第40話 VSシスノガータ①
さて、ようやっとメインディッシュのシスノガータ戦。
2月中には絶対終わらせたい、この話。
「………オイオイ、シスノガータ様、それは話が違くねえか?? “7つの試練を超えた先に”アンタとやる手筈だったじゃねえか、気が変わったのか?」
ドレムは事前に聞いていた話とは少し違っていた………というよりかは端折っていたためか、シスノガータに意図を問うた。
「お前達2人が想定以上だったからだ、それ以外に何か理由などあるか?」
「成る程、私たちを認めて、のことだったのね?」
「左様。故にこの私が最後の試練の相手を直に務める。私に勝てれば、ドレムが望む物をくれてやろう。」
「望むところだ!!」
かくして、エレーナ・ドレムVSシスノガータの決戦が幕を開けたのである。
シスノガータが魔法陣を携え、雷魔法を放った。
雷が落ちていく度に岩が抉れ、轟音を発しながら2人に襲いかかった。
2人はなんとかの想いで凌ぎ、エレーナが光魔法で反撃をする。
「『三方向の光線』!!」
ピュンピュンピュン!! というキレのある音と共に、光線が放たれ、シスノガータに直撃する。
しかしダメージが浅く、シスノガータも反撃を試みようとするが、ドレムが短剣の連続攻撃で反撃の隙を与えない。
「ほう………やるではないか、ドレム。試練の間に、お前も少しは成長したか?」
「ったりめえだろうがよ!! このために俺は鍛えてきたんだよ!!」
しかしシスノガータも流石に大魔王の弟なだけあり、ドレムの手数の多い攻撃をいなしていく。
だがエレーナも一気に斬り込んでいき、少しずつ、ただそれでも確実にダメージを与えていく。
(行ける………!! 確かに立ち回りは堅い、でもダメージを与えられないわけじゃない!! 2人なら勝てる!!)
エレーナは手応えを感じていたものの、シスノガータ的にはまだ2割程度しか発揮をしていない。
それを知っているドレムはまだ何かある、と警戒心を緩めていなかった。
(確かに連携自体は上手くいっている、だけどこんなもんじゃねえ、って事くらいはよく知ってらぁ………!! だからこそ、こっからだ!! 気だけはぜってえ抜くな、俺!! 足引っ張るわけにゃいかねえんだよ!!!)
2人は尚も攻撃を叩き込んでいく、しかしシスノガータはダメージを受けている素ぶりをしておらず、という展開が続いた。
約4分、息も切らさぬ攻防が続く中、防御を固めていたシスノガータが遂に動いた。
「風魔法………『五連竜巻』」
突如、シスノガータの前に巨大な風の渦が五つ、シスノガータの姿をカーテンのように覆うように出現した。
これによりエレーナとドレムは押し込まれてしまった。
(くうっ………!! なんて、威力………!! ティタノゾーアと引けを取ってない、流石に実の弟なだけあるわね………!! でも………!! 負けるわけにはいかない!!)
エレーナはこれに怯むことなく、一つ息を吐いて剣を構えた。
前進するようだ、この猛威を奮う竜巻の中を。
「ドレム!! 敢えて私のダメージ量を上げて!!」
「はぁ!?!? 正気か、テメエ!! 死ぬ気か!?」
「捨て身で突っ込まないと突破できない!! 私はシスノガータの事をまだ分かんないからこそよ!! だからお願い!!!」
エレーナなりの危機突破の方策だったが、ドレムは想定外にも程がある作戦に半ば呆れた顔をしていたが、やるしかないと腹を括り、攻撃力を上げ耐久力を下げる状態異常魔法を繰り出した。
「ったく、分かったよ!! 知らねえぞ、この野郎が………!! 『狂化』!!」
ドレムがエレーナに魔法を放つと、エレーナの身体に異変が走る。
全身の神経が剥き出しになったような感覚になり、痛覚が何倍も倍増されていく感覚が襲った。
神経が研ぎ澄まされたことで攻撃力やスピードが上がるものの、その分ダメージ量が増え、打たれ脆くなるのが弱点だ。
エレーナの目に、血が迸る。
視神経を研ぎ澄ませ、竜巻の僅か隙間を見つけてそこを突っ切りシスノガータの範囲及び自分の攻撃範囲へと侵入していった。
「覚悟しろ、シスノガータ………!! 『聖剣・星雲斬り』!!!!」
光で刀身を伸ばした剣で攻撃を放つエレーナ、だがシスノガータも即座に腕に硬化魔法を使い、ギリギリでエレーナの一撃を食い止めた。
「んぬっ………いい攻撃だ、勇者・エレーナ………だが、まだまだ足りんな、もっとだ、もっと来い!!」
シスノガータはどこか強者と戦える事を心から楽しんでいるようで、しかしまだ底を見せぬような素振り口振りをとっていた。
そしてドレムも竜巻を掻い潜り、しれっとシスノガータの下へと辿り着いたのであった。
次回はパート②。




