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喫茶店フォレスタ  作者: うらひと
美月編
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20/30

『美月と色彩』

禁 複製転載・AI学習

「……よしっ」


 つい夢中になって(あせ)をかきながら作品作りをすることが多く、Tシャツ一枚や、夏にはタンクトップ一枚に()()えるのが、すっかりルーティンとなった。

 ()(だん)は見ない、角張った(かた)まわりは確かに男性のシルエットで、見慣れているはずの(きょう)()からも(おどろ)かれることがしばしばある。

 絵に関しては、『デジタルもいいけど、感覚は忘れたくないし』と(かれ)は言う。やり直しがききにくいからこそ、イメージを(ふく)らませることができる、とも。

 

「店の夏メニューだから、海の色とか乗せてみようかな……」


 空の色にも負けない、海の青。父の(じゅん)から、夏メニューのかき氷のシロップについて(たず)ねられ、あの青色も夏らしいよね、とブルーハワイを選んだ。

 出すシロップのバリエーションは、一家のそれぞれのオススメを出すことにしたようで、全員が他の家族の答えを聞かなくても、自然と(かぶ)らなかったと、父は語っていた。


「今年のシロップは、家族の色、か」


 ふふ、と()みがこぼれた。バラバラのようで、お(たが)いを(じや)()しない。もちろん、小さい(ころ)にはあーだこーだと(けん)()もしたが、今ではうまく混ざり合っている。

 決して()()できない色は、見ていて()きない。(いつ)(しよ)に居るからこそ(きわ)()つ色もある。だからこそ、写真にも残したいし、絵にも残したい。笑われるから、と学校ではやりにくい(よう)(すけ)(えが)いた絵も、家で改めて(えが)いてプレゼントしている。

 母の(はつ)()からは『(じゅん)のように、よく人を見てくれる』と()められたこともある。『自然とそうなった』と返すが、実は()(つき)がホールの手伝いに入ると、()(だん)とは(ちが)う客層からの評判が聞けるらしい。


「だって、この家族を見たら、自然と居場所に出来るひとも居るよ」


 鼻歌交じりに筆が乗り始めると、アイスコーヒーの氷がからん、と音を立てた。

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