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異世界×プロジェクトマネジメント  作者: 爽一郎
4章 設計構築すべし
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第58話 数値表現すべし

ヒロは言葉を続ける。


「今回の満月における暫定対策は、費用は安かったかもしれません。

 が、毎回1億2000万レムが失われる恐れがある」


「年間では、六回の満月…

 36人の犠牲…

 7億2000万レムが失われる、と…」


「その通りです。

 プロジェクトの目的は犠牲者を3人以下に抑えること。

 このままでは6人犠牲が出るところを、半分にできます。

 兵器は一基当たり1000万レムで構築できます。

 10基作っても、1億レムです。

 つまり…」


ヒロは少し間をおいて言う。


「1億の投資で、年間18人が助かる!

 一人あたり2000万レム、3億6000万レムが削減できるのです!

 兵力を費用換算すれば、兵器を作らないほうがこの国の財産を圧迫する!」


ヒロは力を込めて言った。

リーガルは手元の紙とヒロの顔を交互に見て、悩んでいる様子だ。


だが、それでもリーガルは引き下がらない。


「では、犠牲者が減るようにランクの高い冒険者を低賃金で強制的に使役するというのは…」


「それは、余計にまずいですよ。

 冒険者達のモチベーションは下がります。

 実力は発揮されないかもしれません…。

 それに、もし高ランクの冒険者が死傷すれば…

 その兵力は一人で1億レムを超えます。

 そんな損失を、リーガル殿は許せるのですか?」


リーガルは目をつぶり、ぶつぶつを口を動かした。

しばらくして、ヒロの目をまっすぐ見た。

そして、静かに話を始める。


「…確かに。ヒロ殿の言うとおりではあります。

 一人が犠牲になると2000万レム…そんな費用算出があるとは…。

 兵団の兵士が減れば、さらに補充をする必要があります。

 そなれば、ヒロ殿が言った費用と期間がかかる…。

 それは…事実です」


ヒロは小さな声で言った。


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この世界のビジネスにおける知識は、ヒロが元居た世界に比べると数百年遅れている。

いろいろなものを数値で表現して比較するということ自体に、目が向いていないのだ。


ビジネスにおいては、数値での表現が論理的でわかりやすい表現となる。

数値でメリットを表すこと。これはプロジェクトの承認を得るには必要なスキルなのだ。

とは言え、人の命を数値で表すなど、ヒロにとっては初めてのことだったが…。


結果的に、リーガルは次のフェーズの費用を承認してくれた。

彼には、数値表現は効いたようだ。


プロジェクトは次のフェーズへ進んだ。


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