↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
3/4

3.白竜との出会い

3話ではサンバを踊ります。


あ、嘘です。ヒロインが登場します。

サンバ、じゃなくて3話も楽しんでいってください。

食堂を出ると、夕暮れの光が村を柔らかく照らしていた。

腹も満たされたし、少し散歩でもしてみるかと思い、

村の外れへと足を向けた。


「……いい風だな」


森から吹く風は涼しく、

会社帰りの排気ガス混じりの風とはまるで違う。


そんなとき──


「……むぅ……腹が……減ったのじゃ……」


小さな声が聞こえた。


子供の声……?

いや、どこか古めかしい響きがある。


声のする方へ近づくと、

木の根元に、白い髪の少女がぺたんと座り込んでいた。


年の頃は十歳前後に見える。

白い髪はふわりと揺れ、

薄い青の瞳が夕陽を反射している。


「おい、大丈夫か?」


少女はゆっくり顔を上げ、

じぃ……っと俺を見つめた。


「……そなた、妙な匂いがするのう」


「え?」


「人間の匂いなのじゃが……

どこか、神の気配が混じっておる……」


少女はふらりと立ち上がり、

俺の右手──紋章をじっと見つめた。


「その紋章……見たことのない形じゃ。

そなた、何者じゃ?」


「いや、ただの旅人だが……」


少女はふん、と鼻を鳴らす。


「嘘じゃな。

そなた、面白いのう。気に入ったぞ」


「え、気に入られた……?」


少女は胸を張り、

小さな手を腰に当てて言った。


「わらわは白竜ルミエル。

600年生きておる偉大なる竜じゃ!」


「600歳か〜、何かのごっこ遊びなのかな?」


「たわけ!ごっこ遊びなどではあるまい!!

わらわの本来の姿を見せてやる。」


そう言った瞬間──

少女の身体がふわりと光に包まれた。


光は風に溶けるように広がり、

次の瞬間、そこにいたのは──


白銀の鱗をまとった巨大な竜だった。


夕陽を反射して輝く鱗。

青白い瞳は深い湖のようで、

その姿は威厳に満ちている。


「……でっっっか!?」


「どうじゃ?これがわらわの真の姿よ」


声はさっきの少女のまま。

ギャップがひどい。


「いや、声そのままなのなんで!?」


「わらわは竜じゃからな。

姿など気分で変わるわ」


「気分で変わるな!便利だな!!」


竜──ルミエルは満足げに鼻を鳴らすと、

再び光に包まれ、

小さな少女の姿へ戻った。


「ふむ。そなたの反応、なかなか良いのう。

やはり気に入ったぞ」


「いや、気に入ったと言われてもな……」


少女は俺の袖をくいっと引っ張った。


「そなた、腹が減ったのじゃ。

何か食わせよ」


「初対面でそれはどうなんだ……」


「そなたを気に入ったと言ったであろう?

ならば世話をするのが筋じゃ!」


「筋ってなんだよ!?」


少女──白竜ルミエルは、

にこりと笑った。


白竜ルミエルを連れて村へ戻る道すがら、

俺はずっと気になっていたことを聞いた。


「なあ……お前、さっき“ハクリュウ”って言ってたよな?」


「うむ。わらわは白竜ルミエル。

この地を六百年見守っておる守護竜じゃ」


「守護竜……?」


「そなたの村で言うところの“神さま”みたいなものじゃな。まあ、わらわは神ではないが」


軽い。

守護竜のくせに軽い。


「そなたの村の者らも、わらわの姿は知っておるぞ。

半年に一度くらい、魔物を狩って肉を振る舞っておるからの」


「え、そんなことしてるのか?」


「うむ。わらわが降りると村は祭りになるのじゃ。

あやつら、肉が好きだからのう」


なんだその牧歌的な関係は。


遠くから村の見張りの青年がこちらを見つけ──

目を見開いた。


「は、白竜さま……!?

白竜さまが降りてきたぞーーー!!」


青年の叫びが村中に響き渡る。


次の瞬間──


「白竜さまだ!!」

「祭りだーー!!」

「肉を焼けーー!!」

「酒を持ってこーい!!」


村が一瞬でお祭りモードに突入した。


なんだこのスイッチの入り方。


宿屋のおばさんが走ってくる。


「白竜さま!半年ぶりじゃないかい!!

今日は何を狩ってきたんだい!?」


「今日は何も狩っておらぬ。

そなたらの新しい客人を連れてきただけじゃ」


そう言って、ルミエルは俺の袖をつまむ。


「……え、俺?」


「おお、旦那さんかい!

白竜さまが連れてくるなんて珍しいねぇ!」


食堂の熊みたいな大男もやってきた。


「白竜さま!今日は肉はないんですかい!?

いや、客人連れてきたならそれはそれで祭りだ!!

酒持ってこーい!!」


村人たちは大盛り上がりだ。


俺は完全に流れに置いていかれている。



「そなた、わらわの世話をするのじゃろう?

ならば村に住むがよい」


「いや、そんな簡単に決めるなよ!?」


「よいではないか。

そなた、わらわが気に入ったのじゃ。

気に入った者は守る。

それが竜の流儀じゃ」


村人たちがざわつく。


「白竜さまが“気に入った”って言ったぞ……!」

「すげぇ……あの白竜さまが……!」

「旦那さん、選ばれし者じゃないか……!」


いやいやいやいや。

俺はただの社畜だ。


そして村は本当に祭りになった


気づけば焚き火が焚かれ、

肉が焼かれ、

酒が振る舞われ、

村人たちは歌い踊り始めた。


白竜ルミエルはというと──


「そなた、肉をよこせ。

腹が減ったのじゃ」


「お前が主役かよ……」


「当然じゃろう。

わらわは白竜じゃぞ?」


そう言って笑うルミエルは、

どう見てもただの食いしん坊な少女だった。


だが村人たちは本気で彼女を敬っている。

この村にとって白竜は、

本当に“守り神”なのだ。


そして俺は──

なぜかその白竜に気に入られてしまったらしい。


「……どうなるんだ、これから」


胸の奥がざわつく。

でも、不思議と嫌な感じはしなかった。


こうして、

俺と白竜ルミエルの奇妙な日々が本格的に始まった。

のじゃロリは良いです。

僕っ子も大好物なのでそのうち登場します。


おっさんは実はイケオジです。作者の趣味なんでね

CV.諏訪部さんとか想像して下さい。


相変わらず感想などなどお待ちしてます〜


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。