8.家主
―白い天井が見える、背中が痛い。
「あ、目を覚ましたんですね。ここに来てから2日で2回失神するなんて、災難ですねぇ〜。」
声のしたほうを向いてみると。心笑がいた。
自分は、岩山の上で寝転がっていたようだ。
「あ…心笑さん。今自分はどういう―痛っ!」
「まだ動かないほうがいいですよ。傷がまだ治ってないので。」
向こうから、明香がやって来た。
「起きたんだ…ごめんね。ちょっと加減の度合いミスっちゃって…」
明香が申し訳なさそうに言う。
「ほんとですよ〜私が来たとき、連くんひどい状態だったんですからね!」
「えっと…自分明香の攻撃受けてからの記憶がないんですが…」
「んーと、君がどう言う状態だったかはあれ見ればわかるかな。」
心笑が指を向けた方向に目をやる。
巨大な岩がパックリと裂けて、3つほど貫通して谷のようになっていた。
「連くん、肋骨が全部折れてたけど内臓はギリ無事だったんだよね〜まだ甘いけど一応妖力のガードは成功したんだね。私がすぐ来なかったら危なかったんだよ?」
「そうなんですか…ありがとうございます。」
連は心笑に頭を下げた。
「あすかちゃんも加減しないと…連くんが上手くガードできてなかったら私でも治せなかったよ?」
「いやほんと…すいません。ちょっと楽しくなっちゃって…」
はぁ…と心笑がため息をつく。
「まぁいいでしょう…それで、連くんの力はどんな感じでした?」
「まだ能力は開花してませんが、潜在能力はとても高いです。妖力の身体強化なら私より上かと。」
明香が岩山の方に指を向けた
「ほう…なかなか面白そうな話じゃのう。」
突然、後ろから声がした。
そこには、小学生ほどのポニーテールの可愛らしい女の子がいた。姿は小さいが、妙な威厳がある。
「あ!千代子さん!今日は来ないじゃありませんでしたっけ?」
心笑が不思議そうな顔をしながら女の子に問いかける。
「いやなに、流石に新しい仲間が来るのに部屋でゲームばっかってのも良くないんじゃないかと思うてな。」
「なるほど…要するにゲームに負けた気分転換に来たってことですね。」
「流石心笑、嘘は通じんのう。」
心笑と千代子という少女が談笑している中、連は明香に話しかけた。
「なぁ、あの女の子…誰だ?」
「あの人は蔵内 千代子さん。《座敷童子の縁》だよ。さっき言ったこのアジトを作ってるひとだよ。」
(あのちっさい女の子が!?)
連は驚きを隠せなかった。
「というか、何であんな小さな女の子をさん付けで呼んでるんだ?」
「縁の人って条件を満たすとそこから体の成長が止まるんだって。条件ってのが何かは私も知らないけど。だからああ見えて、幻天会で天狐さんに次ぐ古株らしいよ」
「…というか幻天会っていつからあるんだ?」
「私も詳しくは知らないけど…平安時代の初期からあるらしいよ。ボスと天狐さん、そして蔵内さんとその他一部の人が創設メンバーなんだって」
「てことは…天狐って1200歳以上!?今まで歳近いと思ってタメ口で話してたんだけど。まさか明香も?」
「私は違うよ…私は小さい時にここに入っから実年齢は君と変わらない。千歌もね。私たちは、まだ条件を満たしてないらしいんだ…私はそれよりも、天狐さんを初めから呼び捨てしてた君に驚きだよ」
明香と話していると、心笑と話終えたのか女の子がこちらに歩いてくる。
「やぁ新人、はじめまして。名前はもう教えてもらったかの?」
「えぇ…まぁ…」
明香の話を聞いたあとだったため、連はぎこちない返事しかできなかった。
「そんなに緊張するでない。まぁそれよりほれ、手ぇだしな。」
連はおそるおそる手を差し出す。
「―〔隠れ家の鍵〕」
千代子がそう唱えると、連の手の甲に輝く文様が映し出され、徐々に消えていった。
「これが鍵じゃ。『移動〇〇!』と行きたい部屋の名前を唱えると瞬間移動できる。便利じゃろ?じゃ、わしは部屋に戻るゆえ。連くんといったかな?せいぜいがんばるんじゃな。」
そう言うと、千代子は部屋の扉を空けて出ていった。
「―それじゃあ、私たちも今日は休みましょうか。連くんは明日からも修行だからね。」
連は今日の修行を思い出し、憂鬱な気分になった
(あんな死にかける修行がこれから毎日か…)
「あの…これって人変えるとかできないんですか…心笑さんとか。」
連がそう心笑に言うと
「私!?うーん…誘ってくれて嬉しいんだけど、月読ちゃんでこれだと私がやると連くん塵になっちゃうから…」
「え…」
連が絶句していると
「やめといたほうがいいと思うよ連…心笑さん、私の100倍強いから…」
(この可愛らしいお姉さんが!?)
連は驚きを隠せなかった
その後、連たちはそれぞれ部屋を出て自分の部屋に戻った。
「しっかし…本当便利だなこの鍵。無駄に歩く手間が省ける。」
そういいながら、連はベットに倒れ込む。
(明香のあの鳥の技…少し防御が遅かったら死んでたもんな…しかもあいつ、全然本気じゃなかったし。俺もはやくわざとか身に付けないとな…)
連は布団に潜ると。そのまま眠りに落ちた。
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