第27話 バッタバッタと倒していけ
私たちの目の前で、淡い光を放つスクロールウィンドウがふわりと浮かび上がる。羊皮紙の巻物みたいだけど、どこか透き通ったホログラムのような、不思議な質感。
【残り人数】 90/100人
【倒した人数】 1人
【武器倍率ボーナス】 1.3
【ステータス】
名前:アイサ・タナースーズ
魔剣:スリーピング・ビューティ
能力:麻酔効果
形態:第一
「魔剣名、スリーピング・ビューティ……」
私がさっき勝手に名付けた名前が、そのまま登録されている。言ったもん勝ちなのかしら。
「武器倍率ボーナスとやらが1.3になってるね。僕はまだ、1.0だけど」
「ヴィアダルを倒したからかしら?」
ジュレンが横から身を乗り出して画面を覗き込んでくる。年相応の男の子らしい、無邪気な一面もあるじゃないの。それはそうと、これは武器の強さが上がったってことか。
「なるほどね。戦えば戦うほど、力が雪だるま式に増えていく……残酷なまでの差がつくって、こういうシステムのことなのね」
「それでいいかい? ベル」
「さあねぇ」
そっぽを向くベル。ゆっくり落ち着いた動作から、嫌がらせというより、本当に教える権限がないといった印象だ。
「それにしても、もう10人も減ったのね……ん?」
容赦のない現実にため息をつきつつ、私はさらに下の項目が気になった。
「この形態って、なに?」
「秘密よぉ。まあ、他の兄弟たちをバッタバッタと倒していけば、何か気づくかもねぇ」
第一形態があるなら、第二、第三の形態もあるということかしら。ゲームの武器進化みたいでワクワクする反面、傷つけ合うことを強要されているようで、憎たらしくもある。
「でも……よかった。完全に息の根を止めなくても、麻酔で眠らせても倒した数にカウントされるのね」
心底ホッとして胸を撫で下ろした。誰も殺さずにゲームを進められるという、何よりの証明でもある。




