第十輪:『ナンパの極意』
久々の更新でございます、こんにちは!
本編出来上がってたんですがどうしても昔の資料から紅龍の技名が出てこなくて…。
そういえば礼くーんってうとうとしたら変換が礼Qooになって、あれ?礼はオレンジジュース飲むのかなとなりました。どうでも良いですね!
本編どうぞ!
礼「いえーい!!! 久々の街だ!!! 都会!!! 女の子!!!」
紅龍「うるさいぞ! 静かにしろ!」
時刻は正午前。
そう、礼と紅龍は特に当番でもないのに街へと降りてきていた。それもこれも礼が毎日街に行きたい、女の子とうるさく、紅龍が痺れを切らし連れてきたのだ。
礼「サンキュー紅龍! マジ持つべきものは幼なじみだな! ちゅーしてやろうか?」
紅龍「ふざけるな! いらん!」
ちゅーの口をしながら礼が紅龍へと顔を近づけるが、紅龍は思いっきり向こうへと頬を追いやる。
礼「ちぇーっ、つれねーのなー」
紅龍「うっとおしい、早く行け」
礼「あ、そうだ。たまには紅龍も一緒にナンパしね? お前顔はまぁまぁ良いしさ」
紅龍「ふざけるな、行くわけないだろう阿呆が」
礼「そんなこと言わずにさ! あ、もしかして怖いとか?」
紅龍「……なんだと?」
礼「紅龍って女の子の扱い下手だもんなー。ナンパ失敗すんの怖いんだろ?」
紅龍「ふん、俺にだって女の扱い方ぐらいわかるに決まっているだろう。馬鹿にするな」
礼「おー、じゃあどっちが女の子落とせるか勝負だなー」
紅龍「望むところだ」
紅龍はまんまと礼の作戦に引っ掛かったのだった。
礼「ところで紅龍ナンパの仕方わかんの?」
あれから二人は更に人の往来が多く、若年層が集まる繁華街へと来ていた。ビルが大きく建ち並び、今住んでいる森とは大違いでざわざわと人々の生活音というか、街特有の喧騒に包まれている。
紅龍「だから馬鹿にするなと言っている。見ていろ、手本を見せてやる」
そう言って紅龍は意気込み、近くを通りかかった二人より恐らく少し年上のお姉さんへと近寄っていく。
紅龍「おい貴様。オレが相手をしてやる、来い」
「は? 何こいつキモすぎるんだけど」
お姉さんは暴言を吐き、ゴミを見るような目で紅龍を睨み去っていった。
紅龍「……」
礼「……く、くくっ、お前予想通りすぎだろ」
礼は笑いを堪えようとしているが、堪えきれずにお腹をかかえながら紅龍を見る。
紅龍「ええい、うるさいうるさい!!! 今の奴がおかしいだけだ! 見ていろ!」
紅龍「……何故だ」
あれから紅龍は幾度となくほぼ同じ方法でナンパをするも惨敗。その後ろで礼も何人かに声を掛けていて、既に両手に花状態だった。
礼「お前なんでやり方変えねーんだよ、マジバカすぎ」
礼はまたくくっとお腹をかかえ笑う。
「ねぇ礼くーん、早く遊びに行きましょ?」
「早く早く~」
両脇の女性は一人は高身長黒髪ロングでスラッと綺麗系。もう一人はどちらかというと童顔で低身長の可愛い系。一件タイプの違う二人に見えたが共通点が一つだけあった。
それは胸が大きいこと。
礼「ねぇ悪いんだけどさ、あいつも一緒に連れてって良い? オレの友達なんだけど、女の子の扱い慣れてなくてさ」
「礼君のお友達ならしょうがないなぁ」
「特別だよ~」
礼「サンキュー。紅龍ー、お前も一緒に行くぞー」
紅龍「おい、俺はまだ負けてはいないぞ!」
礼「もう勝負とかどーでもいいだろー? 女の子待たせちゃ悪いし、行こーぜ?」
紅龍「俺は遊ぶことを目的にはしておらん!」
礼「ほら、行くぜ?」
叫ぶ紅龍を礼は無理矢理連れていくのだった。
◆◆◆
みき「そうそう、一夜上手になったねー!」
一夜「……ちっ」
その頃家にいた未來と一夜はまた二人で当番らしく、お昼ご飯を作っていた。今日のお昼はチャーハンらしく、一夜が野菜を切っている所を未來が見守ってあげていた。
初めて一緒に当番をこなした日から数回家事をした一夜だったが、大分色々なことが出来るようになり、包丁さばきも圧倒的に上達していた。
みき「一夜はやれば出来るタイプなんだね!」
一夜「このくらいリレパの修行に比べりゃ朝飯前だろ」
みき「ふふふ、嬉しいな」
一夜「あ? 何がだよ?」
みき「絶対家事やってくれないと思ってたから、一夜もちゃんと考えてくれてるんだなって」
一夜「別に……」
一夜はそっぽを向いてしまう。
みき「わりと可愛い所あるよね」
一夜「ねーよ!」
