火曜日・顔合わせ 4
昌獅は授業を受けながら、ぼんやりと昨日知り合った少女を思い浮かべる。
一度も染めた事のない、短い焦げ茶色の濃い髪。
どこか危うげに揺れる瞳。
強気だと思ったら、急に弱気になる性格。
どれも、ちぐはぐでありながら、それでも、彼女の中ではそれは成り立っていた。
それはかなり危うい均衡。
もっと知りたい。
でも、踏み込みすぐれば彼女は閉ざす。
きっと好き嫌いが激しい。
それは昌獅自身も同じだ。
ただし、昌獅の場合は興味がある、ない、それに加え、気に喰わないが含まれる。
一方、友梨の場合は、どんな人間でも一歩線を引いてから、直感で好き嫌いを分ける。
初めに嫌い、苦手だと感じれば無意識に避けている。
それは今朝の彼女の何気ない行動を見て何となく理解した。
そして、好意を持ったとしても、彼女は警戒を常に持っている、もし、何かの拍子にある一線を越えれば彼女は苦手意識を持ち、離れて行く。
幸いにも、昌獅や勇真は苦手の分類には入る事はなかったが、それでも、いつその輪区域から出てしまうかは彼女自身理解していない。
「厄介だな。」
初めてだった。
一人の人にここまで興味を持つのは。
そして、嫌われてたくはないと思ったのは。
「高田…友梨。」
名前を呼んだ瞬間に、彼女の強がった顔が思い浮かび、昌獅はその顔をさせたくないな、と思った。




