水曜日・過去 7
「なっ!」
友梨は思わず叫び、携帯を見れば一通のメールが入っている。
件名:第二ゲームスタート
全員が揃ったようなのでゲームを説明しよう
今回のゲームは簡単だ、このビルの最上階にたどり着いて、そして、鍵を手に入れる事が出来ればゲーム終了
まあ、簡単だから時間は今から三時間以内に到着する事
順を追えばすぐに終わるから大丈夫だ
それではゲームスタート
「ゲーム内容は鍵を手に入れるってわけね。」
「そうみたいだね。」
智里の言葉に友梨は呆然としながら返事をする。
「どうしようか。」
「どうするも、こうするもないだろう、進むしかないんだから、取り敢えず、どの扉を開けるかだよ。」
「うーん、この「順を追えば」って何だろう?」
「番号が扉に書かれているから一から順に行くとか?」
「……そう簡単なのかな?」
友梨の疑問に涼太が答え、そして、友梨はその返答に首を傾げる。
「まあ、それが妥当だと思うわ。」
「それじゃ、皆で、数字を追う?」
勇真の言葉に友梨は頷こうとするが、それを遮るものがあった。
「いや、俺とこいつは非常階段を使う。」
「えっ?」
昌獅の言葉に友梨はギョッとする。
「日部くん、何を考えているの?」
「こいつのメール内容が本当に真実を語っているのか分からない。」
「まあ、確かに。」
「でもって、もし、「すぐ終わる」がゲームオーバーを意味していれば。」
「全滅って事ね。」
「うーん……、でも、もし、これが本当の事を書いていれば昌獅たちの方がしんどいと思うけど?」
「それを含めて俺は言っているんだ。」
どこか苛立っている昌獅に友梨は首を傾げる。
「………分かった、一つ言っておくけど。」
「何だ、説教か?」
苛立ちを隠さない昌獅は勇真を睨む。
「お前の所には友梨ちゃんがいる、一人で突っ走るな。」
「……分かっている。」
勇真に背を向け歩き出す昌獅に友梨はぼんやりとそれを見ていたが、すぐにハッとなり昌獅の後を追う。
「待って。」
「お前を待っていたら日が暮れる。」
勇真はどこか仲がいい二人を見送り、残っているメンバーを見る。
「何もない事を祈りたいが、もし、こっちの方が罠ならばーー。」
「何を言っても無駄だと思うわ。」
勇真の言葉を智里が遮り、自分より高い目を挑むようにして見る。
「どうせ、勝つか負けるか、生きるか死ぬか、そして、この道を選んだのは貴方一人じゃなく、わたしも含めた自分自身。」
「智里ちゃん。」
「後悔なんて後からするもの、今何も起こっていないのにあれこれ言っていても時間の無駄だし、下手に気を張り詰めていたら失敗の元よ。」
「……。」
「さあ、行くわよ。」
智里は颯爽と①と書かれた扉を開ける。




