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喫茶店フォレスタ  作者: うらひと
美月編
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19/30

『美月と看病』

禁 複製転載・AI学習

(きょう)ちゃん、体温計いる?」

(だい)(じよう)()……」


 救急箱を(あさ)りながら(きょう)()に声を()けると、(かの)(じよ)は首を横に()った。どうやら気分が悪いだけの様子だ。家族のなかでは一番気が()()(つき)は、自然と体調不良の(めん)(どう)も見るようになった。

 料理をやるようになったのも、(はつ)()が熱を出して()()んだとき「ちょうど家庭科実習でおかゆ作ったから」と進んで作ったからだ。(じゅん)もサポートしつつ、(さけ)フレークをまぶしたおかゆを出したところ、(はつ)()(めずら)しくぽろぽろ泣いてしまって(おどろ)いたのを、()(つき)(なつ)かしそうに()(かえ)る。その母が言うには、あれは(うれ)()きだったらしく、(はつ)()が店に復帰した日には夕食が(ごう)()になった。


(ばん)(そう)(こう)とか足りなければ、明日にでも買い物行くけど」

「んー……念のため一箱、お願いして良い?」

「いいよ」

「ちゃんと休んでね」

「ん」


 小さい(ころ)、幼心に両親がお店で共働きであることを察していた()(つき)は、「ぼくがしっかりしなきゃ」と(そう)()(せん)(たく)をしようとしていた。当然、どうすれば良いか分からずにぐずったり、(ゆか)がびしゃびしゃになったりと、(はつ)()からデコピンを受けた回数も数知れず。

 一方で、正直にやりたかったことを言ったおかげで、両親から少しずつやり方を教わっていくことができ、今の特技にも(つな)がっている。


「はい、お水」

「ありがと」


 今では、(よう)(すけ)との間で「何だかんだぼくらで店を切り盛りしそうだよね」と笑い合っている。それを聞いた、外で色々やりたいという(きょう)()から「任せた」と言われ、「ちょっとくらい手伝ってよ」と苦笑いもした。

 気が合う相手である森宮(そう)からは「(じゅん)さんみたいな、立ち位置で、(はつ)()おばさんみたいな、役割」と評されたときには、(なつ)(とく)した()(つき)がコーヒーを()れて感謝の言葉に代えた。

 何にしたって、得意なことを()められるのは気分が良い。その道に向かってひたむきに進むのが(くすのき)()らしいといえば、そうなのだ。

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