礼央「……なんかほのぼのするね、あの二人見てると」
さこ「一夜、みきりんにだけ態度違いすぎじゃない?」
礼央「みきりんは人の懐に入るのうまいからじゃない? あまり壁を感じないというか」
さこ「確かにそうかも」
一夜と未來の微笑ましい姿を礼央と莎子は談話室のソファーに座り見守っていた。
◆◆◆
礼「とりあえず自己紹介な! オレはさっき教えたけど今礼、よろしく~」
一行はあれからカラオケへと来ていた。女性達は礼にぞっこんのようで、自己紹介だけできゃーきゃーととても囃し立てている。
礼「はぁー、やべ、こーいうの久々すぎてやべーわ。さっつんとみきりんじゃこうはいかねーもんな。自信なくしかけてたけど、オレやっぱモテんだなー」
礼は紅龍にだけ聞こえる声でとても楽しそうに言う。
紅龍「ふん、俺だって本気になれば女の扱いなど」
礼「わかったって。ほら、自己紹介しとけ」
紅龍「奈紅龍だ」
雅「あたしは雅よ、よろしく」
高身長黒髪ロングの綺麗系おねぇさんの名前は雅というらしい。黒の短いスカートからスラッと伸びた長い足が魅力的である。
まりん「あたしはまりん~。よろしくね~」
もう一人の低身長可愛い系ツインテールのおねぇさんの名前はまりんというらしい。ぶりっこというよりはおっとり癒し系である。
礼「二人とも超可愛いよねー!」
紅龍「ふん、どーせまた胸でえら──」
礼「わぁー!!! よーし歌おうぜー!!!」
雅「やだぁ、礼君とっても歌うまいのね」
まりん「ますます好きになっちゃう~」
礼「それほどでも~」
礼の歌唱力は中々なもので、女性二人はうっとりとしている。
礼「次紅龍歌えば?」
紅龍「俺はいい」
礼「遠慮すんなって、お前歌うめーじゃん」
紅龍「最近の歌など知らん」
礼「あれ歌ってよ! オレ紅龍のあれ超好きなんだよなー」
紅龍「……仕方がない」
満更でもなさそうな紅龍はデンモクを持ち、わりと慣れた手つきで曲を入れ、マイクを持ち立ち上がる。そしてかかった曲とは。
雅「な、何これ?」
まりん「演歌? だっさ……」
女性陣は紅龍の選曲にげんなりとする。しかし礼は待ってましたと言わんばかりに拍手をしたり、「よ! 紅龍!」などと囃し立てている。しかし歌い出した瞬間怪訝な顔で見ていた女性陣も驚いた顔をする。
雅「え、うまい……」
まりん「これは中々~」
そう、紅龍の歌う歌はとても心がこもり、そしてとても歌唱力が高かった。こぶしがきき、聴いていて心地のよい演歌なのだ。
歌い終わった後には、誰からともなく拍手が起こったのだった。
紅龍「久々のせいで声が少し出にくかったな」
礼「いや、充分うまいし出てただろ」
少し納得のいっていない様子の紅龍に礼は心の底から突っ込んだ。
まりん「ちょっとビックリしたよね~」
雅「思ったよりやるじゃない」
紅龍「ふん」
皆の賛辞に気をよくした紅龍だったが、立ち上がりそのまま無言で部屋を出て行った。
雅「あれ? どこ行ったの?」
礼「あー、多分トイレ。あいつ多分当分戻ってこねーよ。今頃トイレで自分に酔いしれてるから」
雅「か、変わってるわね……」
まりん「礼くんと紅龍くんって仲良いよね~」
礼「あー、幼なじみだからねー。物心つく前からずーっと一緒だし、くされ縁みたいなもんかなー」
雅「そうなのね。はい、礼くんジュース」
礼「お、ありがとー。気が利く女の子モテるよねー」
雅「そうかしら?」
礼「そうだ、よー……。あれ? なんか身体が、いうこと、きかねー……」
まりん「礼くんごめんね~。レイラーを捕まえてこいって命令なの~」
雅から貰ったジュースを飲んだ途端、礼の視界はぼやけ、身体はいうことを効かずにその場のソファーに倒れこんだ。
雅「簡単に騙されちゃダメよ。まぁ顔は悪くないし、乱暴にはしないであげる」
まりん「ね~。まりんの好みの顔してるのに、残念~。これって、あいつらに差し出す前に味見しちゃだめなの~?」
礼「くっ……(身体に力が全く入らねー! これ中々やべー状況なんじゃねーの!? おねぇさん達にどーこーされるのはウェルカムだけど、話聞いた感じだとぜってぇレイラー狙ってる組織のやつらと関係してんじゃん!)」
ぼやける意識の中どうしたものかと葛藤する礼。紅龍には早く帰ってきてほしい所だが、当分は帰ってこないだろうことを幼なじみの礼は充分に把握していた。
