14.本拠地襲撃①
目の前にそびえ立つ大きな扉。
細かな金の装飾が施されたそれは、連が初めて幻天会に来たときに自己紹介をした会議室だった。
中に入ろうと扉に向かっていると、後ろから千歌と明香がやって来た。
「お〜連、早いじゃん」
「おはよう、連」
「おう、おはよう」
千歌と明香が眠そうに歩きながら、連の横に並んだ。
「それにしても天狐さんウチらに用ってなんなのかな〜。…面倒な仕事とかかな」
千歌が嫌そうな顔をした。
三人で会議室のなかに入ると、そこには天狐と右京と千代子が座っていた。
「やぁ、三人とも早いね」
「久しぶりじゃの」
「お〜連クン、千歌チャン、明香チャン。おはようさん〜」
天狐と千代子はいつもどうりだが右京は眠そうに目をさすっている、目の下にクマができている。
「それで、これであと心笑さんだけか?」
「いや、まだあと二人来る。どっちも連は知らないだろうから、ついでに自己紹介でもするといい。」
連が円卓に座ったのと同時に、会議室の扉が開き
心笑と二人の男女が入ってきた。
一人は長い白髪に髭を生やした鋭い目つきをした老人だった。しかし、老人とは思えないほど生命力に満ち溢れていた。連は老人と目が合い一瞬体が硬直した。
もう一人は少女だった。黒く長い髪にスカートを履いていた。自分や千歌、明香と同じくらいの年ごろのように見える。先ほどの老人よりは、普通の人のように見えた。
「うらら!久しぶり〜!」
千歌が入ってきた少女に向かって飛びついた
「うぉっ!千歌〜相変わらずだねぇ」
「君たちー!席に座ってくださーい」
千歌とうららという少女がじゃれ合っていると、心笑が円卓の正面から二人に向かって叫んだ。
心笑は二人が座ったのを確認して資料を広げる。
「それでは全員が揃ったので会議を始めますが…連くんはお二人のことは知らないんでしたね。時間がないので、私から紹介させていただきます。左の着物を着たおじいさんが海堂 一心さん。もう一人の女の子が糸川うららちゃんです。仲良くしてくださいね〜」
ふと横を見ると、うららは連に向かって手を振っていた。海堂は連の方を向くと、少しお辞儀してすぐに前を向いた。
「はい、じゃあ本題ですが、近々ここに敵が攻めてくる可能性があ―」
心笑が会議を進めようとした次の瞬間
「「ドォォン!」」
と、凄まじい音が会議室の外から聞こえた。
「なんだっ!?」
連は思わず立ち上がった。
「―るという話をしようとしたのですが…」
「わしの扉が突破された。…きたみたいじゃの」
千代子は席を立つと床に手を置いた。千代子の手の周りから光る陣が浮かび上がり、しばらくするとゆっくり千代子は立ち上がった。
「…敵は五人じゃな。咄嗟に扉を再封鎖したがそこそこ入ってきたのう。じゃが、それぞれ別の位置に飛ばすことは成功したぞ、それぞれ11区域、27区域、35区域 58区域 71区域じゃ」
天狐は目をつぶり深く息を吐くと、勢いよく立ち上がった。
「総員、戦闘準備!千代子は各地区にメンバーを転送!11区域、右京。27区域、千歌。35区域、うらら。58区域、海堂。71区域は…私が出よう」
「天狐!俺はどうすればいい!戦えばいいのか!?」
連が天狐に向かって叫んだ
「敵の目的はおそらくお前だ。心笑と明香と千代子は連の護衛!私たちの戦闘が終わるまでここで待機だ」
「目的が俺…?」
「それは後で話すが、とりあえず逃げろ。まだお前じゃ今回の相手は厳しい。…千代子!飛ばせ!」
「わかった」
その瞬間、他の全員は消え会議室は連と他の三人のみになった。




