第五章 初陣・刑台
霧を抜けると、不気味な刑台が川の中央にそびえ立つのがはっきりと見えた。
夕方に立ち去った役人たちは異様な姿勢で、両手を背中に縛られたまま川原に跪かされていた。首には褐色の絞首縄がかけられ、口は何かでパンパンに塞がれている。
陰陽眼を開くと、それぞれの背後に二人ずつ赤い短衣を着た悪鬼が立っているのが見えた。一人が役人の肩を押さえ、もう一人が絞首縄の結び目を持って役人の後頸部に押し進めている。遠くの絞首台の下では、さらに死刑執行人の格好をした二匹の悪鬼が縄を引っ張り、監斬官の命を待っていた。
役人の背中の白々しい亡命札は月明かりの下でひときわ目立っていた。謝半鬼、高昇たちは互いに見合って、なんと互いの背後にも亡命札が現れていることに気づいた。亡命札の先端にある「絞」の字は、血が滴りそうなほど真っ赤だった。
「時刻到来、行刑!」
刑台に端座する監斬官が手を振って令札を投げ出した。
令札が地に落ちると、死刑執行人は役人の背中の亡命札を抜き取り、一気に縄を絞め上げた。首に走る激痛に、人は本能的に頭を上げて叫びたくなる。しかし開こうとする口は「木梨」と呼ばれるものでしっかりと塞がれていた。真っ赤な血が役人の口元から川原に滴り落ち、痛々しいほどに鮮やかだった。
「人を助けろ!」
高昇が一握りの金錢を打ち出し、何本かの縄を切り落とした。老銭は両手の銃を放ち、二人を救い出した。謝半鬼の絶魂爪、梅心児の投げ刀も続けざまに放たれた……しかし救われなかった役人は宙に吊り上げられ、後頭部を数丈(約10メートル)もある絞首台の柱に直接打ち付けられた。鋭い柱の先が役人の後頭部から額を突き抜けた。もろい頭蓋骨は身体の重さに耐えきれず、柱によって二つに割られた。血まみれの死体は高く空中に吊るされた。
「法廷を乱す者、即座に斬れ」
監斬官の声が終わらないうちに、県衙の屋根の瓦の隙間から四つの鬼影が漂い出た。四振りの鬼頭刀が冷たい殺意を帯びて謝半鬼たちの後頸部に斬りかかった。
謝半鬼は足元に力を込め、一瞬で県衙の屋根を押し潰した。四人は煙と瓦礫の中を屋内へと落ちていった。四つの鬼影は身を逆さにし、飛び込みで水に飛び込むような姿勢で鬼頭刀を振るい、再び四人の首を斬ろうとした。
謝半鬼は空中で四歩を踏み、落下の速度を緩めると、手を伸ばして二振りの長刀をまともに受けた。絶魂爪で刀身を挟み、刃先から柄へと滑らせる間に火花が連続して閃き、目を直視できなかった。次の瞬間には、謝半鬼は両肩で二つの刀柄を支え、両手を鬼の顔面に突き込んでいた。凄まじい鬼の叫び声と共に二匹の鬼が打ち砕かれ、空一面に燐火が舞った。
残る二振りの鬼頭刀は交差して巨大な鋏となり、謝半鬼の後頸を狙った。二振りの大刀が謝半鬼の後頸から半尺(約15cm)と離れていないところで、突然二つの火銃の音が響き、二振りの大刀は逆さまに吹き飛ばされ、刃は謝半鬼の耳朶をかすめて県衙の梁に突き刺さった。高昇の金錢镖は後から先に達し、鬼の頭蓋を貫き、飛び散る燐火の中で空へと消えていった。
高昇の金錢镖は磨き上げられた大明の古銭である。「銭は万人の手を通る」ため陽気が最も強く、鬼を追い払い邪気を鎮める最高の法器であり、加えて高昇自身の先天真気の加持もあり、厲鬼を斬り落とすことは造作もなかった。
高昇は一撃で成功し、嬉しそうに大笑いした。
「龍虎山の奴らもなかなかやるな。『銭は鬼を打てる』とは本当だったか」
霊符を取り出して陣を敷いていた梅心児は、忌々しそうに言った。
「にやにやしてないで、大銭は節約して使え。外には一匹や二匹の厲鬼じゃないんだぞ」
「法場の守衛はどこにいる?四人の死刑囚を捕らえ、正に典刑に処せ!」
謝半鬼が横目で外を見ると、刑台の近くから槍を手にした兵士の格好をした鬼魂の群れが蜂の巣のように押し寄せてくるところだった。彼はすぐに絶魂爪を引き締めて叫んだ。
「気をつけて警戒しろ!」
「私に任せろ!」梅心児が地面に置いた霊符が突然激しい炎を上げ、四人の周囲に火の輪を形成した。
その時、鬼兵たちはすでに県衙の壁をすり抜けて四人に襲いかかっていた。凄まじい鬼の叫び声が四人の耳元で同時に炸裂し、腐乱死体の臭いを帯びた陰風が鼻を突いた。厲鬼の青白い顔が火の光の中でくっきりと見え、生気のない鬼の顔が四人の瞳の中でますます大きく広がっていく。錆び付いた槍の穂先がまさに謝半鬼の咽喉に突き刺さらんとしたその瞬間、謝半鬼は依然として絶魂爪を逆さに垂らし、微動だにしなかった。
