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喫茶店フォレスタ  作者: うらひと
初恵編
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26/30

『初恵と採寸』

禁 複製転載・AI学習

「お母さんって、本当にパンツスーツが似合うよね」

 と、(よう)(すけ)(げん)。「スラっとした体型に(あこが)れる(きょう)ちゃんの視線ももっともだよね」と()められ、少し照れながらも「ありがとう」と返事するのが、(くすのき)()の母である(はつ)()だ。

 その堂々とした、あるいは、(しん)の通った言動は確かに子供たちの理想となっていて、その母親の言葉に(あと)()しされて兄たちが好きなものを追い求め、(きょう)()も母と兄たちの背中を追う。

 対して、家族をそっと支えるのが、父親の(じゅん)である。(おだ)やかで(もの)(ごし)(やわ)らかな態度で、(きつ)()(てん)の客も家族も関係なく、敬意とともに接する。子供たちが(なや)んでいることを(いつ)(しよ)に考える。そうした姿に、(はつ)()も「安心して任せられる」と(しん)(らい)を置いている。

 だからこそ、主張の強い色同士も混ざりあえる。そう考えて、子供たちが生まれたあとに始めたこの(きつ)()(てん)『フォレスタ』を守っていこうと心に決めているのだ。

 そして、先ほどの言葉に(よう)(すけ)が続ける。

「なんかこう、()(わい)い系とは(ちが)うんだよね……。()(れい)系というか、ゴテゴテしすぎるよりシンプルに『美』を出したい……」

 このとき、(よう)(すけ)(さつ)(えい)()(しよう)のために、(はつ)()の採寸を改めて行っていた。()(しよう)の系統を(そろ)えたい(よう)(すけ)が、ああでもないこうでもないと毎回(なや)むのを、「夢中になっているな」と(ほほ)()ましく見つめる。

「昔はスカートも長いものが好きだったし、そういう感じで何かないか?」

「……うん、考えてみる!」

 (はつ)()の提案に、(よう)(すけ)(うれ)しそうにメモを取ると、「ありがとー!」と()(しよう)部屋を去って行ったが、()()えもなしに放置された母親から、後で(ほお)をつねられたのであった。

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