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魔の子たち  作者: ひら


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27/31

27.天の岩戸

 百鬼組のアジトを出てから数時間。空条に駅まで送ってもらい、新幹線に乗る。朝早くにでたはずなのに、宮城県に着くころには気づけば夕方に近い時間帯になっていた。


 「…こんな連続して長距離移動したの初めてだ…で、これからどこ行くんだ?」


 連が天狐に尋ねる。


 「目的地は、天岩戸神社。見た目はただの観光名所だが、そこに、八咫鏡がある場所――天の岩戸(あまのいわと)に繋がる門がある」


 「天の岩戸…日本神話に出てくるやつか?」


 八戒が、思い出したように言う。


 「あぁ。だが、ただの岩ではない。天の岩戸は異空間に存在する、八咫鏡を守っている場所だ。手に入れるためには、試練をクリアしなければならん」


 「俗に言う、ダンジョン的なやつってわけか。面白そうじゃあないか!!」


 八戒のテンションが上がる。


 「油断するなよ。私は一度入ったことがあるが、あそこは入る者によって姿と試練内容が異なる。下手すると死ぬぞ」

 

 「ほほう〜。激ヤバですな」


 瑞稀が面白そうに言う。天狐は何言っても無駄だと感じたのか、これ以上は何も言わなかった。


―――――――――――――――――――――――

 車を借りて、天岩戸神社に着く。もう遅い時間帯だからか、観光客は殆どいない。

 少し進むと、大きな岩穴が見えてきた。岩穴の中には、鳥居と小さめの社がある。


 「ここだ」


 天狐が鳥居の前で足を止める。


 「今から門を開く。開くのは一瞬だけだか、遅れずについてきてくれ」


 天狐はそう言うと、片手を前に出す。


 「『戸隠の御神、我が願い聞き届け門を開き給え――開門』」

 

 天狐が鳥居の前で何かを唱える。すると、鳥居の内側に紫色の裂け目が現れる。


 「これが門だ…急ぐぞ」


 三人が躊躇なく中に入ってゆく。連は少し怖かったが、勇気を出して一気に裂け目のなかに飛び込んだ。


 四人は、紫色の空間の流れに沿って漂っていた。


 「おぉ!?これはどうなってるんだ!」 


 「わぉ~、すごい!新感覚!」 


 八戒と瑞稀がはしゃいでいる。


 「もうすぐだ!出るぞ!」 

 

 天狐がそう言うのとほぼ同時に、目の前が明るくなって連たちは空中に放り出された。


 「のわぁぁぁぁ!」


 八戒が最初に着地し、残り三人を受け止める。


 「ありがと八戒!」


 連は八戒に下ろしてもらい、周りを見た。不思議な空間だった。紫の空間のなかに、様々な建物の一部が浮かんでいる。正面には、巨大な門があった。


 「さて…ここからが、試練本番だ。…くれぐれも、油断するなよ」


 天狐が振り向いて言う。連たちは、巨大な門の下へと向かっていった。


 

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