第二十一器 現れし心
刀磨、游、アリスは管理中央施設へと来ていた。
「強い波を感じる」
「ここにも敵が…」
「三人で力を合わせれば大丈夫だよ!」
「行くぞ!」
施設内に入ろうとした時、視線を感じ刀磨は施設の建物を見上げる。
「向こうから来たようだ」
建物の屋上に黒いコートを着た人影があった。
「よくここまでたどり着いた。
イレイデットを倒すとは驚いたよ。
お前達を新たなイレイデットのメンバーに迎えよう!」
「まずはコートを脱いで顔を見せろ」
男がコートを脱ぐと刀磨と游は驚きの表情を浮かべる。
「ザルガン」
「どうしてあなたが!?」
「知ってる人なの?」
「フィラルの代表補佐だ」
「じゃあ…裏切り者」
刀を抜き構える刀磨。
「刀磨!」
「敵なら排除するだけだ」
「そう…よね」
「さすが処刑人…しかし、処刑する相手は他にもいるはずだ。
そうだろ?」
「何を言っている?
他に…」
刀磨は咄嗟に振り返り、後ろにいたアリスに斬りかかる。
「きゃっ!」
「刀磨何してるのよ!?」
「こいつも…敵だ」
アリスを襲い掛かろうとする刀磨を水圧で払う游。
「そんなのは昔の話よ!どうしたのよ刀磨!?」
「おやおや、また仲間を傷付けるのかな?」
「違う!私は…」
「お姉ちゃん?」
アリスが游の肩に触れた時、アリスの手を払い游は震えだす。
「私に近付いちゃだめ!
また仲間を犠牲にしてしまう…」
「お姉ちゃん!?
あなた何をしたの!」
「何も。
君はよく仇の側にいれるな」
「仇?何の話を…」
アリスは刀磨に向かって音をぶつける。
「ナルスを殺した!許せない!」
「敵は殲滅する!」
「クックックッ…そうだ!殺し合え!」
刀磨とアリスは戦い始め、お互い傷だらけになっていく。
「さて、こいつらを始末した後は…」
その時ザルガンの背後から鎌を手にした夜詩が襲いかかる。
「遅いわ」
ザルガンにかわされ鎌は建物に突き刺さるが、体を回転させザルガンを地面へ蹴り飛ばす夜詩。
「はあっ!」
「ぐっ!」
ザルガンはよろめきながらも立ち上がり、地面に着地した夜詩を睨む。
「貴様…」
「あんたが黒幕だったとはな」
「(ミストは失敗したか…)君は友の死を嘆き悲しんでいればいい!」
「瞬…」
夜詩はその場で立ち尽くす。
「全てが片付いたら後でたっぷり利用してやる」
次の瞬間、夜詩の鎌がザルガンを襲う。
「バカな!?」
「お前の力は通じない!」
「くっ!なぜ操れない!」
「瞬の事だけじゃない、俺は全て背負う覚悟を決めた!
それにお前の能力は知っている。心を操るんだろ?」
「!?」
「相手の心にある傷や憎しみ、悲しみ様々な感情を増大させ意のままに操る。
だが、波を高めていれば操られない」
鎌を振りかわしたザルガンの腹に重い拳を打ち込む夜詩。
「しっかりしろ!刀磨!游!アリス!」
夜詩の言葉に三人は正気を取り戻す。
「夜詩?俺はなぜアリスを」
「私もナルスの事は恨んでないのに…」
「一体何が?」
「三人は感情を操られてたんだよ!
波を高めていれば大丈夫だ!」
三人は波を高め夜詩に駆け寄る。
「お前に救われるとはな」
「まだ終わってないぞ」
ザルガンは気を失い横たわったまま動かない。
「レイにも困ったもんだな」
夜詩達の背後に一人の男が現れる。
「そんな…」
「どうなってる」
「死んだはずじゃ」
「でも間違いなく生きてるよね?」
四人の目の前には死んだはずのハートネスが立っていた。
「出てくるつもりじゃなかったんだけど、ザルガンも使い物にならなくなったからね」
「ハートネスどういう事だ!」
「そいつはザルガンの野心を増大させ、催眠術で自分自身を能力者と思い込ませていた」
近くに光りが落ちレイが現れる。
「君はお喋りだな」
「お前の目的は変わったからな」
「まあいい、じゃあ第二ラウンドと行こうか!」
夜詩達は構え、ハートネスの波が増大し戦いは終局へと加速していく。




