木曜日・想い 11
「……ふーん。」
昌獅からメールを受け取った智里は目を眇める。
「智里お姉ちゃん?」
リビングでのんびりしていた美波が不思議そうな顔をして姉を見る。
「あの駄犬からメールが来たのよ。」
「駄犬って、リョウくん?」
「そっちの駄犬じゃないわ。」
「ヘタレの方よ。」
ぐぐぐ、と眉を寄せる美波に智里は呆れたように、忌々しそうにその名前を出す。
「日部昌獅よ。」
「ああ。」
納得する美波に、もし、友梨がいたら慌てているだろうし、勇真がいれば苦笑してやんわりと否定しているだろう。
そして、駄犬と呼ばれている二人はきっと揃って眉を寄せ、嫌な顔をしているだろうが、残念ながらこの場にいるのは智里と美波しかいなかった。
「美波。」
「なーに?」
「あの携帯の後ろのカバーを外して中を確認して。」
「何で?」
「いいから。」
急かす智里に美波は首を傾げながら、言われた通り中を確認すればやはり、中からカードが出てくる。
「智里お姉ちゃん。」
「何?」
「カードが出たよ。」
「そう。」
美波は智里にカードを差し出し、智里はそれを受け取る。
「ふーん。」
カードを見た智里はつまらなさそうに、それを見る。
「残りの物はどうやって手に入れるのかしらね。」
智里はカードを美波に返し、そして、何事もなかったのかのように、携帯を弄り出すのだった。




