表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱はバラバラな世界を一つにする  作者: アリア(紫骨 骸)
15/17

【15:試験場が死んだみたいです】

「次ハ試験ハ攻撃力ヲ測ル試験デス。コチラニ用意サレタ物ヲ殴ッテ蹴ッテ、ソシテ最後二好キナ物理攻撃ヲ加エテ下サイ。同ジモノヲ2回ヤッテモ大丈夫デス。」


つまり、次は攻撃力の強さを測るものらしい。

殴って蹴って、とにかく魔法や魔術を使わない基礎であるものを測るという意味だと思われる。


ウィーンという機械的な音とともにまた何かが出てくる。

なんだろう、あの、名前忘れた。

起き上がり小法師みたいなやつ。

よくあの戦うゲームで勝手に起き上がる白い円柱の顔がついてるやつに似ている。白だし。

顔はついてないけど。


「これを殴って蹴って、デコピンしたらいいんだな!」

「おま、何言ってんだ。」


どうやらステリアは三回目はデコピンにするらしい。


起き上がり小法師(?)を触ってみると案外と柔らかい。龍の卵よりもずっと柔らかい。

そのまま寝れそうだわ。


「おーい、ヴィオラ。そのまま寝るなよ。まだ試験には続きがあるんだから気を引き締めろー。」

「へーい。」


言われてしまったのでとりあえずもふもふして離れる。

柔らかいので壊れてしまわないかとても心配だ。


準備運動に屈伸をしたり、開脚をしたりした。ステリアも一緒にやっていた。


……。


「ねぇ、もしかしてこれ、勝手に始めろってことかな。」

「そうみたいだな。」


思っていたことをステリアがすっと言ってくれたのでそれを肯定する。


「じゃあさ、二人で一斉にタンタンタンのリズムで殴る、蹴る、デコピンしない?」


手を叩いてリズムを取りながらそんなことを提案される。

どうやらデコピンは決まりのようだ。


目の前の起き上がり小法師(?)とステリアを交互に見て、それからステリアと見つめあって応える。


「それって勝敗あるの?」

「無いよ!リズムゲームだと思って。」


グッと親指を立てて上に向ける。

とてつもない笑顔を見せているが、そんなものを見せるシーンではないと思うのだが。

まぁ、別に勝敗はなくてもいいか。


「よし、じゃあやるか。」

「っっしゃあ!」


もう一回タンタンタンのリズムを教えてもらう。


0.5秒で1回叩く感じのようだ。つまり「タンタンタンタン殴るタン蹴るタンデコピン」という感じだ。

間違えそうにも程がある。


「よし、やるか。」

「おー、ヴィオラがやる気満々だー。」


目の前のものに視点を合わせる。

そう言えばまだ入り決めてなかったなと考える。


「じゃあ、二人で歌おうか。こう、タンタンタンタン殴る……って感じに。」

「その手拍子はいるか?」

「いる。」

「りょーかい。」


提案されたのでそれでやることにした。


ふわぁと一つ欠伸をする。

寝ていない訳では無いのだがどうも身体がだるい。よくある筋肉痛のやつだ。原因不明のな。


二人で見合わせる。

小声でせーのっと言って、手拍子をする。


「タンタンタンタン殴るタン蹴るタンデコピ……ん?」

「タンタンタンタン殴るタン蹴るタ…………あれ?」


殴った瞬間に目の前の殴った対象が砕け散った。砕けるというよりも散乱して空気に溶けてしまったという方が正しい表現なのだろうか。

あまりの衝撃に思わず口を噤む。


ともかく殴るものが無くなってしまったからには続けることは出来ず、再び勢いよく出てきた起き上がり小法師(?)を見るまで時間が静止したかのように二人で見つめあっていた。

勢いよく出てきた時に出た大きなボンッというまるで破裂したような音に二人で笑った。

再開するには時間が掛かった。


「破裂するなんて聞いてない。」

「柔らかいから想像はしてたけど……。」

「そう言えば触ってたね。」

「うん、もふもふやった。」


僕も触ってみよう。と言いながら円柱に近付いて触っている。

無言が続いた後、1通り撫で終わったステリアがこっちに戻ってきて目の前に立つ。一息吐いてから言葉を発する。


「いや、固いわ。」


俺は目が点になった。

そして言う。


「なんでや。」

「だってこれ普通に固いよ。」

「うそん。」


触りにいくが固くはない。ちょっと弾力性があるような気がするが固くはない。柔らかいと思うんだが。

あれ、でもさっきより固くなっている気がする。

ふむ。


二人で見つめ合う。目と目で会話をするとめんどくさがり屋二人の意見が合致した。


((もうどっちでもいいわ。))



