月曜日・第一ゲームの行方 9
「――っ!」
友梨がきつく目を瞑っていたが、いつまで経っても、衝撃はこなかった。
それどころか、鈍い音がして、呻く音と、安堵の溜息が彼女の耳に届く。
「この馬鹿。」
頭に軽い衝撃と優しい声に友梨は目を開ける。
額から汗を流した精悍な顔立ちの昌獅がそこにいた。
自分は助かったのだと、友梨は張りつめたものが切れたかのように涙を一粒零す。
「――っ!」
ギョッとした顔をする昌獅に友梨は慌てて涙を拭うが、涙は簡単には止まってくれなかった。
「……まだ、終わってない。」
ポンと友梨の頭を叩き、彼は無防備となった彼女を守る為に戦闘態勢に入る。
友梨は唇を噛み、そして、深呼吸をする。
怖い。
恐い。
こわい。
コワイ。
心はまだ怖かった。
でも、ここで止まった所で、何も解決何てしない。
だから、友梨は自分を守ってくれた背中を見つめる。
自分とは違って鍛えられた背中。
逞しく、強い。
でも……。
友梨は彼の背中を見て励まされる。
「まだ、終わっていない。」
先ほどの彼の言葉を呟き、友梨は未だに震えている足を動かす。
今ここで襲われたら一溜まりもないが、彼女は一人ではなかった。
彼女を、友梨を守ってくれる人はいる。
だから、その信頼にこたえる為にも友梨は前に進むのだった。




