第五十器 再戦
時は少し遡り、夜詩達と別れた刀磨は長い廊下を進んでいた。
「ここに…」
廊下の先にあったドアを開く刀磨。
「光帝が関わっていたのはこの為か。
しかし、自らではなく君のような弱者を送るとはな」
ドアの先には本が沢山並んだ部屋にグロームの姿があった。
「やはりお前の波だったか。
あの時の礼をしないとな」
「礼? 実力の差も分かっていないとは…ここでは本が傷付く。
別の部屋に」
その時、刀磨の放った斬撃で本が宙を舞う。
「どうせお前はここで死ぬから気にしなくていい」
「やれやれ…ここにある本の価値を分かっていないか。
仕方がない」
右手をゆっくり掲げ部屋中に雷光が走り本を一瞬で焼き払うグローム。
「ほう、死んでいなかったか」
「以前とは目的が違うからな。
今回はお前を殺す」
「以前は手を抜いていたと?
それは面白い」
雷の鞭を振り回しグロームは刀磨を狙う。
「そんな攻撃が当たるとでも?」
「思っている」
かわす刀磨の正面に鞭が伸び、四方に分かれ囲む様に伸びていく。
「変幻自在か」
「逃げれるかな?」
「逃げる?」
次の瞬間、鞭の先が弾けるように消し飛ぶ。
「雷を斬るとはな」
刀磨の手には刃が茶色い刀があった。
「地刀・纏土。
以前は幻影なんかに使っていたが、今は土の属性を持っている刀だ」
「だが土は電気を弾く力はないはず」
「弾いたんじゃない…こっちに流しただけだ!」
反対の手に雷を帯びた刀を作り出しグロームを切りつける刀磨。
「ぐっ!」
雷の盾で防ぐもグロームは左手を軽く切られていた。
「雷刀・鳴姫。
俺の力だけでも作り出せるが、雷を操るお前には通じない。
だからお前自身の雷を上乗せさせた」
「なるほど…以前は本当に手を抜いていたのか。
しかし、なめられたものだ…もう一度やってみてくれ」
右手に小さな光りの玉を作ると刀磨へ向けて放つグローム。
「(波の量が違う!?)」
猛スピードで向かってくる玉を刀で切るも、触れた刃が消滅していき周囲に光りと雷撃が広がり吹き飛ばされる刀磨。
「ぐあっ!」
「赤子相手に全力を出していたと思うか?
憐れな男だ」
矢の形をした雷を無数に作り刀磨へと放つグローム。
「それはこっちの台詞だ」
刀磨は両手に茶色い刀を持ち矢を切り落としていく。
「本当になめられたものだ…」
矢を切り落とし両手が広がった瞬間、目の前に現れたグロームに胸を触れられると全身に電気が流れ、身体中から煙が上がる刀磨。
「ぁ…ぁぁ…」
「君程度の能力で私の速さについてこれると思ったのか?
これで二度目だ…弱者とは悲しいな」
刀磨はそのまま床に倒れてしまった。




