表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢だって暴れたい。婚約破棄の絶望から一転、溺愛される悪役令嬢に転生した私が、99人の兄弟と最低の父親を眠らせるまで。  作者: mania
3章 ヤン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/57

第43話 廃棄処分

「何人も相手にするより、彼女と戦う方がずっとマズい予感がする」


 同感だ。あれはまさに、人の形をした『死』そのもの。外にいた人たちはもう誰も残っていないし、二人だけで太刀打ちできると思えない。


「奥へ向かおう。実は抜け道があるんだ。狭くていつ崩れるかわからないから、本当は使いたくなかったけど……」

「あの子と正面衝突するよりは、遥かにマシね」


 ヤンが気絶したジュレンを背中に担ぎ上げる。私たちは洞窟の奥へと駆け出した。


「!?」


 後方から再びコツコツと音が聞こえてくる。急速にテンポを速めていく足音、なんて恐ろしい速度なんだ。肺が焼け切れるほど走る。


「ぜぇ……ぜぇ……」


 なんとか外に出た。どこかに隠れようと、残った余力を振り絞って足を動かし出した、その時


「射程」


 耳元で直接囁かれたかのような、凍りつくほど冷たい呟きが聞こえた。彼女はもう、追いついている。きっと途中からブーツを脱いで、足音を消していたんだ。


「危ないっ!」


 私はヤンに強く突き飛ばされた。直後、いきなり世界がズレて歪むような強烈な錯覚を覚える。


「ヤン!」


 体勢を立て直したヤンは、先ほどの戦い同様、彼女の魔剣をすんでのところで躱していく。しかし、圧倒的な猛攻に徐々に追い詰められ、彼も荒い息が止まらない。


「…‥こちらが構えると同時に動く。お前、かなり見えているわね」


 ヤンは彼女の興味も引いたらしい。一度、武器が下ろされる。


「悪くない。私の部下になるなら生かしてあげるわ」

「仲間や家族じゃなく、手下扱いなんだね」

「身の程を知れ」

「断ると言ったら?」

「もういい。何度も口答えできると自惚れている時点で、廃棄処分よ」


 直後、幾重にも重なる斬撃が空間を埋め尽くした。全てを避けることなど、人間には不可能だ。たとえそれが、ヤンのような超人であっても。


「うあっ!!」

「ヤン!」


 ドサリ、と鈍い音が響く。信じられない、信じたくない光景が…‥ヤンの身体は、上半身と下半身に分かたれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