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最弱はバラバラな世界を一つにする  作者: アリア(紫骨 骸)
11/17

【11:楽死たらゲームオーバー】

「ーー!目が覚めたの、ヴィオラさん!」

「……どうしたんですか?」

「あなた覚えてないの?粘着物質の死骸の真ん中で寝ていたのよ。魔物に襲われていなくて良かった!」


粘着物質……?そういえば、15くらいいたそいつらから逃げようと必死こいていたような気がする。

結局近くに誰かがいて倒してくれたってことか。良かった。ちゃんと逃げられたんだな。


でも、死骸の傍で寝ていたなんて運んでくれなかったんだろうか。

烏滸おこがましいが、助けてくれたのであればついでに宿に止めてくれたりとかしてくれてもいいのにな。

多分、ジャージ汚れちゃっただろうな。結構お気に入りだったんだけどきっと靴も汚れているだろうし、この世界で綺麗になるかどうかも怪しい。


「ローレン、きっと俺は粘着物質との死闘の中で倒れていたのだよ!」


ローレンからの冷たい目線が痛いです。

だってもしかしてそうかもしれないじゃん。俺が倒せるとは到底思ってもいないけどそのほうが楽しいよね!夢があるっていうか、夢があるよねめちゃくちゃ、うん。


「粘着物質との死闘だなんてふざけないでよ。新米でも倒せるような魔物よ。死ぬほどじゃないわ。」


……いやいやいやいや、本当にそうなわけなくない?

だって星狼といた時にそう思って粘着物質の攻撃当たったらめっちゃ痛かったからね!語彙力が消滅するくらいには痛かったからね!割と本気で!冗談じゃなくて。


もしかして強い魔物といると強くなる性質とかあるのかな?だったら向こうの魔物が強かったのも理解できるし、粘着物質、ほぼ殺しに来てたし。

こっちが攻撃してないのに向こうは攻撃してくるとかどんなやつだよ……。


魔王ローサは自分が戦うことを嫌う非戦闘員のはずだがその分部下が攻撃的なのにそれって非戦闘員と言えるのだろうか。

充分戦闘員なきがするのだが。


「冗談だから。本当に何でそこにいたのか分かってないから。だからこっちを殴ってこようとするのやめて。こっち怪我人。」

「本気で殴ろうとなんてしてないわ。ちょっと、ええ、ほんのちょっとだけ殴ろうとしただけよ。」

「それでもダメかな。」


異世界転生王道パターンでいくならまずこれはちょっとという名のだいぶボコされるか、だいぶボコされるかの二択だ。


「で、今日は何すんの?学校?」

「よく分かったわね。学校よ!もう既に試験を受けられる準備はしておいたわ。連絡したのがギリギリでもうちょっとで来年になるところだったわ。明日の昼刻に学校に行くわよ。」

「し、試験……?」

「?そうよ。」


もしかして俺、不味った?

テストとかこの世界の常識一個も知らないんですけど。嘘でしょ。分かるはずがないというか分かってたまるかって感じなんですけど……。


「それって筆記と実技とどっち?」

「どっちもよ。」


つぁあ!これかんっぜんに選ぶ方間違えたパターンじゃね?やっぱり図書館とかで勉強してきた方が良かったんだよ!本当にミスった。何やってんだ俺!

筆記とかもうそもそも無理なのは分かっているし、実技とか俺ほとんど殺す技しか持ってないんですけどー!無理だな死んだわこれ。


「この世界の常識教えてください。」

「あ、もしかして分からないの。不味ったね。」

「不味ったってなんだよ……。」


自分もその言葉使ったけどね。

美少女が言うとなんかあれだなうん。


こんなに広いお屋敷があるんなら書庫の一つや二つ、もしくはもっといっぱいあるんじゃないのー?


「書庫ならあるわよ!ほらほら、こっちこっち!」


いや、本当にあるんかい!


