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灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水
2章 新たな友人と共に

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48/68

48.決行の夜

 それからおよそ一ヶ月の間、私たちは毎週のように休日に合流し、フェグジレードの練習を続けていた。


最初は断片的だった夢も、今ではかなり鮮明に再現できるようになってきている。

もちろん、それを誰かに見せる機会はまだない――いや、なかったが。



 そうして迎えた、次の週末。

私はいつも通り学院から帰宅し、夕食を済ませ、自室へ戻り……時間を無為に過ごした。


机の上には課題のノート。窓の外には星空。

何も変わらない、いつも通りの初秋の夜だ。

けれど、今日だけは違う。


「……いよいよだ」


小さく呟く。


 緊張なのか、怒りなのか、それとも別の何かなのか……自分でも分からないが、とにかく胸の奥がざわついていた。


時計の針が進んでいき、家の中が静かになり、私はベッドへ横になった。

杖を握り、静かに詠唱する。


「エルフィラード」


淡い光が私を包み、意識がゆっくり沈んでいく。

瞼が重くなり、体の感覚が遠ざかる。

そして――。




 気付くと私は、真っ白な空間に立っていた。

上下も左右も分からない、ただ白だけが広がる世界。


ここは、夢と夢の狭間。

エルフィラード、他者の夢を直接眺める魔法によって作り出された世界だ。


「来たね」


 聞き慣れた声がして振り返ると、そこにはユエが立っていた。

厳密には、今の彼女は少し違う。

どこかユエであり、どこか芽依だった。

夢の中だからだろうか、表情もいつもより大人びて見える。


「待ってたよ」


「ごめん。少し遅れた」


「気にすることないよ。数分だけだから」


ユエは笑ったが、その笑みは固い。

私も同じだった。


 しばらく二人とも黙り、やがてユエが口を開いた。


「本当に、やるんだね」


「……うん」


「一応確認するけど……今なら、まだやめられるよ」


意外な言葉に、私は思わず彼女を見る。

ユエは少し俯いていた。


「一ヶ月前なら、絶対言わなかったと思う。でもさ、最近考えてたんだ」


白い世界の中で、彼女は続ける。


「これをやったら、もう後戻りできないなって」


 私は何も言わない。その通りだからだ。


「それでも私、やっぱり許せない。三春を殺したことも、私を殺したことも」


ユエは顔を上げた。


「だから、やる。あいつへの、復讐を……」


その瞳に迷いはない。

私も頷く。


「うん、私も。てかよく考えたら、今更じゃない?」


「ふふ、確かにそうね。もう──復讐は始まってるんだもんね」


 白い空間の奥で、淡い光が揺れる。

エルフィラードが示す夢の入口。その先にある目的地は、一つしかない。


リーネ……村上奈々。彼女の見ている夢の世界だ。



「行こう」


ユエの言葉と共に、二人は並んで歩き出す。

白い世界の向こう、夢のさらに奥へ。

リーネの見ている、夢の地獄へ。

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