第六章「エネルギーブレード」
ドリアンは跳ばなかった。踏み切りもしなかった。
ただ前に一歩踏み出し、虚空へと身を落とした。まるで十メートル下の地面が、そんな高さから飛び降りるにふさわしい、ごく当たり前の場所であるかのように。
落下する彼の周りで風が唸った。峡谷は左右に広がり、その壁は黒と赤のぼやけた縞模様へと変わった。
一瞬、すべては無重力と闇、そして自分でも認めたくないほど速く打つ心臓の音だけになった。空気が頬に張りつき、冷たく湿っていた。耳の中で、唸りは轟音へと変わっていった。
エヴォルトリスは、獲物が自ら虚空へと身を投げるのを見た。
「……」——エヴォルトリスは、自分の獲物が今や猛烈な速さで自分に向かって降下してきているのを見た。一方でエヴォルトリス自身もまた、それを喰らうために猛烈な速さで登っていた。
その顎が開いた。
登る動作を、正確に半秒だけ止めた。
それは、捕食者ですら意味の通らないものを処理するために必要な時間だった。ほんの一瞬前までは機械的な精密さで動いていた鉤爪が、止まった。生物は二つの目を瞬かせ、その瞬間、ドリアンは確かにそこに混乱を見たと誓えた。
あの獣ですら、自分が見ているものが理屈に合わないと気づいていた。なぜなら、数秒前まではエヴォルトリス・アルファから身を隠していたはずのものが、今はその牙に引き裂かれるために、まっすぐその口へと飛び込んでくるのだから。
その奇妙な状況にもかかわらず、エヴォルトリス・アルファは素早く捕食者としての本性を取り戻し、その混乱は完全に顔から消え、以前——ドリアンが過去の他の獲物ほど容易くはないと悟ったとき——と同じ、あの苛立たしげな表情に戻った。
最後の瞬間、ドリアンは両腕を広げ、壁へと跳んだ。それは跳躍ではなく、ひねりだった。腹筋が収縮し、脚が空中で回転し、落下の慣性が横方向の勢いへと変わった。
彼のブーツが岩に着地点を見つけた。
膝が曲がり、バネのように衝撃を吸収した。スーツが張力にきしんだ。左太もものプレートが脚に押し付けられて熱を帯び、その熱があまりにも強烈で、一瞬、皮膚に水膨れができるのではないかと思ったほどだった。そこから、その三点の危うい足場から、彼はまっすぐエヴォルトリスへと飛びかかった。
その生物は彼が来るのを見た。そして、始めたことを終わらせようとした。
複数の顎を開いた。次のご馳走を予感しながら。そして今度は、ドリアンはその四つの顎が、これまで以上に大きく——以前よりもさらに——開いているのを見た。
そしてドリアンには、その理由がわかっていた。
それぞれの顎が別々の方向へと開き、牙と肉と暗い液体からなる扇形を作り出した。その液体は太い滴となって顎から落ち、岩に触れると煙を上げる溝を残し、酸と焦げた肉の悪臭を放った。
だがドリアンは、その牙の方へは向かっていなかった。
最後の瞬間、彼は体をひねり、通り抜けながら、怪物の右側面をかすめた。ブーツが鱗をこすり、金属同士がぶつかるような甲高い軋み音を立て、それが彼の耳を突き刺した。
『ああ、これは本当に気持ち悪いな』とドリアンは、エヴォルトリスをかわした後、心の中で言った。
一瞬、あまりにも近づいたため、彼はその顎の内側まで見えた。喉の奥の暗い湿り気、歯を人形のように動かす腱、そして奥でうねる赤い舌——その口の中があまりにも暗く、月も星もない夜のようだったため、赤い舌がその光景に一層恐ろしい雰囲気を与えていた。そこから漂う熱を彼は感じた。濃密で化学的な、酸の蒸気のような熱だった。
