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異世界×プロジェクトマネジメント  作者: 爽一郎
3章 暫定対策すべし
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第57話 犠牲者のコスト

リーガルとの、次フェーズに関する2度目の会議が開催された。

リーガルが開口一番に費用について尋ねる。


「ゾーム討伐に必要な費用について、減額を検討してくれましたか?」


ヒロは、静かに答える。


「検討しました。

 検討しましたが…費用は下げられません」


下を向いて資料を眺めていたリーガルが、その言葉を聞いてヒロに向き直る。


「それは、どういうことでしょうか?」


「現在ご提示している費用を、国庫から出していただきたい。

 そういった依頼となります」


「それは、承認できないと申し上げたはずですよ!

 何を検討されたのですか!?」


「検討結果を、これよりご説明します」


ヒロは、数字を黒板に書きつつ説明する。


「先日の満月、ゾームとの戦いにおいて、残念ながら死傷者が出ました。

 3名死亡。

 3名重傷」


「ええ。それは存じておりますとも。

 重傷者の2名は王国兵団の兵士ですから」


「そう、冒険者4名に王国兵士2名です。

 重傷者も、かなり深い傷で元通りに冒険者や兵士として活動できるようになるかは、望みが薄いです。

 つまり…この国の兵力が落ちたのです」


「その通りです」


「どれだけの兵力が落ちたのか、費用に換算しました。

 犠牲になった冒険者のランクはいずれも3。

 一般的にそのランクの冒険者になるまでには、4年の期間と2000万レムの費用がかかります」


「…それはどういった計算の結果なのでしょう?」


「そのランクになるまでに冒険者が得るギルドからの依頼料と報酬は、年間で約500万レムです。

 ようは、この国が、街が、ギルドが、彼らに投資をして、経験を積ませることで彼らはランクを上げているのです。

 依頼をこなすことによる実践経験が、最も冒険者を成長させますから。これはジュドーさんからの受け売りですが」


報酬とランクの関連はレインに調べてもらった。

やはり彼女はとても優秀なプロジェクト補佐だ。


リーガルは眼鏡を上げつつ、黙って聞いている。

ヒロは続けた。


「兵団の兵士の平均的な年間給与も、大体500万レムとランペルツォン殿から伺いました。

 そして、重症になった兵士の方は配属されて4年目の兵士ですよね。

 つまり、これまで彼に2000万レムがかかっている」


リーガルが答える。


「概ね、合っています」


「一人当たり、2000万レム。

 6人が犠牲になったので、1億2000万レムの兵力が、今回失われたのです!」


リーガルは眉を上げたまま、黙った。


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