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最弱はバラバラな世界を一つにする  作者: アリア(紫骨 骸)
14/17

【14:俺と彼の死験場】

いつもいつもブクマや評価などなどありがとうございます。

今後ともよろしくお願いします。

「ほぉ……ここが学園かぁ。」

「うぉ、初めて見たけどこんな大きさになるものもあるのか……。」


二人で下車し、側から上を見上げる。

太陽の光で目が潰れないように日を手で隠す。


大きな校舎がそびえ立っている。


ローレンの豪邸に比べたらそんなにとも言えるがこの街で城の次に目立っているのだから大きい建物なのだろう。

ローレンの豪邸が異常なだけだ。


「それそれ、俺今人んちに泊まってるから卒業したら宿泊施設探さないとなんだよね。」

「あっ、もしかしてあそこのお嬢さん方がそうですか?」


ステリアはそっちの方を指さす。

そこにはもっふもっふの九尾二人と金髪美女が一人戯れている。

俺は右の人差し指で自分の頬を掻きながら言う。


「お恥ずかしいことに養われてます。」


それを聞いて嘲ることは無く、羨ましそうな顔をしてこちらに返事を返してくる。


「いいですねぇ、あんないい子達と暮らせるなんて羨ましいにも程がありますよぉ。」

「ん?そうか。ところでステリアはどこ住みなんだ?宿泊施設か?」


まぁ、確かに運命的な確率ではあるがあれが無ければ死んでいるということは明らかで運命的というよりは必然的だと感じてしまっているので思わないのかもしれない。難しいな。


「えぇっとですね。実はおばあちゃんに拾われましてそこで暮らしているんですよ。」


おばあちゃんという単語が出てきて「おばあちゃんっ子?」などという疑問が出てきたが、そうでもないらしい。


「へぇ、そうなんだ。ってことは捨て子?」

「拾われる頃には大分、大きくなっていましたけどね。」

「どのくらい?」


大きくなってたってことは少なくても10歳ってところか?と思いながら聞く。


「五歳くらい。」

「若いなぁ。」

「でも意思疎通くらいなら出来ましたよ。」


ドヤ顔でステリアがそんなことを言うので思わず吹き出す。

なんで笑うの!?という文句が聞こえてくるがきにしない。


「最後の2999番と3000番の方、中へお入り下さい。」

「「はーい。」」


呼ばれて思わず声が重なる。

ふふっと二人で笑ってしまう。


ローレンとミーゴとナーシャにはお留守番をしてもらい、二人で建物の中に吸い込まれるように入っていった。



「うわぁ、広いなぁ。」

「確かに広いな。」

「なー。」

「なー。」


二人で会話をしながら前の人に着いていく、随分と歩くようだが何処に行くのだろうか。

にしても人を全く見かけない。

これだけの人気の学園ならばさぞかし大勢の人で賑わっているだろうと考えていたのだが。


「知らないの。ヴィオラ。」

「何が?」

「いや、なんで誰もいないのか不思議がってるみたいだからさ。」


思っていたのとを的確に当てられて思わず引く。


「お前はエスパーかよ。」

「ふふっ、そうかも。」


ウィンクをしながらそんなことを言う。

よく片目閉じるなんて器用なことが出来るよな。

俺なんか両目つぶって終わりだぜ。


「まぁ、とりあえず説明するとこの学園とても人気だからその年の試験が終わってからすぐに次の年の試験予約が開始されるぐらいで、多すぎるから一日にペア二組しかしないんだよ。つまり一日四人。夏休みとか長期休みに入ったりすると多くできたりするんだけど、今日は最終日でさらに二組のうちの二番目で最終、全ての組が終わってこの試験が終わったら合否が決まるっていう状況だから、今頃ほとんどの人は家で待機じゃないかな?合否は次の日、ここに張り出されるらしいし。試験の間は生徒は別校舎で授業してるって話だからここには試験監督ぐらいしかいないよ。」