それが顔に打ちつけ、一瞬、これまでのようにうまく息ができなくなった。それが鼻と口から入り込み、喉を下って、まるでそこに一度貼り付いたら二度と剥がれない超強力な接着剤のように居座るのを感じた。
その短い瞬間、空気は固体になった。
それから、ドリアンはついに落下した。
地面への衝突は激しかった。
準備する暇さえなかった。膝が最初に地面を打ち、次に手、そして右肩。一度、二度、三度と転がった。外骨格スーツが衝撃を吸収したが、すべてではなかった。右前腕の曲がったプレートが金属の軋みで抗議した。肘から肩にかけて鈍い痛みが居座った。まるで関節に鉄の棒を差し込まれたかのようだった。
ようやく、しゃがんだ姿勢で身を起こし、喘いだ。唾液が濃くなっていた。地面に唾を吐いた。それは黒い土と混ざって、灰色がかっていた。
エヴォルトリスが咆哮した。
今度の咆哮には違う響きがあった。より甲高く、より個人的だった。苛立ち。獲物がわずか数センチの差で逃げたことは、狩りの訓練を積んだ捕食者にとっては、ほとんど侮辱に等しかった。生物は鉤爪で壁を叩き、岩が粉々に砕け散った。
「さて、エヴォルトリス・アルファ」とドリアンは、そのエヴォルトリス・アルファが何をしようとしているのかを理解し、笑みを浮かべながら呟いた。「お前はもう一度地面まで降りてこなきゃならないみたいだな」
「あのちょっとした運動は、後々お前のためになるはずだ」——今や彼は頭を後ろに傾け、目でエヴォルトリスを追っていた。その笑みは、人が誰かをからかうとき、それが悪意からではなく、ただその反応を見たいだけのときに浮かべる類のものだった。
なぜなら、ある種の人間は、苛立っているときの方が、より可愛らしく見えるからだ。
エヴォルトリス・アルファは壁から跳んで離れた。
峡谷を震わせるほどの衝撃で地面に落ちた。すでに開いていた亀裂がさらに広がった。四本の脚が、何の苦もなく、ためらいもなく落下を吸収した。
何事もなかったかのように立ち上がった。
「で、あの『こんなの一日中でもできる、まあ夜だから、一晩中でもできる』ってやつはどこ行ったんだ?」
ドリアンは今度こそ苛立った。あれだけの手を尽くしたにもかかわらず、エヴォルトリス・アルファがまったく傲慢な態度を見せないことに気づいたからだった。
エヴォルトリス・アルファの目はドリアンに固定され、その強さはもはや単なる飢えた捕食者の空腹ではなかった。それはむしろ怒りに近い何かだった。冷たく、計算された怒り。それは、その顎が二秒ごとに乾いた音を立てて閉じる様子に表れていた。
ドリアンはすぐに悟った。もう遊んでいる時間はなかった。
これを終わらせる以外、何をする時間もなかった。
『あいつ、今度は早く終わらせるつもりのようだな』
ドリアンはそう思った。エヴォルトリス・アルファが取った新たな体勢を見ながら。すでに殺意を放っていたその目は、今やさらに強まっていた。
彼は右太ももの柄へと手を伸ばし、それを起動させた。指が滑り止めのグリップを見つけ、握りしめると、手袋を伝う馴染みの振動を感じた。それは単なる機械的な振動ではなく、もっと深いもの——閉じ込められたエネルギーの、待機する唸りだった。
「それなら」と、今度は声に出してドリアンは言った。「俺も本気にならないとな、早く終わらせるためにも」——そう言いながら、意図せずあの現れた異常のことを思い、そして完全に遊びをやめた。
カチッという音とともに、エネルギーの刃が伸びた。淡い青の閃光が稲妻のように峡谷を照らした。壁がその反射を返し、光を何倍にも増幅させ、一瞬、すべてが青くなった——岩も、木々も、エヴォルトリスの体そのものも、一瞬、水晶の像のように見えた。