そんなことを考えていると、ふとソファーにまりんが近寄ってくる。
まりん「あいつらに渡す前にまりんと遊ぼ~」
雅「ちょっとずるいわよ! それにあいつはどうするのよ?」
出て行った紅龍のことを言っているのだろう。しかしまりんはお構いなしに礼の上へと馬乗りになる。
礼「ーっ(悪くない! この状況悪くないけど、捕まるのはごめんだー! 紅龍助けてー!)」
満更でもなさそうな礼だが、先のことを考えるとうかうかもしていられない。考えているうちにまりんは手早く礼の上着のチャックを下げ、Tシャツを捲し上げる。
まりん「あ~、結構引き締まっててますます好み~」
雅「ちょっとあんたいい加減にしなさいよ! あたしだって好みなんだから!」
見ていられなくなった雅はまりんを引き剥がし、自分が礼の上へと覆い被さる。しかしまりんも引き下がらず、雅を引っ張る。
雅「何すんのよ痛いじゃない!」
まりん「それはこっちのセリフ~!」
ついには礼そっちのけで二人の喧嘩が始まってしまった。
礼「……(女の子がオレを取り合って喧嘩してる、何これめっちゃ久々な状況だけど嬉しくねー!)」
久々にモテているにはそうなのだが、状況が状況なだけあって、浮かれているだけではすまされない。このまま連れて行かれれば確実に何処かに売り飛ばされたり、リレワンの情報を知りたいやつにあんなことやこんなことをされかねない。
ぼやける視界で必死に起き上がろうとするが、声を出すこともままならない。一体なんの薬を盛られたのだろうか。短い人生だった。
紅龍「炎上!」
まりん「きゃあ!?」
雅「な、何!? 炎が急に……」
もう無理なのだろうかと礼が諦めかけたその時、まりんと雅の間に大きな炎の柱が現れた。
礼「マジ、おせぇって……」
紅龍「細かいことはよくわからんが、大体状況は掴んだ。貴様ら、礼から離れろ」
雅「くっ、戻ってきたのね」
まりん「ど、どうするの~!?」
紅龍「お望みならば相手してやるが?」
にやりと不適な笑みを浮かべた紅龍は自身に大きな炎を纏う。
雅「ふん! いい気になるんじゃないわよ! まりん!」
まりん「うん!」
雅「逃げるわよ~!!!」
反撃をしてくるかのような素振りを見せた二人だったが、まさかの足早にその場を去って行った。あまりにもすごい形相だったので紅龍は驚き、入り口にいたにも関わらず素通りされてしまった。
紅龍「まぁ、良いか。あいつら自体は脅威ではない」
特に二人は強くもなければ、恐らく金銭に目が眩んで協力したとかであろう。特に追う理由もないので、紅龍は情けなくソファーに横たわる礼へと近づいて腰辺りに蹴りを入れる。
礼「いてっ」
紅龍「気分はどーだ?」
礼「まさか女の子に薬盛られるとは思わなかった」
大分薬が切れてきたのか、まだ頭がぐらつくがなんとか喋れるようにはなってきたようで、苦笑いをしながら言葉を返す。
紅龍「これに懲りたら少しは女遊びをやめたらどうだ?」
ふんっと紅龍は鼻で馬鹿にしながら笑う。しかし礼はへらへらした笑いを紅龍に向けた。
礼「えー、でも顔は好みだってあの子達も言ってたし、やっぱりオレモテるって自信取り戻せたからなー」
紅龍「馬鹿は死ぬまで治らんな」
全く反省の色が伺えない礼に紅龍ははぁーと溜め息をつきながら頭を小突いた。
紅龍「帰るぞ」
礼「まだ動けねーし、紅龍おんぶしてってー」
紅龍「阿保か。置いて帰る」
礼「それはマジ困る! オレのリレパじゃ家戻る術ねーもん!」
紅龍「知らん! 歩いて帰ってこい」
礼「何時間かかると思ってんの!?」
紅龍「頭を冷やすのに丁度良いだろう」
礼「わ、わかった! 反省してる! 反省してるから置いてかないで!」
この後も数分口論した二人だったが、最後には紅龍が折れ、礼も一緒に帰路へ着いたそうだ。
家に着きへとへとになった礼だったが、いつもの通りの莎子と未來を見て、当分はこのままで良いやと一人心に思うのであった。
─続く─
次回予告
紅龍「いつも以上に身にならん回だったな」
礼央「礼には困ったねー」
紅龍「あいつには一度渇を入れてやらんといかんな」
礼央「携帯没収とかが一番効きそうだよね」
紅龍「むむ、それは良い考えだな。早速回収してこよう」
礼央「次回笑形第十一輪!『誘拐事件は突然に』」
紅龍「おい! 礼どこだ! 携帯をよこせ!」
2018,11,21
2024/06/05(最終加筆)




