26歳男性の場合 part20
お参りを終えるとあたりはすこし暗くなっていた。
「創。そろそろ帰ろっか。」
「うん。ママ、また来るね。」
さやかに別れを告げて、車の中。
「ママといっぱい話せた?」
「うん。ちゃんとお揃いのキーホルダー渡せたし、ママもきっと喜んでくれてる。」
家までの道のりの中、創はずっと自分たちに話しかけ続けていた。途中、ファミレスによって夕飯を済ませて、家に着く。
「お風呂入ってきなさい。創はお父さんと一緒に入りなね。」
家に着くなり、洗濯物を畳む母さん。自分は創の服を脱がせてお風呂に入れる。今日、体験したことや、ママと話した内容などを話した。お風呂から上がると、新聞のチラシの中にあったスイミングスクールの案内を創と一緒に見た。
「ここ行ったらイルカさんたちと泳げるようになるかな?」
もう、そこには水を怖がる創の姿はなかった。すごく純粋に『イルカと泳ぐ』という目標だけをみて目を輝かせていた。
「そうだな。創次第かな。いっぱい練習して、イルカさんと一緒に泳げるようにならなきゃな。」
母さんは自分たちのやりとりを見て、ドラマを見る片手間に微笑んだ。
「創?もうすぐ寝る時間だよ。お父さんと一緒にベットに行きなさい。」
創も今日一日動き回って眠たくなったのか、目を擦っていた。
「創、寝よっか。」
自分は創の手を握って寝室に入った。創をベットに寝かして、ゆっくりとお腹をトントンとする。
「パパ。こっちきて。」
創からの要望に答えると創はそっと自分に抱きつき、頬にキスをした。
「おやすみなさい。」
「おやすみ。また明日な。」
創と自分は2人並んでゆっくりと目を閉じた。




