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魔の子たち  作者: ひら
第一章 力の目覚め

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8.家主

 ―白い天井が見える、背中が痛い。

 「あ、目を覚ましたんですね。ここに来てから2日で2回失神するなんて、災難ですねぇ〜。」

 

 声のしたほうを向いてみると。心笑がいた。

 自分は、岩山の上で寝転がっていたようだ。


 「あ…心笑さん。今自分はどういう―痛っ!」


 「まだ動かないほうがいいですよ。傷がまだ治ってないので。」


 向こうから、明香がやって来た。


 「起きたんだ…ごめんね。ちょっと加減の度合いミスっちゃって…」


 明香が申し訳なさそうに言う。


 「ほんとですよ〜私が来たとき、連くんひどい状態だったんですからね!」


 「えっと…自分明香の攻撃受けてからの記憶がないんですが…」


 「んーと、君がどう言う状態だったかはあれ見ればわかるかな。」


 心笑が指を向けた方向に目をやる。

 巨大な岩がパックリと裂けて、3つほど貫通して谷のようになっていた。


 「連くん、肋骨が全部折れてたけど内臓はギリ無事だったんだよね〜まだ甘いけど一応妖力のガードは成功したんだね。私がすぐ来なかったら危なかったんだよ?」


 「そうなんですか…ありがとうございます。」


 連は心笑に頭を下げた。

 

 「あすかちゃんも加減しないと…連くんが上手くガードできてなかったら私でも治せなかったよ?」


 「いやほんと…すいません。ちょっと楽しくなっちゃって…」


 はぁ…と心笑がため息をつく。


 「まぁいいでしょう…それで、連くんの力はどんな感じでした?」


 「まだ能力は開花してませんが、潜在能力はとても高いです。妖力の身体強化なら私より上かと。」


 明香が岩山の方に指を向けた


 「ほう…なかなか面白そうな話じゃのう。」


 突然、後ろから声がした。

 そこには、小学生ほどのポニーテールの可愛らしい女の子がいた。姿は小さいが、妙な威厳がある。


 「あ!千代子さん!今日は来ないじゃありませんでしたっけ?」

 

 心笑が不思議そうな顔をしながら女の子に問いかける。


 「いやなに、流石に新しい仲間が来るのに部屋でゲームばっかってのも良くないんじゃないかと思うてな。」


 「なるほど…要するにゲームに負けた気分転換に来たってことですね。」


 「流石心笑、嘘は通じんのう。」

 

 心笑と千代子という少女が談笑している中、連は明香に話しかけた。


 「なぁ、あの女の子…誰だ?」


 「あの人は蔵内 千代子(くらうち ちよこ)さん。《座敷童子(ざしきわらし)の縁》だよ。さっき言ったこのアジトを作ってるひとだよ。」

 

 (あのちっさい女の子が!?)


 連は驚きを隠せなかった。


 「というか、何であんな小さな女の子をさん付けで呼んでるんだ?」


 「縁の人って条件を満たすとそこから体の成長が止まるんだって。条件ってのが何かは私も知らないけど。だからああ見えて、幻天会で天狐さんに次ぐ古株らしいよ」


 「…というか幻天会っていつからあるんだ?」


 「私も詳しくは知らないけど…平安時代の初期からあるらしいよ。ボスと天狐さん、そして蔵内さんとその他一部の人が創設メンバーなんだって」


 「てことは…天狐って1200歳以上!?今まで歳近いと思ってタメ口で話してたんだけど。まさか明香も?」


 「私は違うよ…私は小さい時にここに入っから実年齢は君と変わらない。千歌もね。私たちは、まだ条件を満たしてないらしいんだ…私はそれよりも、天狐さんを初めから呼び捨てしてた君に驚きだよ」


 明香と話していると、心笑と話終えたのか女の子がこちらに歩いてくる。


 「やぁ新人、はじめまして。名前はもう教えてもらったかの?」


 「えぇ…まぁ…」


 明香の話を聞いたあとだったため、連はぎこちない返事しかできなかった。


 「そんなに緊張するでない。まぁそれよりほれ、手ぇだしな。」

 

 連はおそるおそる手を差し出す。


 「―〔隠れ家の鍵(ファミリーサイン)〕」


 千代子がそう唱えると、連の手の甲に輝く文様が映し出され、徐々に消えていった。


 「これが鍵じゃ。『移動(ムーブ)〇〇!』と行きたい部屋の名前を唱えると瞬間移動できる。便利じゃろ?じゃ、わしは部屋に戻るゆえ。連くんといったかな?せいぜいがんばるんじゃな。」


 そう言うと、千代子は部屋の扉を空けて出ていった。


 「―それじゃあ、私たちも今日は休みましょうか。連くんは明日からも修行だからね。」


 連は今日の修行を思い出し、憂鬱な気分になった

 (あんな死にかける修行がこれから毎日か…)


 「あの…これって人変えるとかできないんですか…心笑さんとか。」


 連がそう心笑に言うと


 「私!?うーん…誘ってくれて嬉しいんだけど、月読ちゃんでこれだと私がやると連くん塵になっちゃうから…」

 

 「え…」


 連が絶句していると


 「やめといたほうがいいと思うよ連…心笑さん、私の100倍強いから…」


 (この可愛らしいお姉さんが!?)


 連は驚きを隠せなかった


 その後、連たちはそれぞれ部屋を出て自分の部屋に戻った。


 「しっかし…本当便利だなこの鍵。無駄に歩く手間が省ける。」


 そういいながら、連はベットに倒れ込む。


 (明香のあの鳥の技…少し防御が遅かったら死んでたもんな…しかもあいつ、全然本気じゃなかったし。俺もはやくわざとか身に付けないとな…)


 連は布団に潜ると。そのまま眠りに落ちた。

 

 

 


 

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