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32歳女性の場合 part17

聞き覚えのある、私を捨てた男が私の目の前にいた。


彼の名前は石田蓮。元々は大学の同じゼミで一緒に研究をしていた。その時彼は同じゼミの女と付き合っていたため、何も進展はなかったのだが、大学を卒業して4年、久しぶりにゼミのみんなで集まろうということでみんなと集まった。そこには彼も彼の彼女だった女もいた。大学卒業時には別れていたという話は聞いていたので、二人の距離は離れていた。その飲み会が思いのほか盛り上がってしまって、お酒をたらふく飲んだ私は、泥酔。その時に私の介抱してくれたのが目の前にいるこいつだった。顔はかっこいいので、少し私自身気にはなっていた。でも、その当時は他に女がいたのでなんとも思わなかった。私はお酒の勢いでこいつと関係を持ってそのまま付き合うことになった。お互い仕事はうまくいっていて、なおかつ職場も近かったので、結婚のことも考えて同棲するようになった。ただ、この男、前の彼女である同じゼミの女との関係は続いていて、今回その女に妊娠が発覚して私が捨てられるという流れになった。その女は、顔は可愛いので周りからはベストカップルと言われていたが、ゼミ内での評判は最悪で、わがままいい放題の女王さま気分。自分の仕事は全て男の方がしていた。だからこそ、この女に盗られたことが屈辱でならなかった。そんな二人が私の目の前にいる。


「あれ?薫じゃない?どうしたのここで?」


女の方が話しかけてくる。俯いているので表情はわからないが、馬鹿にしたような口調なのはわかる。関わりたくないので、無視していると、


「ちょっと、無視とか態度悪くない?せっかく話しかけてあげたのに。」


誰もそんなこと頼んでない。むしろここからさっさと消えてほしい。


「そうか。私に蓮のこととられて話したくないんだ。」


女は嫌みたらしく、周りに聞こえるように話していた。隣でやめろよとは言ってるものの、本気で止める気のない私を捨てた男。いい歳になっても、このわがまま娘は変わっていなかった。それはこいつも一緒。


「いい加減顔上げろよ。」


痺れを切らした、女の方が私の顎を掴んだ時にその腕を掴んだ手が見えた。


「いい加減してもらえますか?警察呼びますよ?」


その手は宗介のものだった。



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