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ダークネス・ゲーム  作者: 弥生 桜香
第六章

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木曜日・想い 8

 俺には姉が居た。


 姉はあいつ、勇真と同い年だった。


 でも、亡くなった。


 殺されたんだ。


 んな、顔すんなよ。


 ………そうだな、なんつーか、姉はさ、姉らしい死に方をしたと思う。


 あれは夏の暑い日だったな。


 姉はあいつと待ち合わせをしていたんだ。


 いつものように家を出ていく姉を俺はいつも通り適当に返事を返して見送った。


 俺は姉が出て行って何分か経ってから俺はノートと消しゴムが切れかけている事を思い出したんだ。


 今姉を追いかければ間に合うかもしれないけど、まあ、気まぐれで、自分で買いに行こうと思った。


 んで、俺は出ていった。


 俺は買い物をする為に近くにショッピングモールに行った、その時、俺は姉と居るはずのあいつを見かけた。


 しらねぇ、女と一緒にいてさ、俺はあいつが浮気したんだと思ったんだよ。


 ……ああ、後から分かったんだが、その時一緒にいた女つーのはあつの部活の先輩らしくって、部活の買い物に付き合わされたんだと、そんでもって姉も知っていたらしい。


 でも、そん時の俺はそんな事情なんて知らなかったんだ。


 俺は文具店に行こうと思って近くの本屋の前を通り過ぎようとしたんだ。でも、異様な人だかりに俺は足を止めた。


 ああ、お前も知っているか。


 そりゃそうだな、地元が一緒だからな。


 ……そうだ、あの事件だよ。


 俺が足を止める数分前だった。


 無差別に人を傷つけようとした犯人がいた。


 一般人の女性の首にナイフを突きつけ、喚き、そんでもって、その人質の女性を助けようと姉が名乗り出た。


 姉はさ武術の心得があったんだ。


 だけど、その力を過信していた。


 ………姉は人質の女性から犯人の手が離れた瞬間に男の持っていたナイフを弾き飛ばしてそんで、蹴りを一撃食らわせた。


 姉は安心してしまったんだ。


 スポーツなら武器を手放して、終了だろう。


 だけど、あれはゲームじゃなかった、リアルだった。


 なのに、姉は安心してしまったんだよ無意識に、そんで、姉は周りの状況を確認しようと隙を作った。


 犯人はその一瞬の隙を見逃さなかったんだ。


 犯人は姉が弾き飛ばしたナイフとは別のナイフを所持していた。


 それを持って、姉を切り付けた。


 姉は一瞬怯んだけど、それほど焦っていなかったんだ、その時はーー。


 ……ん、大丈夫だ……心配すんな俺から話し出した事なんだ。


 姉は切り付けられた、でも、それは決して致命傷じゃなかったんだ。


 むしろ、姉はその一撃でハッとなり、気を引き締めたと聞いた。


 でも、運が彼女を見離していたんだ。


 野次の中で小さな子供がいて、その子どもがパニックを起こして喚いた瞬間、男の標的が姉からその子どもに変わったんだ。


 姉はそれに気づいて、身を挺して子どもを守ったんだ。


 ……。


 運が悪かったんだ、刺された臓器が悪かった。


 俺はその刺された瞬間に人ごみに気づいて、そんで、とどめを刺そうとする男を見て逆上して…殴ったらしい。


 そん時の記憶はぶっ飛んでいる。


 気づいたら、姉の手を握って叫んでいた。


 姉は…笑ってたよ。


 そんでもって、約束を守れなったから、あいつに謝ってくれって。


 あいつはよその女と一緒にいたのに、姉は…あいつとの約束を気にしていたんだ。


 姉は静かに目を閉じたよ。


 そんでもって、もう二度と目が開く事がなかった。

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