第三十六器 メドヴェーゼの恐怖
一階に降りてきた夜詩達の前に十数人の能力者が立ち塞がる。
「こんな大勢…」
「游、アリスを頼む」
「一人で相手するなんて無茶よ!」
「相手にする気はないさ」
アリスを游に預けると、前に進みしゃがみ込む。
「どれだけ持つかな」
床に手を突き、目の前に盾を出現させ入り口へと飛ばし敵を退け道を作る。
「游、走れ!」
慌てて駆け出した游に敵が襲い掛かろうとした瞬間、無数の盾が現れトンネルのように並んでいく。
「すごい!」
「破壊される前に急ごう!」
入り口にたどり着くと同時に盾が破壊される。
「いいタイミングだ。
繋がる魂」
振り向き様に腕を振り、後方をなぎ払う。
「早く外へ」
二人が外に出ると、そこには百人近くの能力者が待ち構えていた。
「そんな…」
「メドヴェーゼはこんなにも能力者を集めてたのか…」
「夜詩…」
「やるしか…ない!」
その時、二人の前にジパーが姿を現す。
「俺に掴まれ!時間がない!」
「誰なんだ?」
「説明は後だ!
死にたくないなら早くしろ!」
能力者達が迫り来る中、二人はジパーの肩を掴み一瞬で姿を消す。
「どうやら逃げられたようだ。
しかし、もう少し楽しませてくれると思ったんだがな」
グロームが窓から視線を外し振り返ると、そこには全身に火傷を負った刀磨が横たわっていた。
「うっ…」
「君だけでも消しておくか」
刀磨へと手を伸ばし、掌に雷を集めるグローム。
「さようなら」
凄まじい光りが広がり、雷のレーザーが放たれ全てを消し去る。
「しかし、ここまで関わってくるとはな」
大きな穴が空き刀磨の姿は跡形もなく消えていた。




