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灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水
2章 新たな友人と共に

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36.誰かに似た言葉

 遺跡調査から数日が過ぎた。


学院の日常は相変わらずだ。

朝は授業を受け、昼は友人たちと食事をし、午後は実技訓練……何も変わらないように見える。


けれど、私の中には小さな違和感が残っていた。


 ユエとリーネ……二人の奇妙な言動。

遺跡で見せた涙や謝罪もそうだが、それ以外にも引っかかることが増えていた。

そして最近、その違和感は少しずつ別の形を取り始めていた。


「アリア、また魔力出力が上がってるわね」


実技訓練の最中、リーネが私を見ながら言った。


「そう?」


「そう。さっきの火球、威力だけなら先生並みだった」


「褒めてる?」


「別に」


 相変わらずの無表情。

だが次の言葉に、私は少しだけ眉をひそめた。


「ただ、力に振り回されてるようにも見える」


「……どういう意味?」


「そのままの意味よ」


リーネは淡々と言う。


「感情的になりやすいし、周りが見えなくなることもある。ああいうのは危険だと思う」


悪意は感じないが、妙に棘があった。


「まあ、気をつけるよ」


「そうして」


会話はそれで終わった。

だが胸の奥には、小さなざらつきが残った。




 昼休み。

中庭で昼食を食べている時も似たようなことがあった。


「アリアって、意外と警戒心強いよね」


ユエが笑いながら言う。


「そうかな」


「うん、強いと思う」


するとリーネが口を挟んだ。


「むしろ当然じゃない?」


「え?」


「人なんて、簡単に裏切るんだもの」


空気が少し静かになる。

ノエルが、目を瞬かせた。


「リーネ?」


「なによ」


「いや、なんか急に」


 リーネ自身も少し不思議そうな顔をした。


「別に。普通のことでしょ」


そう言って、パンをかじる。

だが私は、その言葉に妙な寒気を覚えた。

まるで、誰かを信じて裏切られたことがある人間みたいな言い方だった。




 その日の帰り道。

私はノエルと並んで歩いていた。


「リーネ、最近ちょっと変じゃない?」


私がそう言うと、ノエルも小さく頷く。


「うん。前から口下手だったけど、最近は少し刺々しい気がする」


「だよね」


「でも、悪い子じゃないと思う」


「それはわかる」


だからこそ、余計に引っかかる。

悪意ではない。けれど時々、妙な敵意のようなものが混じる。

それも、私に対してだけ。




 その夜。

ベッドの中で今日のことを思い返していた。


『力に振り回されている』『人は簡単に裏切る』……どこかで聞き覚えのある響きだ。

ずっと昔、聞いたことがあるような。


「……気のせい、だよね」


そう呟いたが、胸騒ぎは消えなかった。



 そして──私はまだ知らない。

リーネが私を見るたびに覚える、理由のわからない苛立ち。

それが、前世から続く因縁の残り火であったことを。


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