「……」——エヴォルトリス・アルファはすでに動き出していたが、ぴたりと止まり身を庇った。エネルギーブレードの光が彼を眩ませたからだった。
刃の唸りが岩々の唸りに重なり、歯を震わせる不安定な和音を作り出した。
「戦闘モード:白兵武器、起動」とオメガが告げた。その声は純粋な情報だけで、皮肉も温かみもなかった。AIの自動操縦が起動していた。「エネルギー水準、安定。刃、出力100%。連続戦闘可能時間の推定:47分」
「四十七分」とドリアンは繰り返した。青い刃が彼の顔に青い影を落とし、緑の瞳をシアン色に染めていた。「それは……十分すぎるくらいだな」
「じゃあ、お前がどれだけやれるか見せてもらおうか、エヴォルトリス・アルファ」と彼は叫び、駆け出した。
エヴォルトリスもまた駆け出した。
その四本の脚の下で地面が震えた。
最初の衝撃で開いた亀裂がさらに広がり、そこから硫黄と腐った卵の臭いのする熱い蒸気が立ち上った。地面の地衣類は、その怪物が通った場所では輝きを止めた。まるでその存在が光を消しているかのように。
その通り道には、岩の表面に、傷から流れる液体と同じ細い黒い線が刻まれていった。
二人は峡谷の中央で、自然の二つの力がぶつかり合うようにして出会った。
見せかけはなかった。フェイントもなかった。
ドリアンはまっすぐ、以前すでに傷つけていた右前脚へと向かった。エネルギーの刃は跳躍のさなかにその関節を貫き、完璧な青い弧を描いた。
切断は清潔で正確だった。
肉と骨が、金属的で湿った音とともに裂けた。その感触はドリアンの手首にまで伝わり、まるで衝撃が刃を伝って腕まで昇ってきたかのようだった。
黒い血が傷口から噴き出した。
滴り落ちるのではなく、圧力で噴き出した。まるで怪物の中にポンプがあるかのようで、空気に触れると部分的に蒸発した。蒸発しなかった滴は地面に叩きつけられて跳ね、小さな煙を上げる火口を作った。臭いはすぐに漂ってきた。化学的で腐敗した臭いで、鼻孔の内側を焼くようなものだった。
ドリアンは思わず息を吸い込み、鼻の奥が燃えるように感じた。まるで沸騰した水を吸い込んだかのようだった。気持ち悪いな、と彼は思った。その臭いを記憶のどこかに保存した。念のために。
だがエヴォルトリスは屈しなかった。
脚を一本失ったにもかかわらず、素早く立ち上がった。
残る三本が体重に震えたが、すぐに調整した。生物は足を引きずっていたが、その目は相変わらず同じ殺意の強さで輝いていた。砕けた顎から暗い蒸気を吐き出した。その蒸気は近くの岩に触れて黒ずませた。染みをつけるのではなく、まるで石が外側から内側へと腐っていくかのようだった。
それから、再び飛びかかってきた。
以前よりも速く。
はるかに速く。
ドリアンには考える時間がなかった。
体が勝手に動いた。一歩後退し、体重を左脚に乗せ、刃を防御のために掲げた。だがその生物は噛みつくつもりではなかった。
体当たりするつもりだった。
その頭がドリアンの脇腹に破城槌のようにぶつかり、その衝撃で彼は地面から浮き上がった。一瞬、彼は制御を失ったまま後方へと飛び、峡谷が自分の周りで回転するのを見た。両腕が、折れた翼のように広がった。
エネルギーの刃は、手との接触を失って自動的に消えた。
「それは……」——文を言い終える時間はなかった。
ドリアンの体が峡谷の壁に激突した。その衝撃が息を奪った。肋骨がスーツのプレートの下で軋んだ。視界が一瞬曇り、それが晴れた時。
エヴォルトリスはすでに彼の上にいた。