「うわぁ、めっちゃ早口。」

「なんでちゃんと説明したのに引いてるの!?」

「誰だって引くわこんなん。」

「ひ、酷すぎる。」


異常なほどの早口で説明されるが内容がしっかり入ってくるのが本当に不思議だ。


つまり、この学園での試験の最後で学生すらいない時間だからってことね。

事務処理にほとんどの人は追われてそうだし。


コンコン


ノックの音が響く。そして開ける音も。


「失礼致します。最後の二人、連れてきました。」

「ーー2999バンハ左へ3000バンハ右二立ッテ下サイ。」

「というわけですので指示通りに動いて下さい。試験は簡単なのですぐ終わると思いますよ。なお、指定された試験以外で魔力を使うと失格になります。」


現れたのはロボットでまるで人のように作られた人工知能と言えるものであった。

声を聞いた俺は右に立った。

カタコトで機械音ではあるもののやはり機械があるのかと驚いた。


機械音に何となく何か思い当たる節があったような気がしたが思い出せなかったのですぐに試験の話に戻る。


「第一試験ハ防御デス。今カラ魔法ヲ放チマスノデ防御ヲシテ下サイ。避ケルノハナシデス。棄権ヲスル場合ハ避ケテ下サイ。」

「「了解。」」


第一だったら魔力を測るのが先かと思っていたのだが、やはり安全のために防御魔法が先なのだろうか。

魔力を測るときに使いすぎて守れなくて怪我をされたらたまらないもんな。


ロボットから音が聞こえる。

どうやら魔法を展開しているようだ。

遂にそこまで発展してしまったか。


「準備ガ出来タラ教エテ下サイ。10秒後ニ放タレマス。防御魔法ヲ展開シテ下サイ。」


ロボットがそういうのを聞いてから俺は左を向いてステリアを見て言った。


「俺、防御魔法使えないんだけど。」

「マジか。」


呆れていた。



「っしゃあ!どんどん来いや!」

「わーい、試験だ試験だー。」


防御魔法を軽く教えてもらい、1分くらいで出来るようになった。


魔力の大きさで防御率が変わるらしいがそんなに使わなくても1回で神級魔法を1秒で1回放たれても一日余裕で耐えられると言っていた。

それが本当かどうかなんて分からないが本当ならばなんでそんな状況になってしまったのか気になるところだ。

だって計算するならば1秒で1回、1日中だから1分は60秒、1時間は60分、1日は24時間。全てかけると86,400。


神級魔法は普通の人間なら一発で即死。

つまりそういうことである。


ステリアは冗談が好きなのかもしれない。

そして俺は暗算得意なのかもしれない。


「ソレデハ10秒後ニ放チマス。準備ヲシテ下さい。」


そう言われて先程学んだばかりの防御魔法を展開する。念のため回復魔法の展開もできるようにしておいた。


「9、8、7、6、5、4、3、2、1、」


0。


機械音が聞こえる。

勢いの良い白の光がこちらにやってきている。何の魔法か分からないがビームとかだろうか。

それに近いものがこちらにやってきている。


左を向くと涼しい顔をしてステリアが立っている。

こっちを向いて手をひらひらとするぐらいには余裕があるようだ。


まぁ、俺もそんなに強いものが放たれているとは思えないのだが。

強くない、ねこだましのような魔法だ。

威力はすぐに破壊され、自分の防御魔法に当てられた瞬間無かったかのように消えてしまったぐらいなのだから。


「ね、大丈夫でしょ?」


ウィンクしながらそんなことを言っている。


「そーだね。」


まだまだ試験は終わっていないのである。



結局、あの後はひたすら目の前で弾かれる魔法を見ているしかやることが無かった。


途中で暇になってしまい、二人でジャンケンをした。何故かあいこばかりが続いて笑った。


技を放ち続けるロボットを無視しながら遊んでいたらいつの間にか防御の試験は終わっていた。


最後まで張り合いのない攻撃だったなぁと遊びながら横目で見ていたロボットを見る。


「ソレデハ、次ノ試験ヲ始メマス。」


そんなことも気にしないかのように次の試験の説明をしている。

向こうと同じでこちらにも心はないのだろう。まだまだ心を作るには技術と知識が足りなすぎるのだ。


「次ノ試験ハ体力ノ試験デス。ソチラニ用意サレタモノヲオ使イ下サイ。」


これは、走る機械だ。名前忘れた。

家の中でも走れるやつだ。見たことあるけど使ったことは無い。

俺の家にはそんな豪華なものはおけない。


そんなことを思いながらさっきまで立っていたところに出てきた機械を見る。

ステリアも興味深々のようだ。


「こ、これ、走れるやつだよね。今から走るの?絶対楽しいやつやん。早くやろ。早くやろ!」

「ちょ、分かったから俺を機械の上に乗せるな!お前も乗らなきゃ始まらねぇっつーの!」


キラッキラと照り輝く眩しい笑顔を見せるステリアに思わず目を瞑る。

いや、実際には眩しい訳では無いのだがあまりにもこう、なんて言うか、うん。


はっきり言おう。尊いわ。

こいつヒロインだわ。俺の中で決定した。


さて、そんな茶番は置いておこう。


「サァ、走リマショウ。」

「やっぱり、そうなるよねぇえ!」


合図(?)をロボットが言った瞬間に動き出す。

そうそうこれこれ、床が動いて走るやつ。うん、そんなに早くないな、良かった。


ぽってぽってという擬音語を出すくらいにのんびりと走る。どれくらい走るのかは分からないが、あれかシャトルラン的なシステムなのかな。

地味にスピードが上がっているような気もするし。


ステリアの方を見るとスピードを合わせながら、時折触ったりして機械の観察をしている。

こちらの視線に気付いたのか手を振ってくる。余裕のある笑顔である。


しばらくは無言で走っていたのだが、だんだん暇になってきたのでまたジャンケンを始めたり、にらめっこしたりと試験なのに何やってんだ俺らと後で反省するくらいにはしゃいだ。

楽しかったのは言うまでもない。



「うへぇ、楽しかったぁ……。俺さ、流石にあっち向いてホイでジャンケンから引き分けだとは思ってもなかったわ。」

「そうそう、10回ぐらい連続であいこは普通に笑った。走ってるだけって意外と暇だね。」

「それな。」


息切れ一つしないくらいののんびりとした試験だったのだが、こんなので実力が測れるのだろうか。


機械が床下に仕舞われていくのを見ながらそんなことを考えていたのであった。

やっと書けたぁあ!予定よりも早くかけたので投稿しました。


本当にみんなでステちゃとヴィオラちゃん推していきましょ。どっちも男だけど本当にいい子だよ……好き。

二人共私の作るオリキャラの中ではまとも組だからほんと良きよ……ね。


あ、ちなみにこの小説自体はBLじゃないので安心して下さい。

今後もBL方面の恋愛フラグは立ちません。完成してからセルフ二次創作します。


フラグを建てまくる、俺ェ。


次の投稿日曜に出来ればいいなぐらいになると思いマッスル。


ー作者の日記ー


ステリアのおばあちゃんについてなんですが、血は繋がっていません。

五歳に捨てられて拾われた捨て子です。

本人自体そんなに気にしていません。その話題出しても「そんなことあったね」ぐらいで終わります。


あと、ヴィオラがステリアが長文を早口で喋って引いてる部分がありますが、ヴィオラも気分が上がるとあんな感じに喋ります。

その回はまた後ほど。

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