。

いよいよ、魔法学校の生徒としての人生が始まる。

今の心境を語るなら、ずばりこの一言……「ワクワクドキドキ」だ。



でも、この時私はまだ知らなかった。

魔法使いの学校は、決して楽なものではないことを。

この学院に、かつて私を死へ追い込んだ者たちがいることを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