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笑いの形‐WARAKATA‐  作者: らい
第一部『彼らの日常は日常とは程遠い』
10/16

第九輪:『お化けと不審者は同じくらい怖い』

前書きに何か書きたいなーと思ってたことがあったんですが、すっかり忘れてしまいました。

昨夜弟妹とフォートナイトってゲームをやってたんですが、下手すぎてすぐ死んでしまいます。

昔はゲームもめっちゃやりこんでましたが、最近は続くことがほぼなくなってしまいました……。

ということで本編どうぞ~。

礼「なーんかおもしれーことねーかなー」

礼央「暇なら修行しなよ」

礼「そーゆーことじゃねーんだよ! つーか街まで行くのにかかりすぎて気軽に遊びに行けねーのマジでストレスなんだけど!」

礼央「そーゆーリレパの使い方が出来るように修行すれば良いんじゃない?」

礼「だから違うの! 気軽に! 女の子と! 遊びたいの!!!」

紅龍「女ならいるではないか、あそこに二人」

 紅龍(こうりゅう)の視線の先にはキッチンで何やらお菓子を作っている様子の莎子(さこ)未來(みき)

 ここは談話室。赤を基調とした内装に赤い大きな四人ほど座れるであろうソファーの上に座って会話をする礼央(れお)(れい)。そしてその隣の一人がけのソファーに座ってプロテインを飲みながら会話をする紅龍。

 特にやることもなく皆談話室に集まっているのだが、何やら女子二人は未來の思い付きで唐突にお菓子作りを始めたのだ。当然莎子は補助をしているだけではあるが……。

礼「あの二人はなんかちげぇじゃん。誘っても絶対オレと遊んでくんねーし」

礼央「そんなことないよ。二人とも誘えば結構遊んでくれるよ?」

紅龍「おい、礼央。こいつが言ってる遊びはそーゆーことではないぞ」

礼央「?」

礼「お子ちゃまな礼央にはわかんねーよなー」

礼央「お、お子ちゃまじゃないよ!」

礼「あーマジ女の子足りねー。紅龍街まで連れてってよー」

紅龍「貴様のために労力を使いたくはない」

礼「じゃあ礼央はー?」

礼央「変なこと言うから嫌だよ!」

礼「えー、んじゃあみきりん街まで連れてって~」

みき「ちょ、ちょっと礼! 後ろから抱きつかないで、危ないでしょ!」

 ソファーからふらふらーっと立ち上がった礼は、キッチンにいる未來の所まで行き、後ろから抱き締める。抵抗したいのだが、手はお菓子作りのせいで粉まみれのため、引き離すことも出来ない。

