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喫茶店フォレスタ  作者: うらひと
美月編
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16/30

『美月と服』

禁 複製転載・AI学習

「このプリントTシャツはちょっと……」

「だって、いまそれしか()えのシャツがないだろ」


 ピンクのハートがどでかくプリントされた、「Iラブ○○」のアレだ。仕方なく着ることにしたものの、容姿とのギャップがないことに何とも言えない(くや)しさを感じる。

 昔からそうなのだ。兄の(よう)(すけ)は慣れた様子だったが、小さい(ころ)から女の子と()(ちが)われやすく、デパートで(もら)った風船が女の子向けで、(きょう)()(こう)(かん)した幼少時代。(よう)()(えん)や小中学校ではもちろん女子(あつか)いされすぎて、女子から同情されて情けなくて泣いてしまったり。

 兄が(とく)(ちよう)(てき)な服装を望むし、個性的な()()いを望む人だったから心が休まることも多い。とはいえ、その(もの)(めずら)しさで、友人から()(かく)されるのは(なつ)(とく)がいかなかった。


()()けてもダメ、(ふた)()だから(ちが)ってもダメ。ダメ、だめ、()()。みんなこうだもんねえ」


 家庭ではお(たが)い慣れっこだし、こういうからかいが学校であれば、『はみ出しすぎは(めん)(どう)ごとになるぞ』とは言う(はつ)()が、学校へほどほどに苦情を言ったものだ。逆に学校は、話の分かりそうな(じゅん)に伝えようとしたが、この親にしてこの子あり。『登校するときは守らせますが、休日くらいはいいじゃないですか』とかわして守ってくれたので、感謝している。

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