爪痕(二期プロローグ)
[レミリア・スカーレット]
人間と吸血鬼の子であるハーフヴァンパイアの彼女はついに紅魔館の主となった。仲間の力を借り、絶対的な絶望の運命を覆し。
そして・・・余りに大きな代償を支払って・・。
レミリアは、氷漬けにされた一人のメイドを抱き抱え、紅魔館を歩いていた・・・。
彼女からは勝利の喜びと云うものを感じなかった。
・・そう。
それは彼女が、その地位を得る代わりに支払った代償・・・。
絶大な力を誇った前主。レミリアの父が残した、消えない爪痕・・・。
[十六夜・咲夜]
彼女はこの戦いでレミリアに助成する。
そして、レミリアに全てを捧げる忠誠心を持つ彼女は、己の寿命を縮める諸刃の剣である力を酷使し、レミリアを絶命のピンチから救出。
・・・変わりに自らの命を失った。
レミリアにとって彼女は幼少期からの、かけがえのない人間だった。
彼女がいなければ今のレミリアはなかった。
・・・レミリアの生涯にひたすら影響を与え続けた彼女は、その最後までレミリアを助け続けた。
・・・だが、そんな彼女はもうこの世にいない。
・・レミリア唯一の誤算だった。
しかし、彼女がそうしなければレミリアはここにいなかっただろう。彼女は自身の忠誠心を貫き通したのだ。
そして、咲夜を抱き抱えたレミリアの後ろを歩いている魔女。
[パチュリー・ノーレッジ]
彼女も過去の罪を精算。過去の誓いを守る為。レミリアに助成する事になる。
咲夜とは違い、過去にさほどレミリアと接点はない彼女。しかし、レミリアの母との交友は深く、レミリアの母の為にもレミリアを守る事を決断。
そしてレミリアと二人で今回の戦いを発起。
豊富な知識を持つ大魔術師、如何なる時も冷静な判断が出来る彼女はこの戦いを通じ、レミリアと親友になる。
お互い腹を割って話せる仲。軍師の様にレミリアは彼女を頼った。
彼女の知性、判断力がなければ、ここにレミリアはいなかった。
しかし・・。彼女にとっても咲夜の死は計算外だった。
2人・・いや、3人は目的地の紅魔館内部にある図書館についた。ここには3人以外にもまだ重要な仲間がいた。
レミリアは、そっと咲夜をパチュリーに預け、図書館に入った。その後にパチュリーが続いた。
[紅・美鈴]
龍と呼ばれるほどの拳法の使い手の妖怪。
体術だけなら彼女の右に出る者はいないだろう。
そんな彼女の欠点と云うか長所と云うか、普通の妖怪と違う点がある。
人間臭く、情に弱い。
感情のままに走る傾向にある彼女は元々、前主の近衛兵長だった。
しかしある時、幽閉されていたレミリアの妹、フランドールとの出会いがきっかけで、レミリア達と共に戦う事を決断。
彼女の無謀とも云える勇気。
・・しかし、今回の戦いではそれがなければ、ここにいる皆は既に死んでいただろう。
そんな彼女は咲夜とは良きライバルでもあり、そして良き理解者だった。
彼女はまだ咲夜の死を・・知らない。
[フランドール・スカーレット]
レミリアの腹違いの妹であり、純血の吸血鬼である。
まだ幼く、その力には目覚めてはいない。その為、戦力にはとてもならない。
だが、力がないからこその純粋な心を持つ。彼女はその純粋な心で無意識のうちに美鈴を虜にした。
そして彼女も美鈴を頼り、信頼している。
ここにもレミリアと咲夜と同様の関係が結ばれていた。故に、美鈴は彼女が大切にしている姉レミリアにも同等の忠誠を誓っている。
彼女の純粋な心がなければ美鈴とは敵対し、この戦いに勝利はなかっただろう。
[小悪魔]
・・・パチュリーの使い魔である。
・・少し回復魔法が使える。
・・・・。
・・・・。
・・・・。
このたったの六人で力を合わせ、現在のこの世界の最大勢力だった紅魔館相手に勝利したのだ。
奇跡と言っても良いだろう。
・・・しかし、その最大の功労者である十六夜咲夜はもういない。
高過ぎる奇跡の代償を支払ったレミリア達。
しかしこの先。レミリア達には、更に過酷な絶望の連鎖が始まるのだった。
・・・それは、前主の呪いか?
・・それとも・・・・・?
・・・運命なのか・・・・?




