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喫茶店フォレスタ  作者: うらひと
陽介編
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10/21

『陽介とお客さん』

禁 複製転載・AI学習

 (かべ)()けられた先日の写真を(なが)め、(よう)(すけ)は満足そうにしていた。

「ほら、店開けるぞ」

「はーい!」

 元気に手を挙げ、エプロンを軽く結び直すと、ドアに()けた看板を裏返した。

「どうぞー」

 にこにこと顔を出すと、親子連れと目が合った。少年の方は少しびっくりして、父親の後ろに(かく)れたが、無理に声をかけないことにして、店の中へと案内した。

 ちらちらと様子をうかがう少年に父親は苦笑いしていた。父親に向かって『あいさつに向かいますか?』と口パクで伝えると、『(むす)()の勇気が出たら』と(ほほ)()みながら返してくれた。

「……そうだ、アクセサリーとか見せたらどうかな」

(よう)(すけ)が小さい(ころ)に好きだった()(ほう)少女アニメ。そのアクセサリーは今も大事にしている。きっと興味を持ってくれるはずだ。

「――うん、気になってるみたい」

 さり気なく近くのテーブルのコーヒーを届けてから、ふと気づいたようにしゃがんで目線を合わせてみた。

「あ、それかわいい……」

「でしょ!」

 少年は(きん)(ちよう)がほぐれたように、アクセサリーを手にとって(なが)める。父親に目を向けると、ほっとしたように(うなず)いてくれた。(うれ)しくなった(よう)(すけ)は、少年の手を取ってそれを(にぎ)らせた。

「あげるよ」

「えっ……いいの?」

「――いいんですか?」

 思わず、父親も(いつ)(しよ)(おどろ)いた。二人に、(よう)(すけ)()(がお)で返す。

「いいよ。私の『好き』を分かってくれたのが、(うれ)しいから!」

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