第三十九器 離別
「散れ!」
凄まじいスピードで人型を斬りつける刀磨。
「波の量とコントロールはまずまず。
だが自信の高さゆえに油断が生まれる」
人型は切り落とされた部位から光りを伸ばし刀磨を吹き飛ばす。
「刀磨!
繋がる魂!」
夜詩は右手の爪で人型を引き裂く。
「威力はあるが安定性と動きに無駄がある」
人型は鞭のように光りを伸ばし夜詩に巻き付け地面に叩き付けた。
「射抜く旋律」
アリスは両手で四本の指を格子状の合わせ、口に当てながら叫ぶ。
「複数の急所を的確に当てるコントロールはなかなかだ。
しかし威力に欠けるな」
人型に直撃するもダメージは与えられず、放たれた光りの爆弾に巻き込まれるアリス。
「みんな!?
はぁぁぁぁ!」
游は地中から水を上げ巨大な水柱にして人型を狙う。
「これは…論外だな」
水柱をかわし人型は游を軽く突き飛ばす。
「テストは終わりだ。
やはり今のお前達では力不足。
そしてお前」
レイは游に近付く。
「帰れ」
「!?」
「何言ってんだ!」
「はっきり言おう。
この女は弱すぎる」
下唇を噛み俯く游。
「ちょっと戦った程度で游の実力が分かる訳ないだろ!」
「そのちょっとした戦いですら力を出せない。
これ以上に実力をどう判断しろと?」
「それは…」
「いいの」
「游!」
「自分が一番分かってた。
どれだけ修行しても何も成長しない…今が私の限界なの」
ゆっくり立ち上がり、游は悲しく笑みを浮かべる。
「それは…力を取り戻したばかりだから」
「関係…ないよ…」
「そうだな」
「刀磨!」
「自分の限界を決めて諦めている奴は強くなれないからな」
「それに今回の作戦は一人抜けた所で支障はない」
「お前!!」
レイの胸ぐらを掴む夜詩。
「もうやめて!」
「游…」
「游お姉ちゃん」
「作戦が成功するの祈ってる!
みんななら出来るよ」
「游、何言ってんだよ?」
「ごめんね」
涙を流し游は去っていく。
「なん…だよ…。
今まで戦ってきただろ!」
その場に崩れ地面を何度も殴る夜詩。
「…馬鹿が」
刀磨はそう呟き木陰で腰を下ろし目を閉じた。