手を引っ張られてどこかに連れていかれる。書庫という名の別物じゃないことを願おう。なんて言ったって異世界ですからなんでもあり得ます。



「ここが書庫よ!」

「ちゃんと書庫だー、良かった。」

「持ち出したりは出来ないから気をつけてね。」

「分かった。」


連れてこられたところは同じような扉が並ぶところの一つの部屋だった。

ミーゴは間違えてローレンの部屋を開けてしまったが、さすがローレン。間違えることなくその場まで連れていってくれた。

やはり、長く住んでいると違うものがあるのだろうか。


じゃあ、私はこれで!と言ってローレンが出ていき、扉が勝手に閉まり、バタンッと爽快な音が出るのを聞きながら、どこにあるかわからない本を漁っていく。


「んー、とりあえずはこの世界の常識らへんからかな?王道パターンでいくなら属性と属性の相性とか威力、魔法に関してとか色々あるけど……。」


そんなことを思いながらぐるぐると書庫をまわる。


扉を入って手前に本棚が10ほど置いてあり、奥にも同じように整列して並んでいる。

一つ一つの本棚は6段ほど。大きめの本があるところは4段構成になっているようだ。


本棚の個々にどんなものが置いてあるかのシールが貼っており、試しに絵本と書いてあるところを見るとこの世界の童話であろうものがあったので、引っ張ってみる。

適当にパラパラするとどうやら日本語のようで平仮名だ。


(あれ?今思ったけど会話通じてる時点で疑問だったんだけど、公用語って日本語なの?文字も日本語で……覚える必要あるかと心配になったんだけどほとんど向こうと変わりはないのか。だったら心配しなくていいな。)


文字的に、まだコンピュータなどがない時代だろうか。魔法がある時点で印刷に関しては簡単かもしれないが、これだけの本を集められる時点でかなり大金持ちな気がする。

どの世界でも本というのは高価なものだ。


絵本の欄を見ている中でふと気になるものがあった。


「【すべてのものがたりのはじまり】?」


手に取って、題名を読んでみる。

表紙や裏表紙は青っぽく、紫の装飾が施されている。まさに歴史物と言うべき古そうな本。ページもかなりボロボロになっている。

ページをパラパラとめくっていくとたくさんの物語の小話が入っているようだ。それも異常な数で、その物語が終わらないということを示しているのか、途中からページに何も書かれていなかった。それどころか文字が途中だったりしてなんとも不思議な本だった。


(今はそれどころじゃないし、勉強するための本を探すか。)


ぐるぐると回っていると、世界の常識という本があったのでとりあえず参考にすることにした。

簡素な椅子と机があったのでそこに座って読む。



【ここは『創造ゴアリアット王国』という王国らしい。】


ここまで王国にいといて王国名知らないとか本当にアホなヤツだなと思うけど自分の国を言おうとするやつなんかいないし知らなくて当然なのか?

そしてこの王国名を見た時に一瞬ゴリラに見えて大笑いしたのは誰にも言わないことにする。

名前の由来については一切書かれていない。多分、当然の知識として学校で勉強するだと思う。


【この世界には属性なるものが存在する。

『火』『水』『土』『風』『無』『光』『闇』

火水土風の四属性は同時に存在することが可能なため、四属性を操る者もいる。

光闇は同時に存在することが出来ず、両方を扱える者はいない。

無はほとんどの人が持っている物理攻撃の力。

普通の人は無以外の一属性のみを操る。無理に何属性もを操ろうとすると身体が持たなくなり、最悪の場合は死に至ることも。

属性の弱点などはほとんど無く、力が強い方に左右される傾向がある。

属性は使える魔法の属性のことで、増やすことも可能だが使い勝手が非常に難しいのでオススメはできない。】


なるほど、ということはどういうことだ?

魔法って言うのはスキルと同等ってことでいいのか?

つまり俺は何属性なんだ?火に関しては【炎火フィメーヴェ】という名の火炎放射があるし、毒などが何属性に入るかは知ったこっちゃないが、殆どが物理攻撃+毒だ。殺しにかかっていると言えるだろう。

どちらかと言うとやはり炎属性か、無属性に入るのか?


【世の中には魔法とスキルが存在する。

魔法とスキルは全く違うもので、魔法とは訓練することで取得できるもので、スキルというのは訓練しても手に入れることは出来ず生まれながらに持っている能力または、後天的に現れた能力のことを指す。

