第五章 初めての気持ち
六月。梅雨空の下、教室の窓ガラスには細かな雨粒が並んでいた。
学級新聞の完成号が掲示板に貼り出されると、クラスメイトたちが集まり、口々に感想を言った。
「面白い! ランキングの記事、マジで笑った!」
「インタビューもけっこう本格的じゃん」
「彩花ちゃんがまとめたんだ? すごいね!」
称賛の声に、彩花は少し戸惑った。
本当は、記事の大部分を考えたのは陽人で、彩花はまとめ役に徹しただけだったのだ。
「ほらな? 楽しいほうがいいって言っただろ!」
陽人が満面の笑みでガッツポーズをする。
その笑顔を見た瞬間、彩花は心の奥でふっと何かが温かく広がるのを感じた。
(……やっぱり、この人の明るさはすごい。みんなを笑顔にできるんだ)
放課後、二人で教室に残り、片づけをしていたとき。
彩花は、ずっと胸に引っかかっていたことを口にした。
「……あのね。最初、私、あんたのこと大キライだった」
陽人はきょとんとした顔で振り向く。
「知ってた」
「えっ……」
「だって、目がめちゃくちゃ冷たかったもん。でもさ――なんで?」
その問いに、彩花は言葉を詰まらせる。
本当の理由は言えない。誤解していたなんて、とても言い出せなかった。
代わりに、うつむきながら小さな声で答える。
「……なんとなく、イラッとしたから」
「そっか。でも、今は?」
陽人の声は柔らかかった。
彩花は胸の鼓動を抑えられないまま、勇気を振り絞って答える。
「……今は、前ほどじゃない」
それだけの言葉なのに、頬が熱くなる。
陽人はにやりと笑って、からかうように言った。
「お、じゃあ進歩だな! 嫌いから、ちょっとマシになった!」
「ちょっとじゃなくて……」
思わず口にした自分の言葉に、彩花はハッとして口をつぐんだ。
陽人が首をかしげる。
「ん?」
「な、なんでもない!」
教室の外では、雨が静かに上がりかけていた。
窓の向こうにのぞく淡い光を見ながら、彩花は自分の胸に芽生えた「初めての気持ち」に気づき始めていた。
(これって……好きってことなのかな)
読んでいただき、ありがとうございます。
第一章の後書きのようにアイデアを出したら、AIが書いてくれました。




