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魔の子たち  作者: ひら


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24/31

24.たんたんたぬきの腕試し

 赤色の壁が周囲を覆う。結界が完成し、円の外に出ることはできなくなった。


 「さて…やりやしょうか、連さん。準備はよろしいんで?」


 空条が構える。財前は力を見せてもらうと言っていた。要するに、空条と戦えということなのだろう。

  

 「悪いですが、最初から飛ばしますぜ…『因子解放70%』!」


 妖気が一気に増大する。連にとって初めて見るそれは、修行のときの明香や千歌どころではないほどの力を発していた。連は、財前の方を見る。財前は表情を変えることなく、様子を見守っていた。  


 「わかったよ…生憎、こういうのは初めてじゃないんだ。こっちも、全力でいくぞ!」


 連は妖気を練って金棒と盾を同時に生成する。連は最近の修行の影響で、かなり形の整った金棒と、周囲に展開できる盾の同時生成を可能にしていた。

 空条が顔をしかめる。


 (『50%』ってとこか…油断はできねぇな)


 空条は刀を出現させると、連に向かって斬りかかる。連は盾を前に出し、防いでみせた。一進一退の攻防が続く。先に状況を変化させたのは、空条だった。


 「なかなかやりやすな、連さん。少しギア上げますぜ、〔兵仗乱舞(ひょうじょうらんぶ)〕!」


 空条の周りに、大小様々な刀、槍、大太刀が出現し、連に向かって飛んでゆく。


 「〔鬼箱〕!」

  

 盾だけでは防ぎきれないと感じた連は、自分の周りに鬼箱を展開し槍を防ぐ。だが、空条は得物を大太刀に持ち替えると力強く振るい、鬼箱を粉砕した。


 「守っているだけじゃ、儂は倒せやせんぜ…というか、もしかして儂が手加減すると思ってますん?」


 連は金棒で空条の大太刀を受けるが、力を流しきれずに吹っ飛ぶ。その隙をついて、空条が刀を二、三本飛ばし、連の腕を刺した。


 「っ…!がぁっ!」

 

 連の腕から血が滴る。


 「連さんよぉ…さっさと力ぁださんと、本当に死んじまいやすで?」


 ドスッ!


 空条が、大太刀を連の手に突き刺す。連は、痛すぎて叫ぶことができなかった。


 (これは…やばい…!)


 「終いか…」


 空条が新たに槍を出現させ、連に向かって振り下ろす。


 (盾を、出さないと…盾…を…)


 連が盾を出そうとする。突如、連の頭に頭痛が走った。

 

 『………困…な…………困るな、そんな奴にやられてもらっては』


 槍が連に突き刺さる直前。連の頭の中に声が響いた。次の瞬間、連の体から凄まじい妖気が吹き出し、空条はふっ飛ばされた。


 「これは…成功、か?」


 空条が呟く。だが、様子を見ていた財前が、何かに気づいたように勢いよく立ち上がった。


 「…っ!違う!空条、逃げろ!」


 倒れていた連が、空条の視界から消える。と同時に、空条の胸が裂ける。


 「!?」 


 咄嗟に妖気を集中させたのにも関わらず、気づいた時には空条は胸に大きな太刀傷を負わされた。


 空条の目に、連が映る。だがそこにいた連は、先ほどとは別人のような赤い肌の色、伸び切った髪、長い2本の黒い角、そして何より、空条の最大出力を軽く上回る妖気を発していた。


 「「ぐぉぉぉぉぉぉ!!」」


 連がとてつもない咆哮をあげる。周りを覆っていた結界が弾け飛んだ。


 「まずいな、これは。………やるしかないね。『因子解放80%』」

 

 財前が、暴れる連の前に立ち塞がる。連は我を失ったように財前に飛びかかった。道場の床が砕け散り、周りには凄まじい量の粉塵が舞った。


 

 

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