魔法では人によってやはり強さが左右されるが、さらにスキルを使うことでその魔法を高めることが出来る。】


どうやら魔法とスキルは違うらしい。

さっきのを見る前にこっちを見ればよかったんじゃないかという俺の中で納得いかない出来事が出てきたのですが、どうしたらいいんだろうか。

そもそも魔法とか簡単に覚えられるものじゃないような気がするんですが。

と言うか絶対簡単に覚えられるものじゃない気がする。


【魔法について。

魔法は呪文を唱えることで発動することが出来る。想像力が豊かな者の場合は無詠唱でも可能なのだが、なかなかいない。

一つ一つの魔法に名前は無く、個人個人で好きな名前をつけて発動したり、本で見た名前を使って発動したりと基本的に自由である。

その為、魔法に関しては表記が不可能。本に書いてあるのが本物ではない時も数多くある。

魔法の名前と召喚する時の呪文を一緒にすると名前を言っただけで発動してしまうため、厳禁である。

また、魔力を使って行うものなのでやりすぎると倒れてしまうので要注意。】


魔法は比較的自由らしい。まだ練習する時間はあるし後で試しにローレンに見てもらうのも一つかもしれない。せめて無だけでなく他の属性もあったらいいのだが。


【スキルについて。

一人ひとつしか持つことの出来ないものである。

主に自分の得意な属性を保護したり、自分を守る盾になったりとその人の性格などで様々なものになる。

基本的に一度変わったら変わることは無い。

また持っていない人もいれば複数持っている特殊もいるのでそこら辺は人それぞれである。

スキルを発動する時も同様に呪文を発することが必要であるが、魔力を消費しないため色々な場面で多数使われる。】


どうやらスキルというのは人それぞれらしい。

持っていない人は人と呼んでいるのに複数持っている人を特殊と呼ぶには何か理由があるのだろうか。

だが、やはり普通は一つのものをいくつも持っている時点で特殊なのは明らかである。


【特殊について

まだ研究中であるためはっきりとはしていないのだが、この世界でたまにスキルを複数持つことが出来るものがいるようだ。

多く戦場を駆け抜けているようなベテランではなく、その辺で野菜を育てているようなのんびりとした者が多い。

また、訓練させたとしてもレベルが1から一切上がらないという情報もある為、いい事なのか悪いことなのかは分からない。

特殊であることは明らかな為、わかった瞬間に研究所に送られるのが運命である。

複数持つものは隠れて過ごすのが妥当だろう。】


即研究室送りとか最悪としか言いようがない展開だな。

スキルが魔法と同じようなものだと思っていたばかりに楽に見ていたがどうやら間違いだったようだ。


これぞ楽したらゲームオーバー的な感じ。


学校でも隠していかないといけないってことか。スキル持っていないものとして過ごす可能性を考えるか、持っているスキルのどれかを自分のスキルとして言うかのどれかだな。

妥当なのは料理か?笑われそうな予感しかしないが、作るのは好きだし一番良いような気がする。


【試験について

学園に入るための試験については例年ほとんど変わることは無い。

スキルは試験番号、名前と共に持っているのであれば公言する必要がある。

測定の仕方は二人一組で一つの部屋に入って行う。もちろん一緒の部屋に入った者により左右されることはない。

学園で指定された各属性の魔法を使用してもらい、その全力を前においてある魔力カウンターで測り、その測定によりSからEのランクで分けられるそうだ。

あくまでも測定するのは属性だけなので剣などの実力は『その他で言いたいことややりたいことがある者はいるか。』と言われた時に発揮するのが良いとされる。

試験監督は無表情で見ているので表情を見て強弱を判断するのはやめておいた方がいい。たまに、驚いた表情をしておきながらEという最悪な者もいるぐらいだ。騙されないようにしよう。

学園に入らずとも冒険者になることは可能だが、未熟な者は学園に入ることをおすすめされる。

また、弱すぎた場合落とされるので面倒だからといって全力を出さないと不合格になりEにすら入れない可能性がある。】


どうやら試験というのは案外実力のみを図るものらしい。

心配な予感しかしないが、仕方が無いだろう。

試験監督は当てにならないというのも分かったし、部屋が一緒になった人を当てにするのはもっといけないというのも分かった。

とりあえず魔法が使えるようにならなければダメなのだろう。

面倒なことだ。


他は読んでいくのが疲れたので止めることにした。

ちょうど昼刻になりそうだ。何も食べてないし、何かを食べてから魔法を教えてもらうか。


そう思って本を元の位置に戻しに行き、食堂へと駆け込んでいくのであった。

堕落的に生きないで!もっと!熱くなれよ!


え?主人公ですか?もちろん記憶なくなってますよ。自覚ありのチートは残念ながら私の好みではなかったので抹消させてもらいましたとも。

物語の都合もあるけど主に作者の都合です。


11話目にして自分のいた国を知るとかすごくごちゃごちゃしてますねあは


次回も明日投稿できるよ!やったね!


ー作者の日記ー


今回は、世界の常識編でしたね。少しおさらいしておきましょうか。

ついでに加えられなかった情報も足しておきますね。


主人公の転生した国は「創造ゴアリアット王国」という典型的な神を信仰する国です。

この国では「創造主」が神を作り、国を作り、人を作ったと言われ崇め奉られている。

ちなみに王国のゴアリアットという語源は初代の女王陛下の名前から来ている。


火水土風無光闇から出来ているこの世界では、この属性が均等に保たれている。


複数スキル持ちの「特殊」は研究対象になるため、隠れて過ごさなくてはならない。


と、こんな感じでしょうか。

少しでも世界観が伝わってくれればと思います。

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