突然、謝半鬼の足元で火柱が天を衝き、燃え盛る火の壁が厲鬼の腰を断ち切った。鬼兵の二つの半身は火の壁を挟んで内と外でそれぞれ二つの燐火の塊となり、パチパチとはぜながら謝半鬼の早靴の周りに落ちた。梅心児は笑いながら言った。
「肝が据わってるね?これっぽちで驚かないのか」
謝半鬼は振り返って微笑んだ。
「君が僕を救ってくれると信じている」
梅心児は顔をほんのり赤らめた。
「そんな感動的なことを言わないで。私はそんなのには乗らないから」
高昇は泣き出しそうだった。
「弟よ、妹よ、痴話げんかはやめてくれ!今、俺たちはまだ鬼に囲まれているんだぞ!」
謝半鬼は目を細め、低い声で言った。
「心児、霊符で道を切り開け。あの監斬官を殺りに行く」
「よし!」梅心児は両手に一枚ずつ霊符を取り、猛然と合わせた。「急!」
四人の足元の火の輪が突然うごめき始め、まるで霊蛇のように地面をすり抜け、刑台の方へと蛇行して進んでいった。火の道が通った場所では厲鬼が灰燼に帰し、燐火が飛び散り、赤々と青々とした火花が闇夜の中でひときわ妖しく輝いた。
謝半鬼たち四人は火の道を踏みしめ、一直線に刑台へと駆け出した。道中、老銭は火銃を連射し、周囲の厲鬼を掃討し続けた。弾を詰めて銃を交換する手際はあまりに速く、目を奪われるほどだった。高昇の金錢镖と相まって、厲鬼たちは近づくことすらできなかった。
謝半鬼と刑台の距離が十丈(約33メートル)を切ったと思った瞬間、四人の足元の火の道が「プツッ」という音を立ててすべて消え去った。
高昇は頭皮が痺れた。
「どうしたんだ?」
梅心児は息を切らしながら言った。
「真気が尽きた。もう持たない!」
「おいおい、妹よ!そんなのありかよ!」高昇の悲痛な叫び声の中で、無数の厲鬼が一瞬にして獰猛な表情を露わにし、四人に向かって殺到した。
臆病で命を惜しんでいた大男は、一瞬で驚くべき責任感を爆発させた。
「弟よ、あの鬼の親分を早く殺れ!俺がこいつらを引きつける!」
高昇は手にした金錢剣を一片の光の帯に舞わせた。剣光の及ぶところ、燐火は飛び散り、鬼神は退いた。凛とした勁気が梅心児と老銭をしっかりと覆い隠し、数千の厲鬼も半歩も近づけなかった。
謝半鬼は絶魂爪を繰り出し、飛身して監斬台に向かって猛烈に突進した。絶魂爪は先天真気の加持の下で寒芒が五尺(約1.5メートル)にまで漲り、その凛とした寒芒の間にはかすかに一片の血の影を帯びていた。数万の厲鬼も立ち向かう者はなかった。
突然、百匹以上の重盾を手にした鬼兵が監斬台の地中から姿を現した。盾を地に突き刺し、半ば身をかがめて監斬台の前に鉄壁を築き上げた。鬼魂は虚体だが、重盾はれっきとした制式軍器であり、精鋼で作られて防御力は極めて高い。
「殺せ!」
謝半鬼の怒号と共に絶魂爪が手から飛び出し、爪先の刃が重盾に突き刺さった後、高速で回転した。鋭い金属摩擦音と二つの眩い火の輪が闇夜に突然現れた。
謝半鬼は両手で絶魂爪を操り、肩と背中全体を厲鬼の前にさらけ出していた。
「謝半鬼を守れ!」
梅心児が先に二本の投げ刀を放った。
老銭も続けざまに銃を抜いて乱射した。火銃は一発ずつしか撃てないが、不思議なことに空の銃をホルスターに戻すと、ホルスター内の機構が自動的に弾薬を装填した。六本の火銃を順次入れ替えることで、老銭は連射を支えることができた。老銭の火器のおかげで、二人は厲鬼たちの謝半鬼への集中攻撃を辛うじて食い止めることができた。
ところが高昇は「ぎゃあああ」と悲鳴を上げた。
「詐欺師だ!俺に粗悪品を売りやがって」
高昇の手にした金錢剣は、もはや彼の先天真気に耐えきれず、轟音と共に空一面の金光に炸裂した。満天を舞う金錢が一時的に厲鬼たちの包囲を退けたものの、高昇は両手が空っぽになり、攻撃する法器を失ってしまった。
「砕けろ!」
謝半鬼は両腕を猛然と震わせ、二つの重盾が絶魂爪によって鉄片を飛び散らせて粉砕され、盾の陣形はめちゃくちゃに崩れ去った。刑台の周囲の鬼兵たちはほとんど同時に謝半鬼に向かって襲いかかった。
(続く)