「じゃあ、とりあえず攻撃すると炸裂することは分かったから。リズムとるのはやめてせーので蹴ろうか。」

「あ、結局合わせるのには変わりないんだ。」


思った疑問を口に出す。

別に構わないのだがそこまでこだわる意味がわからない。片方ずつやるものなのではないかと心配になる。


「当たり前だ。リズムは取れなくなったが合わせるぐらいなら爆発してもできる。」


質問の意図が分かっていないようで見当はずれな答えが帰ってきたので無かったことにする。


「炸裂と爆発って結構違うぞ。」

「でも、表現するならそんな感じだったやん。」

「まーね。」


俺の中の炸裂と爆発のイメージは炸裂がボンッと中身から急に弾け飛ぶ感じで爆発が意図的にボンッとなる感じ……、ごめんあんまり意味変わらないかもしれないわ。


「よっし、じゃあせーので蹴るぞ。」

「はいはい。」

「投げやりになるなよー、もっと気合い入れようよー、何事にも全力大事ー。」


そっちこそ投げやりじゃないかと思うほどの棒読みをするステリア。


「棒読みでそんなことを言うお前が言うな。」

「へーい。」


なんでやろうと思ったのだろうと本当に疑問に思う。

やる気全くないじゃないか。


あれだけ大きい音がして吹っ飛んだのにロボットは一切反応しない。

それどころか涼しい顔をしている。

実際にはロボットに顔はないのだがイメージはそんな感じだ。


「ねーねー、もう始めてもいい?」

「もちろん、何時でも。」


よしっじゃあ始めるよ、とでも言うようにこちらを見る。


「せーのっ!」


掛け声に合わせて蹴る。

一気に二つの音が重なり、鼓膜が破れたかと思うほどの爆音に襲われる。

案の定、跡形もなく吹っ飛んでいる。


しばらく静寂が続く。


さっきまで聞こえていた音が耳に残っているようで少しの音でも敏感になっている。


さっきまで聞こえていなかったロボットのウィーンという何かしらを撮っているような音。監視カメラを思い出させる。

二人の呼吸いきの音。

服と体が擦れる音。


二人の間で何にも表すことの出来ない音が循環している。

実際には10数秒であろうその時間も何10分とも感じられた。


そして一つの音が二人の静止した空間に時間を戻した。


大きなボンッというまるで破裂したような音である。

目の前で何も無かったとでも言うように元に戻った円柱を見て二人でしばらく固まる。


二人がゆっくりとお互いのことを見る。


「やっぱり、静かな空間に大きな音が出るって笑わせにかかっていると思わない?」

「まるで笑ってはいけぬって感じで本当に無理……笑いしか起こらないわ。」


二人で腹を抱えて笑う。

笑いすぎて過呼吸のような声が出ながらも肩を叩きあって笑う。


しばらくして落ち着く。

まだ、思い出す度にぶフッと吹くように笑ってそれが伝染して笑いの合唱が始まったりするがさっきよりはマシになった。


「はー、なんだっけ次デコピン?」

「そうそう。」

「そんなんで壊せるわけないじゃん。ほら。」


近くにいってデコピンを喰らわす。

中指を親指で抑えて勢いよくスピードを付けて中指をぶつける。

それが俺の知るデコピンである。


威力は無く、少しどころではなく鋼鉄のように固くなってしまった円柱に当てると無慈悲にも跳ね返された。


そして、勢いよく弾け飛んだ。


驚きのあまり、俺はデコピンをした鋼鉄と感じたものをみてステリアは俺とその円柱を交互に見て、首を傾げていた。


「ヴィオラ、一緒にやろうって言ったのにぃいいい!」

「ごめんってぇえ!っおぅっ!?耳がァア!」


叫びながらステリアが思いっきり自分の前にある円柱をデコピンしたので思いっきり音が出る。

と同時に自分の横にあった円柱が回復してボンッと大きな音を立てる。


出てくるものは避けられたが近くで爆音を聞いてしまったがために耳の痛さにうぉおおお!と雄叫びをあげる。

ステリアは酷いひどいと言いながら部屋の中を走り回っている。

あまりのうるささにステリアのデコピンを与えられた円柱が回復する音も遮られてしまった。


そんな地獄絵図はロボットが話始めるまで終わらなかった。

ツッコミどころ多すぎて収集つきませんね。とにかくテリちゃが可愛いのはわかりました。


書き溜めたので明日も投稿します。お楽しみに!


ー作者の日記ー


リズムゲームといえばみんなで人型のおもちゃの手足を持ってリズムに合わせて相手の頬や耳を触るというゲームがありまして、鼻、ほっぺ、耳、おでこ、みたいな感じに相手の身体を合法的に触っていくんですよ。ちなみに肌に触れてリズムさえあっていれば、何処触っても反応します。タップする対象がスマホの液晶から人肌に変わるだけです。


と、ここまで語りましたが本編とは何の関連性もありません。強いて言うならリズムゲームってだけです。


後で見返して思ったんだけど、服と体が擦れるっていう表現ちょっと危ない感じがする。気にしないけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