第59話 管理表で管理すべし
リーガルの説得に成功し、設計フェーズの承認が下りた。
兵器を含む、ゾーム対策の仕組みを本格的に作り始める。
プロジェクトとは往々にして、いろいろな問題が発生する。
設計フェーズに入ると、物事が具体化してくるので問題が増える。
既に、多くの問題が見え、ヒロは対応に日々忙しくしていた。
次の満月まで2か月弱。
その短期間で、ゾームを倒す仕組みを構築し、実際にゾーム討伐で試験的に使う必要がある。
スケジュールはとてもタイトだ。
そのため、プロジェクトメンバーで毎日15分の定例会議をしている。
「では、定例を始めましょうか。
いつも通り管理表にそって話をしましょう」
そんな感じで会議をはじめ、進捗管理表・課題管理表・リスク管理表を確認する。
それぞれの管理表は、プロジェクトがうまく進んでいるか?問題はあるか?ということを日々チェックするものだ。
進捗管理は、フェーズの開始時にタスク化したタスクが、予定通りに実行されているかを確認することだ。
兵器の設計においては、魔道具の選定、魔力の動力配線の設計など、こまかなタスクがある。
それら一つ一つのタスクについて、いつまでに誰が実施するかを決めておき、進捗管理表に記載する。
元の世界では、WBS(Work Breakdown Structure)なんて呼ばれていた。
定例では、その進捗管理表にあるタスクが、本日時点で遅れているのか、順調なのかを確認する。
課題管理表は、タスクが進捗通り進んでいない場合に、その遅れの要因となっている解決すべきことを記載する表だ。
このプロジェクトの例で言えば、兵器に使うゾームの糸を防ぐシールドの設計が、進捗管理上では遅延している。
原因は、現在検討しているシールドでは重量が予想よりも重く、兵器全体の重量が重くなってしまうという問題。
そのせいで、設計が遅れている。
それを解決するために、シールドの素材変更を検討している。
課題管理表には、課題として『兵器全体の重量を下げるために、シールドの素材変更を行う』と記載している。
そして、シールドのより軽量な素材を、予算内で探すことが次のアクションとしてマーテルにあてがわれている。
進捗が思わしくない場合には、何か問題があり、それを解決せねばならない。
課題管理表は、そんな問題解決を行うための管理表である。
リスク管理表は、進捗を脅かしそうな要素を予め考え、対策を決めておくための管理表である。
リスクや課題で影響が大きそうなものがあれば、スケジュールやコストを見直す必要も出てくる。
早めにそういった要因を見つけるためにも、管理表が必要なのだ。




