11.千歌の鬼畜修行②
体の節々が痛い。
体自体は動くようになったものの、千歌の召喚した武者―〔不知火の武者〕の一撃により、もはや連の左腕は使い物にならなくなっていた。
(この武者を倒すには素手じゃ無理だ…さっき俺は無意識だが盾を出すことができた。あのときは、自分を守るということに強く意識を注いでいた。となると―)
連は武者に向き合いながら、自分が武者に攻撃するイメージを固めていた。
(体の妖気をうまく形作れ、想像しろ。相手を叩き潰す明確なイメージを!)
連の手に徐々に、徐々に妖気が集まり、形づくってゆく。そしてそれは歪ながら、徐々に連の望みに沿った形になっていった。
(これは…金棒か?これなら…!)
武者が刀を振り上げて突進してくる。
足に妖力を集中させて武者の真上に飛んだ。
(やっぱり足に妖力集中させると高く飛べるんだな。あとは…)
連は空中で金棒を振り上げると
「潰れろぉぉぉぉぉぉ!」
と、武者の脳天に金棒を叩きつけた。
ドォォン…
轟音が響き、粉塵が舞う。
連の一撃で、武者は粉々になっていた。
「はぁ、はぁ…やったか…!」
連は叫びたかったが、体はすでに限界に達していた。ぐらり、と視界が傾き、そのまま倒れ込んだ。
パチパチ…
連が倒れていると、千歌が拍手をしながらこちらにやってきた。
「お見事!妖術がちゃんと開花したみたいだね。でも、まだ荒削りかな〜」
千歌は連の隣に座ると
「〔生命の灯火〕」
と、唱えた。
連の体が温かい炎に包まれる。体の痛みがみるみる引いていき、ケガも治っていった。
「すごいでしょ。ウチも心笑さんほどじゃないけど回復系の能力使えるんだよ?」
千歌は、自慢げな表情をして連に言った。
「それで…このあとまだ何かするのか?」
「ん〜ウチの仕事は一旦は終わりかなぁ。普通の鍛錬や実戦訓練ならちょくちょくやるけど、それよりも連は次の人のところへ修行しに行くのが先ね。」
「次の人…?」
「うん。多分連は初めての人だね。右京先生って人なんだけど」
聞いたことがない名前だ…天狐か心笑さんだと思っていた連はそう思った。
「どんな人なんだ?」
「んー。気さくな人って感じかな…あとは、私より強いってことくらいかなぁ」
「千歌より!?」
「せ ん ぱ い!!忘れんなよ!…で、話戻すけど、右京先生は私と明香が入りたての頃に色々教えてくれた先生的な立場の人なんだよ。私みたいに優しくないから気をつけな」
(…あれ優しい判定だったんだ)
「んじゃ!今日はここまで!解散!!」
千歌はそう言うと、部屋に戻っていった。
(俺も部屋戻って寝るかぁ)
部屋にワープし、疲れ切った体をソファの上に横たわらせた。
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―警察総合庁舎
その地下に、一部の者以外誰にも知らされていない会議室がある。中央に円卓があるだけの、簡素な会議室だ。
そこでは、本来の警察の役割である『守る』ための会議ではなく『殺す』ための会議が開かれている。
しばらくすると、円卓の中にいた白い和服の女が前に出てきた。
「―ではこれより、『幻天会襲撃作戦』についての議論を始めます」
淡々と、会議の始まりを告げた