礼「あ、ほっぺにチョコついてるぜ? とってあげ──」

さこ「……」

礼「ひ!?」

 未來の頬のチョコレートをぺろりと舐めようとした瞬間、後ろにとてつもない冷気を礼は感じる。

礼「あははー、冗談冗談~」

 そろーりそろーりと礼は元の位置に戻って行った。


─ガタガタッ─

 そんなこんなを過ごしていると2階からガタガタと物音が聞こえた。

さこ「今の音何?」

礼「一夜(いちや)じゃねーの?」

みき「一夜なら庭で修行してるよ? ほら」

 みきりんの指差した方向には、窓越しに腕立て伏せをする一夜がいた。

礼央「何か物が倒れたとかじゃないのかな? オレ見てくるよ」

紅龍「お化けだったりしてな」

 ニヤリと紅龍は口角を上げる。

礼央「そんなんでオレが怖がると思ってるの?」

紅龍「言ってみただけだ」

 面白くなさそうな顔をして紅龍はそっぽを向いた。

さこ「……」

礼央「さっつん?」

 礼央が上に行こうと談話室を出ようとした時、莎子は礼央の服の裾を引っ張った。

さこ「本当にお化けだったらどうするの? 危ないよ」

礼央「大丈夫だよ、お化けじゃないから。ちょっといってくるだけだし、さっつんは待っててね」

紅龍「まさかチビ女、お化けが怖いのか?」

さこ「!?」

 莎子の肩のビクつきから紅龍はまた口角を上げた。先程よりも意地の悪い笑み。

紅龍「そうだな、お化けでも危ないな。チビ女もついていってやったらどうだ?」

礼央「紅龍……」

 紅龍の意図を汲み取った様で、礼央はため息をつく。

さこ「べ、別にお化けなんて怖くないし、礼央が心配だしついてっても良いけど」

 少し目を潤ませたさっつんは礼央の裾を先程よりしっかりと掴む。そんな莎子を見て紅龍はゾクゾクしていたことを皆は知らない。

礼央「大丈夫だよ、さっつん。オレが一人で行くし、もしかしたら不審者かもしれないからね。さっつんを危険な目には合わせられない」

 キッと礼央は紅龍を睨む。

さこ「礼央……」

みき「はいはーい! 間をとって礼に見てきてもらうってのはどう?」

礼「え!? なんでオレ!?」

 未來は先程の恨みもあるようで、にっこりと礼を見る。

礼「不審者もお化けもごめんなんだけどオレ……」

みき「つべこべ言わず行く!!!」

礼「本当に不審者だったら危なくね!? 皆で行こうぜ!」

礼央「まぁ確かに本当に不審者だったら危ないもんね、皆で行こうか。ここに女の子だけを残せないし、さっつんとみきりんを間に挟んで行こう」

紅龍「仕方がない、そうするか」



一夜「なんで俺まで一緒に行かなきゃなんねーんだよ」

 あれから外の一夜も未來が捕まえ、二階の物音を調べに来た一行。

みき「一夜が頼りになるからだよ! ほら、前行って行って」

一夜「……」

 未來は一夜を後ろからぎゅうぎゅう押して階段を昇るように促すが、その時未來の胸が当たってしまっていることに気づいているのは一夜だけだった。

 二階へと続く白い階段は玄関から見て真ん中に真っ直ぐ続き、右と左に部屋が分かれている。

 物音がしたのは談話室の真上だったので、階段を昇ってすぐの真ん中の大きな物置部屋だった。物置といっても普通の部屋だった所に、六人で使う多めに買った日用品や、常温で保存出来る食料が置いてあるだけである。

礼「超こえーんだけど、本当に不審者だったらオレ殺されんじゃん!」

紅龍「レイラーならともかく、ただの人間に俺達レイラーがそうそうやられるものか。リレパと頭を使え馬鹿者が」

みき「いざとなったら皆でリレパ一斉攻撃だね!」

礼央「それレイラーじゃなかったら死んじゃうんじゃないかな」

 あははと礼央は苦笑いをした。

さこ「お、お化けだったらどうするの?」

一夜「いるわけねーだろ、幽霊なんて」

みき「えー、一夜は信じてないの?」

一夜「信じる分けねーだろ。お前は怖くねーのかよ?」

みき「えー、怖いけどさすがにさっつん程じゃないかも」

さつ「こ、怖くないし!」

みき「可愛い~」

 未來は莎子にぎゅうっと抱きつく。莎子も未來には逆らえないようで、大人しく抱きつかれている。そんな二人を見て男性陣は癒されたとかなんとか。

 まさか不審者がいるかもしれない状況にしては呑気な一行だが、二階へとたどり着き問題の物置の扉の前へと着く。

礼央「皆静かに。中の音聞くから」

 ここまで来る間に充分騒いでいたので、静かにするのも今更だが、一応中の音を礼央は確認する。

礼央「念のために皆すぐリレパ使えるようにしといてね。特に礼。不審者なら鎖で捕まえてほしい」

礼「マジか、了解」

 礼はすぐにリレパを使えるように手を構える。

紅龍「行くぞ」

 全員が構え、扉を開き一斉に中に入る。

?「ぷぅ~」

礼央「え?」

 そこにいたのは不審者──ではなく、大体十五センチ位だろうか、顔は真ん丸で体もぽにょっとした謎の生き物がいた。幽霊とか妖怪とかそういう類いではなく、ただただぽにょっとした生き物。見た瞬間に害がないのはわかるような、そんな生き物。そのぽにょっとした生き物はお腹がすいていたのか、買い置きしてあったポテチなどの袋をいくつかあけ、食べていた。

