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獣たちの王ザングウェン  作者: ヨシ


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5.ケモノたち

「コロス……コロス……ザングウェン……」


 鋭い牙を覗かせた獣がこちらを睨んでいる。


「コロス!」


 獣が飛び掛かってきた。


 遅い。


 次の瞬間、獣が真っ二つに裂けた。


 黒爪が獣の血で濡れる。


「ザングウェン!」


 獣の死体を飛び越えて、別の獣が現れた。


 またか。


 獣が飛び掛かってくる。それに合わせて黒爪を振るう。


 獣の首が飛ぶ。


 不快だった。


 闘争と血を求めて、狂ったように戦う獣の存在が。


 なによりも、己がその獣たちと同じ存在であることが。


「クラワセロ……」「チヲミセロ……」「ザングウェン……」


 後ろを振り返れば、無数の瞳がこちらを見ていた。


 その瞳には理性の光は少しも存在しない。そこにあるのは、殺意と狂気に彩られた醜悪な意志。


 くだらない。


 お前たちは、本当にくだらない存在だ。


 そうして、今日も黒爪を振るい続けた。


 同族を今日も殺し続けた。

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