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【書籍化】生産スキルで内政無双~辺境からモノづくりで幸せをお届けします~  作者: スタジオぞうさん


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第138話 使節団を迎え撃とう?


※今回はフローラ殿下とオリヴァーの視点です

 

「王女殿下にご報告申し上げます。ヴァンドル帝国からの親善使節団のメンバーに関する調査結果がまとまりました」

 お父様の許可を得て王国情報部に依頼していた調査の結果が上がってきました。


「調査結果はこのとおりでございます」

 手渡された資料を見ると、帝国の使節団に参加する貴族の娘たちは私やウィリアムさんと同年代の者ばかり。


 そして情報部の調査によれば、容姿に優れていて能力も高いと評判になっている娘たちとのこと。

「ありがとう。短期間でよく調べてくれました」


 どうやら私の思ったとおり、帝国は貴族の娘たちでウィリアムさんを篭絡ろうらくしようとしているようです。


 ウィリアムさんが簡単にひっかかるとは思えませんが、だからと言って見過ごすこともできません。


 信頼できる人たちと対策を練りましょう。

 スカーレットさんとオリヴァー先生と相談することにしました。



「二人とも、よく来てくれました」

 ここは王宮の中庭のガゼボ。


 信頼できるメイドしか近くにいませんし、ここで話すことが外部の者に洩れる心配はありません。

 二人に情報部のまとめてくれた調査結果を説明します。


「こんな才色兼備の子を揃えてくるなんて、帝国は何を考えているのかしら?」

 スカーレットさんは驚きましたが、オリヴァー先生は驚かず、なるほどと頷きました。


「殿下、貴重な情報をありがとうございます。それでは私からも若干の情報をお伝えいたします」

 先生も何か情報を得ているようですね。


「レバント商会の旧知の者に依頼して情報を集めたところ、図抜けた生産スキルを持つウィリアム様を帝国に招いて貴族に叙すべきだという声が帝国貴族の間で上がっているようです」


 まあ、そんなことになっていたのですか。

「我が国と違って帝国は内政を重視していますから、ウィリアム様の価値を理解しているのだと思います」


「オリヴァー先生もそう思われますか」

「はい、才色兼備の娘たちを使節団に揃えたのは、ウィリアム様に帝国の良さをアピールして、さらに帝国に来れば選り取り見取りであると(ほのめ)めかすためでしょう」


「そうなんですか。帝国はそこまでウィルを」

 スカーレットさんも状況を吞み込んだようです。


「ただ、ウィルに対してはあまり有効な手段ではないでしょう」

「そうなのですか?」


「はい。ウィルは綺麗な女の子に囲まれてもあまり喜ばないと思います。西部のパーティーで女の子たちに囲まれたときも、嬉しそうではなくて困っていましたから」


 そう言われてみると、綺麗な女の子に囲まれても困惑するウィリアムさんの姿が容易に想像できますね。


「ウィリアムさんのことを良く知るスカーレットさんがそうおっしゃるならそうなんでしょう」

 私はほっとしました。


 そういえば、最初にお会いしたときに私には目もくれず、お菓子に目を輝かせていたことが思い出されます。

「ええ。ですが帝国は見た目だけではなく頭の良い娘を選んでいるようです」


「ウィルが帝国では内政が重視されていることを知って、興味を持つことはあり得るでしょう」

「なるほど」


「それでも世界樹のこともありますし、ウィルが帝国に行くことはないでしょう。ですが、帝国の子たちがウィルを誘うのをただ見ているのは楽しくありませんね」

「そうですわね。こちらも才色兼備の娘を集めましょう」


「そんなことをなさらなくても、お二人に対抗できる美貌と能力を持つ者などおりませんよ」

 オリヴァー先生は苦笑しました。ですが、


「オリヴァー先生にそう言われても説得力がありませんわ」

「殿下のおっしゃるとおりよ。女装したときの貴方は反則だわ」

「いやいや、私は所詮道化ですから」


 オリヴァー先生のことはさておき、私は王都の貴族や大商人の娘で容姿が良くて頭も良い子たちに声をかけることにしました。


――――――――――――――――――――――――――――――――


 王城の中庭で王女殿下とスカーレットさんと話をした後、僕は王都にあるレバント商会の本店を訪ねた。

 ヨアヒムから最新の情報を聞くためだ。


「お待たせしました、坊ちゃん」

 言葉とは裏腹に、すぐにヨアヒムは出てきてくれた。


「坊ちゃんと呼ぶのは止めてくれと言っているだろう。それで帝国の諜報部の動きはどんな感じだい?」


「そうですなあ。王都に何人かはいるようです。ただし最近は王国の情報部がマークしていますから、動きにくくなっているようですな」

「王国の情報部も動きだしたか」


「ええ。王国は帝国からの入国者のチェックを厳しくしているようです」

「なるほど。じゃあ荒事の心配はあまりしなくて良さそうかな」


 僕は一安心したが、別の心配はある。

「先ほど王城で小耳に挟んだんだけど、帝国は使節団には才色兼備の娘たちを揃えているようだ」


「なるほど、帝国はウィリアム様が望んで帝国に来るように仕向けたいのでしょうな」

「ヨアヒムもそう思うかい」


 さて、帝国の使節団の少女たちはどんな顔触れなのかな。

 ちょっと事前に見ておこうか。


 僕は変装して王国の北に向かった。

 以前は美しくなるために追求していた化粧を最近は変装のために使っているんだ。


 今回は農家のおばさんに変装した。

 自分でもそれなりの出来だと思っている。


 帝国からの使節団が泊まるという情報を得た宿の近くで、買い物をするふりをしながら待っていると、使節団の馬車がやってきた。


 馬車から下りてきた少女たちは、なるほど美しくて知性も感じられる。才色兼備という情報は確かなようだ。


 だがフローラ殿下やスカーレットさんの敵ではないな。

 あの二人は別格といっていい。それに今回は僕も出る。


 王国を見下している帝国に、王国の少女たちの実力を見せつけるとしよう。



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