礼「な、なんだあいつ?」

みき「なんか、可愛い?」

さこ「アイス! いつ出てきちゃったの?」

礼央「アイス?」

 そう言った莎子はアイスと言われる生き物へと近寄り、抱っこをする。するとアイスは莎子へと抱きつく。

アイ「ぷぅ~」

さこ「ごめん、この子あたしの闇のリレパで召喚出来る子なの。なんの生物かはわからないけど、とりあえずアイスリープっていう。だから略してアイス」

 害がないとしっかりわかったのでみきりんはアイスへと近寄り、ほっぺたを人差し指でぽよぽよとする。

みき「うわー、ぽよぽよ! 可愛い!」

礼央「オレにも触らせて」

 礼央も興味を示し、近寄りアイスを抱っこする。

アイ「ぷぅぷぅ~」

 アイスは嬉しそうに礼央の腕に抱かれる。

礼「えー、可愛いかー?」

 礼が怪訝な顔をしてほっぺをつつこうとする。

アイ「ぷぅ!!!」

 するとアイスは礼の指に思いっきり噛みついた。歯はなさそうなのでそこまで痛くはなさそうではあるが、思いっきりである。

礼「いってー!」

さこ「よしよし、良い人間と悪い人間がわかってるんだね」

 莎子はアイスの頭を撫でてやった。礼央と未來はそんな礼を見て笑う。

紅龍「……」

アイ「ぷぅ?」

 一夜を除いた皆がアイスを取り囲み、わいわいしているとふとアイスは紅龍と目が合う。その瞬間

紅龍「アーーーイスーーーーーー!!!!!」

アイ「ぷぅっ!?」

 紅龍は今まで見たこともないような嬉しそうな間の抜けた笑顔でアイスへとスキップで近寄っていく。その光景を見て一同は呆然とした。

 しかしアイスだけは身の危険を感じ、抱っこされていた礼央の後ろへとスゴい勢いで隠れる。

紅龍「何故隠れる!? そんなに愛くるしい貴様を俺にも抱っこさせてくれ!」

アイ「ぷぅ! ぷぅぷぅ!」

 アイスはいやいやと首を横に思いっきりふる。

紅龍「何故だ!? 何故なんだアイスーーーーーー!!!!!」

 紅龍は懲りずにアイスへと飛び付く。

アイ「ぷぅ!!!!!」

紅龍「ぐはぁっ!!?」

 するとアイスは両足飛び蹴りを紅龍にお見舞いした。短い足での華麗なる蹴りは紅龍の左頬にクリティカルヒットし、紅龍は床に崩れ落ちる。

紅龍「は!? 俺は何をしていたんだ!?」

 全員が紅龍を生暖かい目で見つめた。あの一夜でさえ。

紅龍「ち、違う! 今のは違う!」

礼「お前のそれ久々に見たけどキモいわ」

 礼は心底引いたという顔で紅龍を見た。

紅龍「う、うるさい!!!」

 紅龍は顔を真っ赤にしながら思いっきり重たい一発を礼のみぞおちへとクリティカルヒットさせるのだった。


 ◆◆◆


礼央「良かったねー、何事もなくて」

みき「お化けとか不審者なんて大騒ぎしちゃったねー」

さこ「本当良かった」

礼「よくねー、いてぇー」

 皆は談話室へと戻ってきていた。各々ソファーへと座る中、礼はお腹をおさえながら床にうずくまっていた。

 あれからアイスは紅龍が取り乱さないようにと莎子のリレパにより元の空間へと戻された。紅龍はその後静かに自室へと帰って行ったのだ。

礼央「紅龍って可愛いもの好きなの?」

 うずくまる礼に礼央は疑問を投げかける。

礼「どーゆーツボかはわかんねーけど、紅龍の中で可愛いものを見ると毎回豹変するんだよなー」

みき「The俺様みたいな紅龍があぁなるとはさすがにビックリしたよねー」

礼「あれは引くよねー」

一夜「はっ、とんだ笑いものだな」

みき「あー、そういう言い方良くないよー?」

 未來がむーっと一夜を見つめると、数秒未來を見た後にそっぽを向く一夜。そんな一夜に未來は更に見つめ続けるのだった。


 その夜。

 昼間の自分の失態を思い出し、うなる紅龍の声が夜中じゅう響き渡っていたらしい。

紅龍「オレとしたことがーーー!!!!!」

礼「うっせーよ紅龍! 寝れねーだろ!!!」

 隣の部屋の礼は次の日寝不足であったそうだ。


─続く─


次回予告

礼「ついにきたーーー!!!」

みき「うるさっ!」

礼「ついにきたんだよみきりん! 次回はオレの話だってさ!」

みき「ヨカッタネ」

礼「オレのあんなところやこんなところを次回は見せれちゃうかもな」

みき「ワースゴイ」

礼「次回笑形第十輪!『ナンパの極意』」

みき「タイトルからして……」

礼「次回は超超楽しみにしててくれよなー!」


2018,09,15

2024/06/05(最終加筆)

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