第四十二器 天才
「来るぞ!」
人のような顔を持ち、ライオンの様な体に三本の尾の先には槍が生えた怪物は鋭い爪を伸ばし前足を夜詩達に振り下ろす。
「うわっ!」
「こいつキメラか」
「キメラってアルガードを襲ったのと同じ!?」
「(どうしてキメラが…)」
「騒がしいねぇ」
怪物の背後から白衣を着た男が現れた。
「お前がここを管理しているやつか?」
「そうだよ。
私の事はシュタインと呼んでくれたまえ。
で、君達は誰かな?」
「この施設を抜けたい」
「キングリーのお客さんか。
通してあげたいけど研究材料をもらう代わりにここを任されてるからね。
悪いが帰ってくれるかな?」
「研究材料…お前がそのキメラを作ったのか?」
「ん? 君はサムライというやつか!
こんな所で会えるとはラッキーだ」
「質問に答えろ!」
「せっかちだなぁ。
私の最高傑作だ。
しかし、キメラを知っているとは珍しい」
「前にドルイドって男が使っていたからな」
刀磨の言葉を聞き何か考え始めるシュタイン。
「うーん…思い出した!
前に私の下にいた男だ!
凡人の中ではなかなか使えたけど、突然居なくなったんだよね」
「(こいつからキメラの知識を…だとすればかなり強いキメラになるか)」
「彼のキメラと私のキメラ、どちらが優れてるかな?
バウド、彼等と遊んであげなさい」
体をシュタインが撫でると雄叫びをあげる怪物。
「まるで人の声だ!」
「夜詩お兄ちゃん危ない!」
耳を塞いでいた夜詩に尾の槍が迫っていた。
「油断するな!」
刀磨が間に入り刀で弾き返す。
「わ、悪い」
怪物は尾を振り回し三人を攻撃する。
「威力は弱いが鞭みたいで素早いな」
「切り落とせばいい」
高く飛び上がると向かって来る尾を斬りつける刀磨。
「甘いよ」
刃が入り始めた瞬間、尾が半透明になり刀を弾き返す。
「ばかな!?」
「バウドは能力者を使ってるんだよ」
シュタインの言葉に三人は言葉を失っていた。




