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喫茶店フォレスタ  作者: うらひと
美月編
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18/30

『美月と裁縫』

禁 複製転載・AI学習

 ()(しよう)部屋で(よう)(すけ)()(しよう)の製作をしていると、(よう)(すけ)が手を止めて話しかけてきた。


「ほんと家庭科やっててよかったよね」

「確かに」


 それに()(つき)も答える。今時でもまだ、「女子が得意とされる教科」が得意だったりするとからかわれたものだ。

「それならば()()けてしまおう」と今に至ったのが(よう)(すけ)だ。()(つき)はデザインの方が得意だが、チャコペンで()()に目印をつけたりと、服の構造に関することは重視して勉強した。

 (よう)(すけ)が着たい服なら()(わい)いものも当然考える。森宮家にも個性的な面々がいるので、助言やレビューを受けることもある。(じゆう)(じつ)した「勉強」の(かん)(きよう)がここにあることは、()(つき)にはとても(うれ)しい。

 引き立て役なら進んでやりたい、という()(つき)のスタンスは父の(じゅん)(えい)(きよう)だろう。(よう)(すけ)は堂々とした母の(えい)(きよう)だ。デザインをすることで、(よう)(すけ)もそうだが、周囲の人も感心してくれる。着ることも()()けられるなら、作る方もそうだ。


「……()(つき)。布地、足りる?」

「あっ、これ無理そう」


 夢中になっていたら、少し大きく()ちバサミを入れてしまった。よし、と立ち上がった(よう)(すけ)()()えを始めた。


「布地がなければ服はできないよー。ほら、()()えた()()えた」


 ふんふん、とご()(げん)(よう)(すけ)に乗せられ、()(つき)もクローゼットを開ける。


「モノトーンにグレーのポーチとかどうかなー」


 兄弟だから(なお)(さら)というべきか、勝手知ったる仲だ。線が細いのもあって、どうしても女の子っぽく見られてしまうので、自分に色を合わせるのは(よう)(すけ)にも相談する。

 すると、ご()(げん)で好みに合わせてくれる。その結果、二人並ぶとカップルに()(ちが)われることもある。(よう)(すけ)はノリノリで女の子として()()うが、()(つき)にはありがたさ半分であり、もう半分はというと、これはこれで苦笑いしてしまうのだった。

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