水曜日・過去 43
「友達って男なのか?」
若干目が座っている昌獅に友梨は唖然とするが、すぐに首をゆるゆると振る。
「そんな訳ないじゃない。」
「そうなのか?」
「ええ。」
「そうよね、お姉ちゃんって男が苦手だもんね。」
「智里っ!」
余計な事を言う智里に友梨は彼女を睨む。
しかし、智里はそんな友梨の視線を何とも思っていないのか涼しい顔をして流している。
「どういう事だ?」
「そんな……そんな事よりもさっさと終わらせましょう。」
友梨は一瞬昌獅の目を見て怯むが、何とか目を逸らしてそう言った。
「友梨。」
「今は関係ない話よ。」
「……。」
黙り込む昌獅に友梨は何か嫌なものを感じるが、それが何なのか彼女は分からないでいた。
「あーあ。」
「何よ、智里。」
「お姉ちゃん、さっさと答えればよかったのにね。」
「何がよ。」
「……まぁ、わたしに泣きつかなければ何でもいいんだけどね。」
「だから何なのよっ!」
「さあね。」
はぐらかす智里に友梨は切れそうになるが、それでも、他の人の目があるからかぐっと彼女は堪えた。
「まあ、いいわ。」
「ふーん。」
「家に勝ったら首を洗ってなさいよ。」
「その頃にはお姉ちゃんは忘れていると思うわよ。」
「そんな事はない。」
「あるわよ。」
「……。」
はっきりと言われ、友梨は僅かにそんな事あるのかな、なんて気弱な事を考えてしまう。
「お姉ちゃん。」
「何よ。」
「さっさと答え書いて。」
「えっ、ちょっと待って、さっき智里書きに行ったんじゃ…。」
「あら、折角助け舟を出してあげたというのに、何か文句でも?」
段々目が座り出す智里に友梨はびくりと肩を震わせる。
「さっさと、わたしは帰りたいのくだらない話は明日にでもして。」
「分かったわよ。」
友梨はそういうと一つの漢字を書いた。
「瑠」という字を。
そして、正解だったのかそれは解除される。
「どういう意味だ?」
「十二月の誕生石で有名なのはターコイズともう一つあって、ターコイズの方は別名トルコ石結構有名な石だよね、聞き覚えないかな?」
「知らない。」
「そっか、で、私ががいたのは瑠璃色の「瑠」、瑠璃はラピスラズリという宝石の和名なの。」
「……。」
「夜空の色に星が散りばめられているような石で結構好きだな。」
「そうか。」
「それにしても、私が分かる問題で良かったよ。」
友梨はホッとして淡く微笑む。
「もし分からない問題じゃ、皆の足を引っ張るもんね。」
「……。」
昌獅は友梨をじっと見つめ溜息を零す。
「どうしたの?」
「お前は本当に自己評価が低いな。」
「そんな事ないわよ。」
友梨の否定の言葉に昌獅は溜息を零す。
「どうだろうな。」
「何よそれ。」
「お姉ちゃん、いい加減帰るわよ。」
「ちょっと、待って、そう言えば、中身は。」
「カードよ。」
「何の?」
智里は面倒臭そうに友梨にカードを見せる。
「吊るされた男。」
「でしょうね。」
見ただけで分かるカードに友梨はどういう事だと智里を見るが、彼女も分からないのか肩を竦めるだけだった。
「取り敢えず今日の所は引き上げましょう。」
「そうね。」
「ふう、疲れたわ。」
こうして、長い一日が終わった。
しかし、まだ、ゲームが完全に終わったわけではない。
友梨たちは次のゲームまでつかの間の休息をとる事になる。




