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灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水
4章 学院に吹く風

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102/105

102.振り子地帯

 草を焼き払った通路を進んでいると、何かの音が聞こえてきた。

それは一定の間隔で鳴り響く奇妙な音で、奥に進むほど大きくなる。


その正体は、通路の突き当たりにあった小さな崖を登った先でわかった。


「うわ、何これ……!」


 シルフィンだけでなく、私達も驚いた。

目の前にあるのは、まっすぐな通路。

……なのだが、なんと巨大な振り子のようなものが大きく揺れて、通路を折り返し横切っているのだ。

それも、一定の間隔を置いて何個もある。


振り子のエッジは斧のように鋭く、ぶつかればタダでは済まないことは明らかだ。

仮にそうでなくても、通路の左右には地面がなく、深い闇が広がっているので、ここにふっ飛ばされるだろう。


「ここ、テストのダンジョンなんだよね……?」


「そのはずだけど……それにしちゃ仕掛けがガチ過ぎるわよ!」


 リーネに、全面的に同意する。

振り子はどれも天井からぶら下がっており、ガラガラッ……ガラガラッ……とすごい音を立てて通路を往復している。


昔……前世の子供の頃、ブランコで似たようなシチュエーションの遊びをやったことがあるが、あれとは迫力もスケールも違う。

正直言って、怖い。


「シルフィン、ここ以外の通路ってないの?」


「地図を見た限りない。ゴールに行くには、どうしてもここを通らなきゃ」


「そっか……」


 幸いにして、振り子はみんな同じ速度で動いており、それぞれの間にスペースがある。

つまり、振り子と振り子の間に安全地帯があるのだ。

これなら、タイミングを間違えなければ行けるはずだ。


「怖いけど、行くしかないね。振り子が来るリズムを覚えて、タイミングよく間の安全地帯に行こう」


「まあ、そうせざるを得ないか。シルフィン、大丈夫?」


「うん……怖いけど、これはテストだし。乗り越えなきゃないものだから」


 そうして、まずは私が先行した。

ガラガラッ……ガラガラッ……という音のリズム、振り子の来るタイミングを覚え、さっと振り子と振り子の間のスペースに入った。


足を止めてすぐに横を見たが、そこには迫ってくる振り子はない。

振り子は、私の三十センチほど前と後ろを通っていった。


「アリア、大丈夫!?」


「うん……大丈夫!二人も来て!」



 リーネとシルフィンはしばらく話し合い、結局二人同時に飛び出すことにした。

そしてタイミングを見計らい、私のすぐ隣の安全地帯に飛び込んだ。


「ふーっ……よかった。でも、まだまだあるのよねこれ……」


通路はまだ先に続いており、振り子も当然複数箇所に設置されている。

巨大な振り子が目の前を通る時の風圧と、ガラガラッ……ガラガラッ……という音のリズムが、さらに恐怖をかき立てる。


 だが、これに負けてはいけない。

私達はお互いに元気づけ合い、タイミングを絶対に間違えずに振り子の合間を縫って進む。


走っているわけでも戦っているわけでもないのに、すごくドキドキする。


──一歩間違えたら、即死だ。


無論、冷静になって考えるとこれはテストなので、そんなことはないのだろうが……それでも緊張感はすごくある。

通路の出口にたどり着き、恐怖の振り子地帯を抜けるまで……私達の表情と声に、余裕はまったくなかった。

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