↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水
4章 学院に吹く風

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
104/106

104.仲間を信じて

 氷の通路が終わるとすぐに小さな部屋があり、そこに銀の盾があった。

律儀に人数分置かれていたので、私たちはそれを一人一個手に取って腕につけた。


円形の直径三十センチほどの盾で、持ってみると意外なほど軽い。これなら、帰りも動きを阻害されることは少なそうだ。

シールダーやタンクが持つ盾にも小さなものがあるが、実際につける時はこんな感じなのかもしれない。


「なんか、シールダーになった気分!」


 シルフィンは盾を左腕につけ、それっぽいセリフを言いながら目の前で盾を構え、攻撃を防ぐジェスチャーをしていた。

まあ、気持ちはわかる。


しかし、まだこれで終わりではない。

この後は来た道を戻り、無事にダンジョンの出口までたどり着かなければならないのだ。

そして、それはそれで簡単にはいかないような気がする。



 その予感は見事的中した。

まず、この部屋に入る直前に通ってきた氷の通路はきれいに消えており、噴水の頂上のような水柱が一定間隔で噴き上がっていた。


「え、何これ?」


シルフィンも私と同様に困惑していたが、リーネからすると簡単なことだったようで、迷わず「シャルベニア」と唱えて水柱を凍らせ、上を歩けるようにしてくれた。


 そういえば、そんな魔法があった。

目の前のものを凍らせる、凍結魔法。

私はほとんど使う機会がなかったので忘れていたが、リーネからすると自分の天賦の基本魔法であり、忘れるはずもないなの魔法だろう。


何気にさっきシルフィンが使っていた「ファイマジンド」の効果がまだ続いており、氷上でも滑らずに移動できる。

相変わらず足場が狭く、周囲は深い闇の谷間なので、ありがたい。



 氷柱渡りの後は、しばらくこれといったことは起きなかった。

しかし、もう少しで出口というところで邪魔が入った。


出口に繋がる通路の前に、いかにもヤバそうな見た目の植物が立ちはだかっていたのだ。

緑のとがった葉っぱが地面を這うように生え、その上にオレンジ色の花が咲いており、中央にあるものは明らかに口と牙。

とどめに、全体がウネウネと動いている。


「あれって……魔物だよね?」


「そうだね。『大花毒ダリア』っていう、植物の魔物だ」


 シルフィンによると、その名の通りダリアに似た姿をした植物の魔物で、獲物が近づくと毒のあるつるで捕まえ、捕食するという。


「植物なら、炎が効くんじゃない?」


「それがね……そこがこの魔物の厄介なところなんだけど、炎魔法が効きづらいの」


「じゃあ氷?あたしの出番ね!」


「それも違う。あいつは氷にも耐性がある。まともに効くのは、光か闇の魔法。あとは……」


シルフィンは少し考え、「一応、切断の魔法が効く」とゆっくり言った。


「茎を切って、花と根元を切り離せば即死させられる。ただ、近づくのが難しい。誰かがおとりになれば違うけど……」


 私たちは魔物を見た。

まだ距離があるからだろうか、こちらには気づいていないようで、そこから動かずに葉っぱと花びらをウネウネさせている。


「なんか気持ち悪い……近づいたらバクッとやられそう」


「実際そうなんだろうね。つるで捕まえて食べる……って言ってたし」


「やめてよ!そんなこと言われると、やる気なくなるから……」


もしかして?と思ったら、リーネはなんと、こいつのおとりになると言い出した。

毒を持っていたとしても、リーネはヒーラーなので解毒も回復もできるから、大丈夫だと……。


「あたしがあいつに捕まるから、その間にあんた達があいつの茎を切って。アリア、確か切断魔法使えたでしょ?」


「一応ね。でも、それでうまくいくかな?」


「シルフィンのサポートも合わせればいい。シルフィン、アリアのサポートくらいできるでしょ?」


「うん。次の一回分だけ魔法の威力を高める魔法があるから、それをアリアに使うよ」


 なんと、そんな魔法があったのか。

それなら、心強い。


「でも、本当にいいの?リーネがおとりになるなんて」


「もちろん。それとも、あたしを信じてないの?」


「いや、そんなことないけど」


「だったらやらせて。それにあたし、切断魔法苦手なの。ここだけの話だけどね」


意外なことを暴露しつつ、リーネは私達に力強く微笑み、頷いて、魔物に向かっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。